上野新平シリーズ(第28話):げた履きのお爺ちゃん(一)By源次郎


博多港が見渡せる丘に車で登って来た。
早朝から洗濯と掃除をした後、郊外のストアーで食料品の買い溜めを済ませたが、まだ昼前でもあったので、なんとなく走らせて来た。
カーラヂオからの歌謡曲が聞こえて来る。
『おやじの下駄』
とか言ったが初めて聞く曲だ。
アーチストの「千葉げん太」なんてのも聞いたことが無い。
新人だろうか。

♪  祭り太鼓に  血が騒ぎ  おやじの形見の  下駄をはく
不器用細工の  男物  おやじが歩いた  人生の
坂道ばかりで すり減る苦労を  知っている・・・。
汗をふく手を  振るくせが  おやじにこのごろ  似てきたよ
時代の違った  道だけど  男が生きてく  同じ道
いくつも峠を  歩いて行こうよ  男下駄

何かを感じさせられる。
「おやじの下駄か・・・。」
シートを倒して目を瞑る。
高台から見えるカモメの背中が眩しくキラキラ光っている。

『カランコロン・・・。』
タイミング良く下駄の音が聞こえてきた。
アスファルトで舗装された道だから下駄履きでも構わないだろうが、最近では懐かしい乾いた心地よい音だ。

新平のワゴン車に近づいて来ているようだったが、だんだん遠のいてしまった。
ウトウトしていたら、フロントガラスから誰かが覗いている。
白髪を耳の上に残しただけで禿頭のお爺ちゃんだ。
目をクリクリ凝らして一生懸命に車内を確認しようとしている。
ガラスに光が反射して見難いようす。
薄目を開けて、お爺ちゃんの可愛い顔を楽しむ。
ナビシート側のガラス窓に回ってなおも覗き込んでいる。

ウインドウリモコンでガラスを下げてやった。
「おっ!」
吃驚して一歩下がり、再び顔を見せる。
袖とズボンの横に白いラインが三本はいった、ジャージウエアー姿だ。

「なんだ寝ていたのか・・・。起こして悪かったな。」
照れながら詫びている。
「こんにちは、お散歩ですか。」
「いやぁ、お散歩って程でもねぇ。退屈だっただけじゃ。」
「暇だったら、お話しませんか。」
「あぁ、死ぬほど暇している。乗ってええんか。」
「どうぞ、私も暇なんです。ちょっと足場が高いので注意して・・・。」
ドアを開けて手を取って引き上げるようにワゴンに乗ってもらった。
先程の下駄の音は、このお爺ちゃんだったようだ。

「ややぁー、上等な車だっちゃ。」
「それ程でも無いですよ、結構乗っていますから。」
「なんだテレビも付いているんか、珍しいのぉ。」
「このご近所にお住まいですか。」
「あぁ、後ろに見えるじゃろ、あのポンコツじゃ。」
「え、あれって・・・。」
「うん、グループハウスとか言うんじゃ。」
「立派な新しい建物じゃないですか。」
「外観は、そう見えるじゃろうな。でも中は汚ねぇ。」
「そうですか、もう長くこちらに来られているんですか。」
「カカァが死んでからじゃ、先月、カカァの三回忌済ませた。」
「そうですか、奥さんは亡くなられたんですか。」
「ワシより若かったのに、還暦過ぎた頃からボケだしてのぉ、まだらボケでのぉ、徘徊までするようになって手を妬いていたんじゃ。」
「・・・・・。」
「そんでも十年近く面倒見てやったから・・・。最後は、近所のコンビニ帰りに交通事故で、あっと言う間だ。」
「子供さんとかは・・・。」
「三人居るが、皆遠くに住んでいる。」
「それで、グループホームに入居されたんですね。」
「自宅には気が向いたら時々戻って窓を開けて風を入れている。料理、洗濯は出来るんじゃが、子供たちが、どうしてもって聞かないんじゃ。」
「遠い所に住んでいらっしゃるから心配なんでしょう。」
「ま、そう言うことなんじゃろうが・・・、勝手なモンじゃ。」

