同窓会(By 南風)


「あはは、あはは」 後ろに乗った康介が抱きつきながらハシャイだ。

下り坂を二人乗り自転車は疾走した。

慎二と康介は同じクラスの中学一年生。放課後いつものように二人で近所 の池に魚釣りに来た帰り道。

「慎ちゃん、今日は俺の勝ちだね。」

「うん、今日は全然ダメだった。」

「慎ちゃん、ウチに寄っていく?」 康介の家は夫婦共働き、一人っ子の康介は夜遅くまで一人で過ごしてきたのだ。

「今日はね、ちょっと用事があるんだ。ごめんね。」 慎二は三人兄弟の末っ子。康介が小柄なこともあり、感覚的には康介を弟のように感じていた。

「そうなんだ、じゃあね」 康介の目が寂しそうだった。
「あかばねー、あかばねー」 駅の案内に慎二は目を覚ました。

康介かぁ、、何でアイツの夢を見たんだろう。やはり、今日これからのことが頭にあるからかなぁ。

今日は中学校の同窓会。特に今回は今年還暦を迎えた年度がメインになるとのこと。

慎二の中学時代のクラス会は卒業以来、全く行われたことがなく、慎二も高校、大学と進学し、大手保険会社に就職したことから、転勤も多く、クラス会や同窓会の類いは出席したことがなかった。

中学時代、、あの頃はみんなニキビ面だった。妙に大人びた奴、まだ小学生のほうに近い奴。殆どが高校に進学したが社会人になった奴もいた。

中学時代って不揃いのリンゴではなくてジャガイモみたいだな。

目をつぶったまま慎二は思わず口元が緩んだ。

電車は終点の上野に着いた。会場のホテルまで歩いた。

クラスメイトは来てるかな?ホテルに入り、会場に向かった。

「○○第一中学校同窓会々場」 濃紺のスーツに黒のハット。

受付の前に立ち、同じ年度の名簿をなぞる鉛筆を一緒に目で追う。

自分の名前の前後にも飛び飛びにチェックが入っていた

。胸に名札を付け、指示されたテーブルに向かった。

テーブルの周辺には男女20人くらいが談笑していた。

「ひょっとして、シンジ?」 背の高い頭の禿げ上がった男が慎二の胸の名札と顔 を交互に見ながら声を掛けてきた。

慎二も相手の名札と顔を見ながら記憶を探した。

記憶はすぐに繋がり、 「おー!高野俊彦。」 思わずフルネームで応えてしまった。

「シンジ、えらく貫禄ついたなぁ。」

「まあな、身長が伸びなかった分、横にひろがっちゃってな。」 慎二と俊彦は陸上部で二年間過ごした仲。

何故二年間かというと、二年生のクラス替えの時に俊彦と同じクラスになり、先に陸上部に入っていた俊彦に誘われたからだ。

慎二は小さい頃から足が速かったが、マラソンのような持久力を要することはまるでだめ。陸上部の練習を見ただけで、自分にはとても無理と尻込みしてしまい、好きな魚釣りを康介と楽しんでいたのだ。

「そう言うお前だって貫禄ついたじゃん。」 俊彦の頭を見ながら言った。

「ハ、ハ、は、頭はね。」 俊彦は頭をピシャンと叩いた。

「みんなー、シンジが来たよ。」 みんな慎二を見てる。

新しい仲間が来る度に、お互いの容姿の変貌を驚きあい、昔の面影を見つけ、子供のようにはしゃぎあっていたのだ。

誰が準備をしたのか、当時の色んな催しの写真がスライドで流れ、その度にあちこちで喚声があがったり、ハンカチで涙を拭うもの達がいた。
慎二は肩ををポンと叩かれ振り向いた。

