シリーズお爺ちゃん(第1話);プロローグ(By爺ちゃん)


(1)
爺ちゃんは天然呆けの婆ちゃんと二人暮らしである。
娘と息子がいるが同居はしていない。
爺ちゃんには名前があるが、だれもその名前を呼んでくれないので、爺ちゃん自身忘れてしまった。従って、爺ちゃんである。

(2)
爺ちゃんは、よく婆ちゃんに「俺は組合員だ。」と言う。
婆ちゃんとは爺ちゃんの山の神のことだ。
婆ちゃんは爺ちゃんが何の組合に入っているかは知らない。
だが、時々「今の電話は組合員の鈴木さんからだ。」とかお爺ちゃんから告げられるので、何かの組合に入っていると信じている。
爺ちゃんは63歳である。
「組合歴は10年弱だが、まだ幹部にはほど遠い。」と自称している。

(3)
婆ちゃんは爺ちゃんを「コンピューターおたく」と陰口を叩いている。
爺ちゃんの部屋に入ると、大体、爺ちゃんがコンピューターに向かって何か打ち込んでいることが多いからだ。
爺ちゃんは、時々、マイクがついたヘッドフォンで、画面に向かってしゃべっている。
スカイプだそうだ。
無料で会話ができるらしい。
近頃は部屋のドア・窓を閉めて話しているが、以前は開けっ放しなので、夜中は声が響いて、ご近所のご迷惑にならないかと、婆ちゃんがハラハラしていた。

(4)
爺ちゃんは越中褌を常用している。
爺ちゃんが洗濯物として、越中褌を洗濯籠に入れたときは、婆ちゃんびっくりした。
それが何なのか理解できなかった。
そこで、爺ちゃんに聞いた。
「これは何ですか」
「褌さ、知らないのか、非常識な奴だ。」
「どうしたんですか」
「インターネットで買った。これまで、手洗いをしていたが。飽きた。洗濯してくれ。」
「こんなもの、干すのは恥ずかしいですよ」
「日本男児の立派な下着だ。堂々と干せ」
そんなやり取りを経て、爺ちゃんの下着として、ほぼ定着した。
婆ちゃんは、旅行時の荷物に褌でなく、トランクスを入れる。
健康診断の時は、「今日は褌ではないでしょうね。」と念を押す。
だから、ほぼ定着なのだ。
爺ちゃんは、黒猫も六尺も揃えている。
六尺はインターネットで締め方を独習し、なんとか締められるようになった。

(5)
爺ちゃんはタチよりのリバと自称しているが、どういう人をタチというのか、どういう人をウケというのか、リバとはどういう人なのかはっきりとは知らない。
爺ちゃんは裂れ痔持ち主で、フレンドのものを受け入れられない。
痛さが我慢できないのだ。
我慢できないことが恥ずかしいと思っていて、密かに訓練をしている。
まだ、痛さを上回る快感は経験したことが無く、挿入されて悶えることに憧れを持っている。

(6)
爺ちゃんは、常々「何か書きたい。」とか言っているが、婆ちゃんは「恥をかいているので十分でしょ。」と取り合わない。
「食えなくなったら、書き物で稼ぐ」とも言っていた。
だが、これまで、何度もトライをしたようだが、作品を書き上げたことがない。
今回も、何か書き出したようだ。
「お仲間談話室」とかいう組合のホームページに投稿するつもりらしい。
婆ちゃんは、読む気はないし、どうせ三日坊主と馬鹿にしている。

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シリーズお爺ちゃん(第1話);プロローグ(By爺ちゃん) への3件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    この老夫婦の爺ちゃんは読者である私自身を紹介している様な錯覚をしてしまう。
    生活環境も似通っているし、かれこれ6年近く常用している下着も越中褌だからです。
    以前は、山の神にスカイプを楽しむのも宜しいが、夏は貴方の声が外部に筒抜けですよと、
    たしなめられた事が有った。
    ただ、違うところは、パソコンに夢中な私に何一つ愚痴を言わない処です。
    外泊も公認です、決して口にしないことは「組合員」の単語です、が、山の神は亭主が「組合員」である事は
    薄々感じているようだ、依って亭主は山の神の掌の上で踊らされている。
    今後、この爺ちゃんの活躍が楽しみだ。

  2. いつも楽しく読ませて頂き有難うございます。
    僕はスケベですがなかなか感情を素っ裸になって表現出来ずうらやましいです。
    ちんぼや肛門は二人だけなら見られたいタイプです。
    銭湯では前を隠しますが。

    • 管理人 より:

      はじめましてさん、コメント有り難うございます。

      この爺ちゃんからどんなお話しの提供があるのか、管理人も『楽しみにしています。
      期待しましょう。

      精神的にも、肉体的にも素っ裸になると世界がかわります。
      少なくとも自分が変化します。

      身につけことで隠していたもの、自覚しなかったことが露わになるからでしょう。
      怖いでしょうが、裸になってみては如何ですか
      ためしに、銭湯で隠さないで行動してみてご覧なさい(笑)

      密やかに、二人だけになって見せて頂くのも良いですが、その後の行動を自制できる自信がありませんのでお願いしない方が良さそうですね(笑)

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