話が尽きない、一気に喋って一息ついた頃、それとなくテレビのスイッチを入れてみた。話題を変えてみたかったからだ。

「お爺ちゃん、下着は何を着ていますか。」
「なんじゃぁ突然に・・・。」
「そうですね、すみません。ちょっと興味があって。」
「そんな物に興味があるのか、別に変わったのは、履いてねぇ。下着販売の仕事でもやってるのか。」
「いいえ、親父がふんどしだったので、私も最近ふんどしにしたんです。」
「ほぉ越中か、昔の男は皆ふんどしじゃったなぁ。わしは、メリヤスのサルマタじゃ。」
「蒸れるんじゃないですか、金玉が。」
露骨に表現してみた。ジロっと新平の顔を見て、目が合うとニッコリ笑った。
「確かに蒸れる。勤めを止めてからは越中して開放感を楽しんでいた。死んだカカァに縫ってもらってたんじゃ。」
「あんなの簡単でしょう。最近はデパートでも売っていますよ。」
「越中をデパートで売ってるのか。欲しいなぁ。」
「今度、買って来ましょうか。」
「いいのか?」
「あぁ、忘れなかったら・・・。」
「なんだ、あてにならん男じゃなぁ。」
「車にも一枚洗濯したのが有りますが、履きますか。」
「いや、いらねぇ。」
「中古じゃ嫌ですよね。」
「そんなワケじゃねぇけど・・・。こんな若いモンがワイワイ騒ぐのは煩いのぉ。ニュース番組とかはやってないんか。」

シモネタが嫌なんだろうか、テレビの画面を見ながら話を変えてきた。
「この時間は無いようですね。DVDでも見ましょうか。」
「なんじゃ、そのDVとかは。」
「レコードみたいな物で映像が映ります。」
「おぉ、映画が見られるのか。」
「はい、ちょっと古いんですが『戦場に架ける橋』があります。」
「そうか、懐かしいのぉ・・・。クワイ河マーチ。」
「おや、詳しいですね。」
暫らくおとなしく見ていたが、大きな欠伸をしている。
「字幕が小さくて読めんなぁ、他に日本語のヤツとか無いのか。これだったらアダルトとかも有るんじゃないのか。」
「好きなんですか、有りますよ、でもチョット変わったヤツですが、見ますか。」
「おぉ、見せてくれ。」

無音でタイトルが映った。
『おやじの肖像』
「なんだ、大袈裟なタイトルじゃな・・・。」
いきなり50がらみの男二人がネクタイのスーツ姿で抱き合ってキスをしている。

「・・・、ゴクン。」
食い入るように画面を見て生唾を呑み込んでいる。
男二人が洋服を脱いでスッポンポンで絡み合いだした。
シックスナインで竿をシャブリ合う。
モザイク無しの裏DVDだ。
「こんなの・・・。わ、わぁー。凄い・・・。」
そう言ったっきり、なおも顔を近づけて見入っている。
そのまま20分位の絡みを無言で見終わった。
終わると新平の顔を見てニッコリ笑ってくる。
もしかしたら興味があるのではないかと都合よく考えてしまう。

「見ないほうが良かったんじゃないですか。」
「いやぁ、面白かった。有難う。」
「そうですか、それは良かった。また暇があったら来ますから。」
「うん、見せてくれ有難う・・・お茶でも飲んで行かんか。」
「有難うございます。今度また来たときに寄せてもらいます。」
「なんだ遠慮か?」
「そうじゃ無いんですが・・・。」
「だったら寄って行けや。」
「はい、じゃぁ、ちょっと送っていきましょう。」
グループホームの玄関前の駐車場に車を入れて、下駄履きのお爺ちゃんと肩を並べて玄関に入る。