あの、ちょっと見上げる目があった。

慎二の脳は一瞬にフラッシュバック。そうなのだ、ここに向かう電車の中のまどろみ。あの康介の目がそこにあったのだ。

「コウちゃん?」

「シンちゃん、久し振りだね、忘れられてるかと思ってた。」

「なに言ってんだよ、忘れるわけないじゃん。」 中学一年生の一年間、二人は本当に仲が良かった。

慎二の後を康介が付いて歩いていると言ったほうが合っているかもしれない。

しかし、二年生になり、クラス編成の結果、二人は別々のクラスになってしまった。

暫くは康介が慎二のクラスにやってきたりしていたが、慎二が陸上部に入り、クラブ活動に時間を取られるようになったりで、二人の仲は自然に疎遠となってしまったのである。

中学を卒業する時の康介は、中学一年生の時とあまり変わっていなかった印象が残っていた。

「シンちゃん、もっと大きかったように思ってたけど、」

「俺が背が伸びなくて、コウちゃんが大きくなったんだよ。」

大きくなったとは言っても165センチの慎二よりまだ背が低かった。色白でかなり薄くなった頭髪、太っているわけではないが、ふっくらした体型。流行りの小さめのメガネがよく似合って、品のよい雰囲気を漂わせていた。

「シンちゃん、貫禄ついて立派になったねぇ。」

慎二の腹周りを見ながら康介が言った。

「ただデブになっただけだよ。」

「今日はここが終わったらどうするの?」

「多分、みんな二次会ということになるんじゃないかな。コウちゃんのクラスも同じだろ?」

「僕は帰るよ、話したい人もいないし。」 康介がまた、あの子供の頃と同じ目で慎二を見た。

「よし、今日は二人で飲もうか、俺ももっとコウちゃんと話したいし。彼等とは連絡先も交換したし、ゴルフをやる約束もしたから今日は別行動することにするよ。」

二人はホテルの最上階にあるラウンジバーに移動した。

「ほんと、何年振り?うーんと、45年?」

「そんなに経ったなんて信じられないね、シンちゃんと釣りに行って、僕のウチで別れたのがついこの間のようだよ。」

カウンターに並んでお互いの人生の道中を語り合った。康介は地方の国立大から公務員になったこと。55才の時に所謂天下りというやつで、国土交通省関係の団 体の理事長に収まっているとのこと。

「ふーん、偉く出世したもんだね。」

「今は世間の風当たりがきついから大きな声では言えないけどね。シンちゃんは家族と一緒なんでしょ?」

「う、うん、いや、今は独りだよ。色々あってね。」

「僕はずっと一人、結婚には縁がなくてね、親ももういないし、親戚も少ないから寂しいもんだよ。」

「家族という存在も鬱陶しく感じることもあるよ、特に上さんはな。」

「ところでコウちゃん、覚えてる?二人で魚釣りに行ったあの池。」

「うん、もちろん覚えてるよ。」

「俺なあ、会社退職して一人になって、あの池のすぐ側のマンションに住んでいるんだよ。」

「えー、ほんとに!」

「もちろん、俺はスカンピンだから、借家だけどな。」

「だけど何であの池の側に?」

「うん、まだ会社にいる頃な、たまたまあの池の前を車で通ったんだな。俺たちが魚釣りしてた頃と違って、綺麗な公園になっていたんだよ。でもな、池の周りで何人か釣りをしてたんだ。その時決めたんだ。退職して、もし独りになったらこの辺に住もうとね。」

「へー、えらく衝動的だね。でも何か羨ましい気もする。」

「退職少し前、上さんに話したんだ、離婚したいと。」

「奥さん、ビックリしたでしょう?」

「うん、普通は女のほうから離婚を言い出して、旦那が驚くというパターンだもんな。」

「理由は長くなるから話さないけど、財産を全部やって、俺が出て行くと言ったら、意外とあっさり認めたよ。」

「人生いろいろあるね。」

「コウちゃん、つまらん話はこれくらいにして、俺の知ってる店に飲みにいかないか。」
九月になったが、少し開いた車の窓から入り込んでくる風は生暖かく、エアコンの効いた車内の空気と絡み合いながら康介の顔を舐めた。

