シリーズお爺ちゃん(第5話):通勤路(By爺ちゃん)


爺ちゃんは月・水・金、パートタイマーをしている。
勤務先は独立行政法人の研究所で、仕事は掃除である。
研究所と契約している会社の事務所が研究所内にあるのだ。
所沢駅まで歩いて20分、西部池袋線で一駅乗って秋津で下り、新秋津駅まで歩いて、JR武蔵野線に乗り換え北朝霞まで行く。北朝霞から朝霞台駅まで歩いて東武東上線に乗り換え、和光市駅まで行く。和光市駅から研究所までは約15分歩く。
(2)
爺ちゃんは万歩計をつけている。
仕事日は通勤だけで、往復で11000歩ぐらい歩く。
仕事場では万歩計を外しているのでどのくらい歩いているのか分からないが3000から6000歩と推定している。
歩数は、その日、その日の仕事の内容で大きく変わる。
(3)
婆ちゃんは、愛想が良い。
なにかと
「暑いわね~」
「おはよう」
とか
「有り難う。」
とか声をかける。
それが感染したのか、爺ちゃんも、むやみやたらに、挨拶をする。
挨拶に留まらず、まるで知り合いのごとく話をしだすのである。
(4)
所沢までの道すがら、追い越す、小柄なお父さんがいた。
爺ちゃんの通勤日には必ず、大体同じ場所で会う。
リュックを背負って、ゆっくり、ゆっくり歩いている。
リュックは体裁で担いでいるようで、何かが入っているようには見えない。
追い越す度に、「おはようございます。」と声をかけた。
歩くスピードが違うので、話はできない。
「おはようございます。」
がいつか
「おはよう」に変わった。
そして、
「今日は良い天気だね。」とか
「雨が降りそうだね」
みたいな、言葉を添えるようになった。
(5)
お父さんの年齢は分からないが、爺ちゃんには年上のように思えた。
すれ違いの、短い会話で、爺ちゃんが、お父さんについて知ったことは。
一人暮らしで、毎日、駅近くのマーケットに散歩がてら水を買いに行く。
膝が痛いので、早くは歩けないので、時間をかけて歩いている。
くらいである。
(6)
爺ちゃんは、言葉をかけるだけではもの足らず、スキンシップをしたくなってきた。
そこで、追い越すときに言葉とともに、肩を叩くことにした。
お父さんは、初めはびっくりして、
「なんだ、『このじじい』は」
みたいな顔をしたが、回数を重ねるうちにニコニコ顔を返してくれるようになった。
そこで、爺ちゃんは、スキンシップの場所を肩からお尻に移動した。
「おはよう。」
と言いながら、お尻をポンと叩くのだ。
(7)
爺ちゃんは、いつの間にか、お尻を触りながら、歩く速度を緩め、10mぐらいお父さんと一緒に歩くようになった。
歩きながら、お尻を摩りだしたが、お父さんはニコニコしている。
そこで、一緒に歩いて後、先行する瞬間に、
「じゃあ、元気でね」といって
オチンチンをポンと軽く叩くようにした。
これも、クリヤーした。
(8)
今度はオチンチンを握っちゃおうと、爺ちゃんが決意してから、お父さんを見かけることが無くなった。
真夏日がかなり継続している。
お爺ちゃんは、病気でもしていないかと心配する一方、
エスカレートしすぎて嫌われたかと気にしている。
先日も、遠くから、お父さんだと思って、急ぎ足で近づくと人違いだった。
(9)
近頃は、40代のサラリーマンが爺ちゃんを追い越して行く。
そのお尻が魅力的なので、引き離されないように頑張っている。
お尻がぷりんぷりん躍動するのを見ながら、汗をかきかき頑張っている。
だが、まだ、声をかけてはいない。

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