「珍しい、下駄履きでしたか。」
「ああ、サンダルは嫌いなんじゃ。水虫とかじゃ無いが、この方が落ち着くようで・・・。」
ロビーに数人のお爺ちゃんとお婆ちゃんが居たが、皆一斉に新平達を見てくる。
自分の身内や知人で無いと判るとがっかりした顔に代わる。
その後、素性を確認するかのようにジロジロと見てくる。

「こんにちは、お邪魔します。」
一応挨拶して靴を脱いでスリッパに履き替える。
「さぁ、挨拶はいらんから、はよう上がれ。3階じゃが歩くか。」
「エレベータも有るんですか。」
「車椅子のも居るからな。」
お爺ちゃんが先に階段を昇りだした。
「元気ですね。」
「このくらいの階段は昇るようにせんと足が弱るからなぁ。」
「いいことですよ。お幾つですか。」
「歳か、75になった。」
「そうですか、私より22個上ですね。」
「53か、若いなぁ。」
「いいえ、若くはありません。結構あちこちきていますから。」
「ここじゃ、入ってくれ。」

広い窓には淡いピンク色のカーテンガ下げられた明るい部屋だった。
セミダブルのベットには、分厚いカバーが掛けられている。
ライティングデスクには液晶テレビが置かれていて、小さめの応接セットまである。

「羨ましい凄い部屋ですね。」
「そうかなぁ、入り口の右横がトイレと洗面台、左のアコーデオンカーテンあけるとミニキッチンがあって、小さい冷蔵庫もあるんだ。」
「これに冷暖房完備してあるようだし、ポンコツなんて罰当たりですよ。」
「でもなぁ、風呂が無いんだ。」
「それは贅沢ですよ。お風呂でコミニュケーションとるように配慮されているんですよ。」
「そのコミニってのが煩わしいんじゃ。」
「そんなこと言っては駄目です。食事以外は部屋に閉じこもってしまってテレビを相手にしているだけでしょう。」
「見ていたようなことを言うんじゃなぁ。」
「あっはっはっ、ズバリでしょう。」
「まぁ半分は当たっている。」
「でしょう、他の人も似たような考えでしょうから出来るだけ皆さんと会話をしないと・・・。」
「わかった、わかった、息子たちと同じようなことを言うんじゃのぉ。コーヒーでええか、それとも・・・。」
「ビールとかは駄目ですよ。コーヒーにして下さい。」
「あのぉ・・・。」
「はいっ?」
「名前、聞いたんじゃったかなぁ。」
「あ、言っていませんでしたね。上野新平です、新平って呼んで下さい。」
「上野さんか・・・。」
「だから、新平って呼んで下さい。」
「そんな、いいおじさんに・・・。」
「いいんです、お爺ちゃんから見れば子供でしょう。」
「ま、長男坊と大して変わらんが・・・。」
「ですから、新平で良いんです。良かったらこれからも時々お邪魔しますから。他の人には、息子の友達とか甥っ子くらいに紹介してて下さい。」
「時々来てくれるのか・・・。」
ニコニコして見つめてくる。

コーヒーのカップをテレビの前に置いたのを見て、お爺ちゃんに近づき腕を回した。
少し震えているお爺ちゃんを、しっかり抱きしめる。
ほっぺに『チュッ』とキスして離れる。
顔を赤らめたお爺ちゃんが可愛い。

「お、ワシの名は中村浩って言うんだ。」
何事も無かったような素振りで名前を紹介された。チョットてれている様子で下を向いたままだ。

館内放送で昼食の知らせがあっている。
その日は、コーヒーの礼を言って、それ以上のこともしないで帰った。
玄関まで送ってくれたお爺ちゃんが、小さい声で囁いてくる。

「新平、約束じゃぞ、また来てくれな・・・。」
抱きついてキスをしたかったが、返事の代わりに見詰め合ってニッコリ笑い手を強く握って出て来た。
駐車場の出入り口から道路に出て、新平を見送っている姿がサイドミラーに映っていた。