二人はタクシーの中で少年時代の思い出話を競いながら交わした。

車はやがて新宿の高層ビル街の麓に到着した。

「ここはね、よく来た店なんだ、半年振りだよ。」

ドアを開けると 「いらーしゃ、、キャー、ママ、ママ、シンさんよ、シンさんが見えたわよ。」

入り口近くのボックスから振り向いたケイちゃんが叫んだ。

「シンさん、お久し振りでしたわね。お元気そうで。」

小柄な丸い身体を和服に包んだママのトシエが慎二の突き出た腹に手を当てながら出迎えた。

「ママ、こっちはね、僕の中学時代の同級生、コウちゃんて言うんだ、宜しくね。

彼は僕と違って、まだ現役で頑張っているから贔屓にしてもらうといいよ。」

ボックス席に案内された二人にケイちゃん他二人の女の子が付いた。

「シンさん、ほんとにご無沙汰ね。」

「うん、田舎に住んでると都会に出てくるのが億劫でね。でもね、これからこのコウちゃんが来るから、よく面倒みてよ。」

コウちゃんは何となく落ち着かない。隣に付いた女の子が膝の上に手をおいてくれているのだが、握りかえしもせずにグラスを口に運んでる。

「俺たち二人でよく魚釣りに行ったんだよ。なあ、コウちゃん、大抵俺が勝ってたけどね。」

「そんなこと無かったよ、互角のいい勝負だったじゃん。」

また少年時代の思い出話で盛り上がった。

「シンさん、私もお魚釣りに行ってみたいわ、連れてって。」

「えー!ケイちゃんが魚釣り?君ね、魚釣りは昼間の太陽の下でやるんだよ、分かってる?」

「そんなこと分かってますよ。私が太陽に当たってはいけないの!」

「昼間はみんな見えちゃうんだよ。」

「まったく、口が悪いんだからぁ。」 ケイちゃんが、慎二の股間を握った。

「いてて!もう弾力がないんだから、潰れちゃうだろが。」

「コウちゃんね、こいつはねオールドハーフじゃなくてニューハーフ、そうじゃなきゃ男の股間を平気で握れる女なんていないよ。」

康介も場の雰囲気にも慣れ楽しい時間が過ぎた。

慎二がトイレに立った。かなり酔いが回っているらしく足元がふらついている。

「シンさん、珍しいわね、こんなに酔って。コウさんと会えて本当に嬉しかったのね。」

「ケイちゃん、タクシー呼んでくれる?電車がなくなっちゃう。」

慎二が新宿駅で降り、康介はそのまま自宅まで乗っていくことにした。

タクシーに乗り込むと慎二はすぐに寝息をたて始めた。

車が駅に着き康介は慎二の身体をゆすり、声をかけた。でも何がなんでも起こすというわけでもなかった。

「運転手さん、月島まで行ってください。」 車は晴海通りを静かに走った。

ネオンの光の残像の中を走った。康介は隣の慎二を覗いた。

車のソファーに深く沈み込み、時折口からプァーと息を吐き出しながら気 持ちよさそうな寝顔だった。

康介はソファーに置かれた慎二の手に自分の手を重ねた。やがてその手をとり、両手で揉みしだいた。

肉厚の意外と小振りな手。康介はそのまま慎二を抱き締めたい欲求が湧いてくるのを必死に抑えた。
「シンちゃん、着いたよ。降りて。」 慎二の身体を揺すった。

「うん?ここは何処だ。」

「シンちゃん、寝てて起きないから僕のウチまで乗せてきちゃった。」

30階建ての28階に康介は住んでいた。中に入り廊下の突き当たりのドアを開くと窓の外に拡がる光の森。

「同じ日本とは思えんな。」

遠くレインボーブリッジに続く赤い帯。慎二は暫し窓の景色に見いっていた。

「シンちゃん、酔っててお風呂は危ないからシャワーを浴びて汗を流しておいでよ。タオルは中にあるから。」

康介はもう部屋着に着替えていた。

シャワーを浴びた慎二がトランクス姿で汗をふきふき出てきた。

「シンちゃん、ごめんね。シンちゃんが着れるものがウチにはないみたい。」

「なあに、ウチではいつも裸ん坊だよ、誰も見る人はいないからね。」

「冷えたビールでも飲む?」

「いや、もうアルコールは結構。今日はもう寝かしてもらえるかな、眠くて眠くて。」

「そこのソファーベッドを作っておいたから、先に寝ていいよ。僕はシャワー浴びてから寝るから。」

康介はシャワーを念入りに浴びた。慎二に会いたいとは思っていたが、まさか慎二があんなに変貌しているとは。

自分は同性愛者。いつ頃から意識したのだろう。中学一年の時、確かに慎二と仲が良かった。でもそれは単純に友達としてであった。

むしろ、慎二の家に行った時に慎二の父親が裸のステテコ姿で肥えた身体でウロウロしているのを見た時、妙に胸が高鳴ったことを覚えている。

中学、高校となるにつれ、自分の性向を確信した。

思えば自分には青春時代と言える時が無かったような気がする。

皆が青春を謳歌している時に、自分の関心はいつも父親のような年代のオジサン。

公務員上級試験に合格し、今の国土交通省に入省した。

とにかく仕事に熱中した。

周りからは、堅物、融通が効かないなどと言われたり、幾つになっても結婚しない康介に、陰口をきかれていることも知っていた。

55歳で出世競争から脱落。 職員100名を越える長であれば、世間一般からすれば順風満帆な人生である。しかし、康介の心はいつも鬱々としていた。

自分の人生の意味ってあったのだろうか。そんなことは考えるのはよそう。ずっと昔から堂々巡りじゃないか。

公益法人に天下ってからの康介はがらり と人が変わってしまった。

公務員時代は人一倍早く出省し誰よりも遅くまで仕事をした。

ウルサガタで厳しいという評判だったが、緊張して迎えられた法人の職員達も拍子抜けしたものだ。始業時間ギリギリに出社し、五時には帰ってしまう。
シャワーを浴びてリビングルームを覗いた。

豪快なイビキが聞こえる。でもとても懐かしく聞こえる。

トランクス一枚でタオルケットも足元に蹴り下ろしてしまっている。

康介はベッドの脇にそっと腰掛けた。

イビキに合わせて分厚い胸、腹が上下している。

「シンちゃん、君を抱き締めたい!そして、君に抱き締めて欲しい!」 心で呟いた。

小ぶりな口にそっと唇を重ねた。

シンちゃんの口が反応したような。

胸に手を当て乳首を手のひらで転がす。

シンちゃんが大きく息を吸い込み吐き出した。

再び大きなイビキが規則正しく始まった

。胸から腹へ、柔らかく弾力のある肌。臍の回りに薄く毛が生え、トランクスの中に続いていた。

見たい、触れたい。もう理性では抑えられない。

腹からトランクスの中に指を潜らせた。

柔らかな茂みの中にそれはあった。亀頭を軽くもみしだく。

シンちゃんの息づかいに変化はない。

トランクスを引き下げシンちゃんのモノを露にした。

短めだが亀頭が大きく太い。

親指と人差し指で上下に擦る。

もっとトランクスを降ろしたいが腰を浮かしてくれるはずもない。

片手でパンツを抑え、シンちゃんのモノを口に含んだ。

イビキが止まり、シンちゃんの口が尖ったように見えたが、またすぐにイビキが始まった

。上下運動しながら、亀頭を吸い、舐めた。

時おり、呻くような声を発するが、すぐに規則正しいイビキになる。

トランクスを元に戻し、慎二の隣に頬杖をついて横たわった。

慎二が隣に寝ている。

寝顔をいつまでも見ていた。
「よく眠れたかい?」

「うん、ほんとによく寝れたよ。目が覚めたら、この窓からの景色だろ。どこにいるのか訳分からなかったよ。」

慎二が顔や首を掻きながらベッドの上で起き上 がった。

コーヒーの香りが気持ちよい。

「あんまり気持ちよさそうに寝ているから、ちよっとイタズラしちゃった。」

「イタズラ?何したの!顔にイタズラ描きしたんだ!?」

「ウソだよーん、それより、シャワー浴びておいでよ。トースト焼いておくから。」 康介の心は弾んでいた。

「シンちゃん、今度、魚釣りに行ってもいいかい?」 慎二がシャワーを浴びてテーブルに付いた。

「あー、絶対お出でよ、竿はあるから手ぶらで大丈夫だからね。」 携帯やメルアドの交換をして慎二は帰って行った。

慎二を駅まで送って部屋に戻った康介。自然に顔が綻んでくる。
その後二人は毎週金曜日になるとデートを重ねた。

もちろんデートと思っているのは康介のほうだけ。

慎二はただ単純に気持ちよく飲んで酔っ払いたいだけだった。

慎二は会社を退職してから、極力会社からは遠ざかりたいと思った。

だから会社の同僚から連絡があっても、色々口実を付けて断っていた。そのうち連絡も少なくなった。もう仕事の話はしたくない!
ある金曜日。新橋の居酒屋。勤め帰りのサラリーマンで賑わっていた。