金曜日の午後、早めに支社を直退することにした。仕事に追われて、すっかり忘れていたグループホームのお爺ちゃんを訪問することにした。
あれから半月あまりになるけど元気にしているだろうか。
途中デパートに寄って越中ふんどしを三枚買う。

グループホームの玄関受付には誰もいなかった。ロビーでくつろいでテレビを見ているお婆ちゃんと顔を会わせた。
「ちょっと待っててくれや、姉さん呼んで来るから。」
そう言って廊下の先に消えて行く。
間もなく介護師の叔母さんがやって来た。

「あらぁ、中村さんの甥っ子さんですよね。あぁ良かった・・・。」
「はい、甥の上野です。お世話になっています。叔父さんがどうかしましたか。」
「もう一週間にもなるかしら、体調が悪いって言って部屋から出て来ないんです。食事は部屋に持って行ってやっていますが、あまり進まないようです。」
「風邪でも引いたのでしょうか。」
「それがね、熱も無いし、病院に行こうと言っても『病気じゃ無い』ってベットに寝たままなんです。」
「子供さんに連絡は。」
「それが、『余計なことするな』って、電話もさせないんです。」
「どうしたんでしょうね・・・、取り敢えず会ってみます。」
「お願いします。」
階段を昇り始めると介護師の小母さんが下から不安そうに祈るような目をして新平を見上げている。
「大丈夫ですよ、寂しかっただけでしょうから。」
新平の言葉を聞いて安堵したのか、近づいて来たお婆ちゃんを連れてロビーの方に歩いていった。

ドアをノックしたが中から返事が無い。
「お爺ちゃん、入りますよ。」
断ってドアを少し開けて中の様子を伺う。
「・・・・・。」
「どうしましたか、風邪でも引きましたか。」
「風邪じゃねぇっていったろ。ほっといてくれ。」
新平が来たとは感ずいていないようだ。ベットに近づいて顔を覗き込む。
足音が近づいたのがわかったのか掛け毛布を引き上げて顔を隠くしてしまった。

「残念だなぁ、約束のお土産買ってきたんですが、今日は持ち帰ります。気が変わったら・・・。」
「待て、新平か!」
「そうですよ、約束だったでしょう。でも帰ります。早く治してくださいね。」
『ガバッ』

と毛布を剥いでクリクリさせた目で見つめてくる。
無言のまま見詰め合う。
その目が濡れて来たようだった。
顔を近づけて、再び見詰め合う。

唇を合わせてみた。
びくっ!
っとお爺ちゃんの身体が痙攣したようだったが、寝たままで両手を新平の首にまわして抱きしめてくる。
「逢いたかったんじゃ・・・。」
「すみません、仕事が捗らなくって。私も逢いたかったんです。」
「そうか、そうか。もう、こんな爺のことなど忘れてしまったと・・・。」
「そんなコトありませんよ。だからこうして逢いにきたでしょう。」
「う、うぅー・・・。」
唇を強く押し付ける。舌を入れてお爺ちゃんの味を確かめる。

お爺ちゃんも、じわっと舌を入れてきた。ちゅぅちゅぅと舐めると、大きく溜息をついて、首に回した腕が絞められる。
お爺ちゃんの股間に手を伸ばしたかったが、一気に過激に攻めると嫌われそうだ。
後にすることにして、ゆっくり離れる。

「約束の越中ふんどし買ってきましたよ。」
「そうか、有難う。で、幾らするんじゃ。」
「あ、それはプレゼントです。」
「そんな・・・悪いな。」
手渡したふんどしの包装も解かずに引き出しに直し込もうとしている。
「駄目ですよ、プレゼント貰ったら、すぐ開けて履くんですよ。」
「今か・・・。」
「そうですよ、私に見せて下さい。」
「ここでか・・・。」
「何、恥ずかしがっているんですか。」
「でもなぁ・・・。」
「大丈夫ですから。」
何が大丈夫なのか意味不明なこと言って納得させようとしている。