「コウちゃん、俺な、コウちゃんと再会して、こうしてお酒飲んで、この時間がうんとシアワセ。」

回りの声に負けない大きな声で、少しロレツの回らなくなった話し方。

「子供の頃に戻って、子供の心でお酒に身を任せる。これが酒飲みの真髄というもんさ、もっとも、子供は酒を飲まんがな、ハッハッハ。」

「うん、僕も同じだよ。シンちゃんといると45年前にタイムスリップして、子供の頃の僕になれるんだよ。

会社での僕は嫌な奴、変人、口煩い上司。でもシンちゃんといる僕は本当の裸の自分でいられる。」

「シンちゃん、実は打ち明けたいことがあるんだ。」

「これを話したらシンちゃんに嫌われるかもしれない、軽蔑されるかもしれない。でももう話さずにいられない。」

「なんだい?何か怖いな。」

「ここでは落ち着いて話せない。外に出よう。」 二人は居酒屋を出て、桜田公園の中を歩いた。

もうかなり寒いのに、公園のベンチには人影がちらほら見えた。

「何だよ、コウちゃん。」 空いたベンチに座るなり、慎二は無邪気に康介の体に押しくら饅頭をするように身体を寄せてきた。 、 、

「僕は同性愛者なんだ、男しか愛せない人間なんだ。」

何も言わない慎二の顔を覗き込みながら、 「驚いただろ?軽蔑する?」 慎二が口を開いた。

「何だ、そんなことか。」

「コウちゃんと再会してな、楽しく遊んでる時に思ったんだよ。俺が探してた女はコウちゃんを女にしたみたいな人かもしれないと。」

「俺な、男みたいに雑な性格の女を嫁さんにしちゃったんだよ。それでな、子供も一人前になり、退職したら、絶対この上さんと老後を送りたくないと決めていたんだよ。」

「それとね、俺も鈍感ではあるけれど、コウちゃんの気持ち薄々感じていたよ。もし、それが嫌だったらこうして一緒になんかいないよ。」

「そんじゃね、今度は俺が打ち明ける番だね。」

「実はね、コウちゃんちに泊まった、あれは三回目だったかな。寝てたらね、セックスしてる夢を見たんだ。それがえらく気持ちよくてね。途中ではっと気が付いた、これは夢じゃない、現実の気持ち良さだと。」

「状況が分かったとき、俺は君をはね除けようとした。でもはね除けなかった。何でか、それはね、気持ち良さに勝てなかった。」

「あんなに気持ち良いことは久しく思い出せないくらいだったよ。」

「さあ、それからが大変、寝ている振りをしてわざと寝息を出したり、でもあんまり気持ちいいもんで、思わず身体が動きそうになったり、もう大変だったよ。」

「シンちゃん、目が覚めてたの!気が付かなかった、ちょっと恥ずかしい。」

「だからね、コウちゃんが同性愛者というなら、俺は人間愛者だな。俺もコウちゃん、好きだよ。同性愛的な好きかどうかは分からないけど、そんなことどうでもいいよ。」

「シンちゃん、有り難う。ボク、泣いてもいい?初めて思ったよ、生きてて良かったなって。こんなに心が震えるなんて、、僕の青春が来た、、嬉し涙ってほんとにあるんだね。」 公園のベンチ、二つの黒い影。いつまでもその形は変わらなかった。

つづく(でもいつになるか分からない:http:続きの『人生の扉」です。/Ichi)

(Posted by Ichi : 南風さんの了解を得て熟年男性専科2に掲載されたものを転載致しました。)

*「Ichi&お仲間の作品(禁18歳未満)」に戻る。

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