「じゃぁ・・・見るなよ・・・。」
「そんな恥ずかしいモノ下げているんですか。」
「そうじゃ無いけど・・・。」
「付けて見せないんだったら、もう用事ないですから帰ります。」
「判ったから、帰らんでくれ。」
毛布を剥いで足を投げ出して座ったまま、普段着とパジャマ兼用のジャージの上着を脱いだ。

ベットから降りてズボンを脱ぎベットに乗せサルマタ一枚になる。
もっこり膨らんだ股間が露わになり、手を伸ばせば掴まれる距離だ。
クルっと後ろ向きになってサルマタを脱ぎ始める。尻タブが目の前にきた。
若い頃としたら、ちょっと筋肉が落ちたのかもしれないが、まだまだプリンプリンしたお尻だ。

無造作にサルマタを足元に落として踏みつけ、アンダーシャツを捲くりあげ、すそを顎にはさんで、ふんどしの紐を結んでいる。
「あらら、さるまた踏みつけちゃって・・・。」
足元から、さるまたを拾い上げる。
まだお爺ちゃんの温もりが残ったメリヤスのさるまただ。

お爺ちゃんが後ろ向きだったのを幸いに、ちんぽが当たっていたと思われる湿っているところを鼻にあてて臭いを嗅いで見る。
ぷーんと、しょんべんの臭いがする。それだけで新平のチンポがじわっと半勃起した。

「うん、気持ちええ、どうじゃ似合うか。」
前垂れを両手で引っ張り、股間をキュっと絞めながら振り返った。
「最高ですよ。」
「そうか、久し振りだったなぁ・・・この感触。」
「そのまま、ベットに横になって下さい。」
「何をするつもりじゃぁ。」
「大丈夫、可笑しなことしませんから、ちょっとマッサージしてあげますからシャツも脱いで腹ばいになって下さい。」
「おお、マッサージしてくれるのか・・・じゃぁ頼む。」
「日本手拭い持ってないですか。」
「そんなモン持ってねぇ、タオルじゃ駄目か。」
「ああ、それでも構いません。貸してください。」
「ちょっと待ってくれ・・・。」

そう言ってからドアの鍵を閉めに行って、引き出しからタオルを取り出して来た。
「新平も服を脱いでくれ。」
「私はいいですから。」
「駄目だ。ワシだけ裸じゃ恥ずかしい。」
「そうですか、では失礼して脱がせてもらいます。」

上着とズボンを脱いで、シャツ一枚になった。
下はふんどしだけ。
「なんだシャツも脱いで見せてくれ。」
「・・・・・。」
アンダーシャツを脱いで裸になる。
「おお、立派な身体しているなぁ。」
「肉体労働者ですから。」
「そうは見えんなぁ、どこかの社長だろ。」
「いいえ、勤め人です。」

腹這いになったお爺ちゃんに跨ってマッサージを始める。
頚部、肩上部、肩甲骨の周囲と揉んでいく。
「上手いな。専門家も顔負けじゃろ。」
「あぁ、サウナとか、出張先の旅館で揉んでもらって覚えました。」
「そうか、気持ちえぇー。」
背骨の両脇を首から腰まで親指で指圧する。
脊柱起立筋を左右に強く弱くと揉みほぐしていく。
大腿部の外側から腰、臀部と掌で揉む。
足に下がって、脹脛(ふくらはぎ)を揉む頃には軽い鼾が聞こえ出した。

足の裏を指圧して、再び臀部の筋肉を強く弱く揉む頃には眠ってしまった模様。
余程気持ちがいいらしい。
ここで起こすのは可哀想だが、まだまだ、これからだ。
身体を反転させているとき目を覚まさせてしまった。

「お、すんだのか。気持ち良かった、有難う。」
「目を覚まさせましたかスミマセン、上向きになってもらいます。」
「うん、うん。どっこいしょっと・・・。」
何の警戒心も無く素直に上向きになったお爺ちゃんを改めて観賞する。
硬そうな大胸筋には、ちっちゃな赤茶色の乳房が2個。
周囲に長めの毛が数本生えている。

鳩尾(みぞおち)から下は、柔らかな太鼓腹。
洞窟の入り口を思わせる臍の穴が開いている。
先程着けたばかりの真っ白の越中ふんどしが、前垂れをだらしなく腰に巻き付けている。その横から、しわしわの金玉が僅かに覗いている。
膝下くらいに跨って、太腿の内側を、鼠頚部から膝横までを擦るように揉み、時々、金玉を手の甲に当たるように擦る。

「あ、おっ・・・うっうぅーん・・・。」
金玉に触るたびに、小さく呻いている。
「どうですか、ご気分は。」
「あぁー、えぇなぁー・・・極楽じゃぁー・・・。」
「それは良かった・・・、ここもサービスに揉んでおきましょうね。」
ちんぽの上に掌を軽く被せて数回揉んでみる。
「え、そ、そこは・・・、揉まんでえぇから・・・あ、あぁー。」
そう言いながらも手で払い除けるようすも無く、目を瞑って、されるままだ。
少しは期待していたのか、それとも覚悟していたのか判らない。

「あ、あぁー。そこは・・・もう終了しているから・・・どうにもならん・・・あ、お、おぉー。」
顔の上に両腕を乗せて目を隠すようにしている。
ちょっと膨らんできた感じがする。
新平の身体を上にずらせて、お爺ちゃんのチンポの上に半勃起したチンポを当て腰を上下に動かして擦る。

「お、硬いのが・・・あ、ちんぽが・・・。」
お爺ちゃんの右側に横になり顔を向けさせ唇を押し付ける。
お爺ちゃんも横向きになってキスをしてきた。
舌を交互に入れたり出したりしながら唾をジュルジュルと交換する。
右手を、お爺ちゃんのふんどしの横に突っ込んで、ちんぽを掴んで擦る。
お爺ちゃんのちんぽは、硬くはならないが、確かに勃起してきた。

「うっふぁぁー・・・お、おぉー・・・汚いから・・・う、うぅー・・・。」
尺八する新平の頭を両手で押さえて腰を震わせている。
「えぇなぁ、き、きもち・・・えぇなぁー・・・あ、あふっ。」
膨らんだ雁を唇と舌で舐めながら、竿を手で擦る。
尿道口に舌先を割り込ませるようつついて舐め上げる。
左手で竿の根元を掴んで血液の戻りを止めて右手で擦りあげる。

「お、おぉー・・・いくかも・・・ん?でそうだ・・・おい、い、いくぞ・・・。」
「・・・・・。」
両足を踏ん張るように伸ばし、腰を持ち上げて震え出した。
竿の裏側の尿道が、何かを押し出すように脈打った感じである。
まもなく、口の中に濃い栗の花の匂いをさせた塩辛いものが、少量だったがダラダラと流れ込んできた。

「あふぅー・・・でたぁー・・・いったぁー・・・。」
口に含んだ液体を舌で転がして味わい、お爺ちゃんと目を合わせて呑みこんだ。
「の、呑んだのか・・・。」
呆れた顔で新平を見ている。
その顔に近づき唇を突き出す。

新平を引きずり込むように抱きついて来て口を吸ってきた。
「どうでしたか。」
「何がじゃ。」
「気分ははれましたか。」
「あぁ、元気になった。」
「仮病だったんでしょう。」
「新平が来てくれなかったからじゃ、何もかも腹が立って、どうしようもなかった。このまま死ぬんだろうとか・・・。」
「なんだ、電話してくれればよかったのに。」
「教えてもらってなかったぞ。」
「あらら、そうでしたか。それはすみませんでした。」
「名刺置いててくれるか。」
「はい、そうします。ところで外泊は出来るんですか。」
「あぁ、事務所に届けたら出来るらしい。外出も許可がいるんじゃが。」
「それでは、来週の週末にでも外泊しませんか。」
「どこに泊まれるんじゃ。」
「お爺ちゃんの家ですよ。時々掃除しているんでしょ。」
「新平も一緒に泊まれるのか。」
「はい、食料品を買い込んで行きますから。」
「新平の家族の話、聞いていなかったが・・・。」
「あっはっはっはっ、そうでしたね。心配要りません、ずっと一人暮らしですから。」
「なんだ、博多チョンガーか。で、家族はどこに住んでる。」
「バツイチの一人モンです。」
「なんだ、そうだったのか・・・、うん、うん・・・。」

事務所では「介護責任者」とか言う書類に住所、電話番号、署名捺印させられる。
「中村さん、良かったわねぇ。あまりお酒飲んでは駄目ですよ。」
介護師の小母さんに注意されても、ニコニコしてうわの空で聞いていないようだ。
一週間後、会社帰りに寄る約束して帰ってきた。

約束の金曜日、玄関に立ってお爺ちゃんが出迎えていた。
手続きを済ませて部屋に戻ると、タンスからスーツを取り出して、鼻歌混じりで着替えようとしている。

「そんなモノ着替えなくってジャージのままでいいでしょう。一泊だけですから下着を数枚持って行きましょう。」
「でもなぁ・・・。」
「大丈夫ですよ、電車に乗ったりする旅行じゃ無いですから。それに下駄履きで良いでしょう。」
「そうかなぁ・・・。じゃぁ、セッタ履きでもええかのぉ。」
納得いかない顔つきだったが、バックに下着数枚と洗面道具だけを詰めて部屋を出た。

夕暮れの道路は渋滞がマンネリ化している。
一時間ほど走って中村お爺ちゃんの家に着いた。
すっかり陽が落ちて、暗くなっていた。
玄関のガラス戸に鍵を差込み『ガチャガチャ』音をさせながら開けている。
広い玄関の土間があって、先に上がったお爺ちゃんが、廊下を走って奥の方に行ってしまった。
玄関に入って抱き合ってキスしたかったが予定が外れる。

「ちょっと待ってくれ、いま電灯点けるから。」
『ガチャッ』とメインのブレーカーを入れて、あちこちの部屋のスイッチを入れてまわっている。
「えっと・・・、あ、水道とガスの元栓開けなくっちゃ。」
「そうでしたね。ライフラインは契約したままだったんですね、それは良かった。ぜんぜ考えていませんでした。あっはっはっはっ。」

お爺ちゃんは、仏壇に灯りを点けて線香をあげ『チーン』と鐘をならしてから外にでて元栓を開けに行った。
亡くなられた上品な奥様の微笑んだ写真が飾られている。
新平も遺影の前に座り両手を合わせて一礼する。

「おい、新平。飯はどうする。」
「今夜のトコは、通りにファミレスが有りましたから、そこですませましょうか。」
「そうじゃな、それが良い。でもジャージでいいかのぉ。」
「まだ言ってるんですか。最近の高校生でもジャージで通学している子がいますよ。」
「うん、見かける。じゃ、行こうか。」
「あっはっはっ、決断が早いですね。さぁいきましょう。」

ファミレスでゆっくり食事を済ませて、帰りに酒屋に寄って焼酎を買って帰る。
「肴を何か作りますから、ちょっと待ってて下さい。」
食事の後、コンビニで買い込んでいた食材を取りだして簡単な酒の肴を作ることにした。
「手際がええのぉ。」
「かれこれ30年の腕前ですから。」
「風呂を沸かしてくるから一緒に入ろう。」
「そうですね。風呂に入って、お腹を少し減らしてから飲みなおした方が良さそうですね。」
「うん、うん。すぐだから・・・。」

楽しい夜が始まるようだ。
期待に胸が膨らむ。

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(本作品は、旧「老いのときめき」に掲載されたものを、庵主さん、源次郎さん及び、新「老いのときめき」オーナーのご了解を得て、転載させて頂いたものです。)

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