上野新平シリーズ(第30話):マッサージ師のお爺ちゃん(By源次郎)


VHSのテープをパソコンに取り込んでDVDにダビングして一日つぶ
してしまった。

最近の休日は、こんな作業ばかりやっている。
省スペース化作業だ。

古いビデオには、モザイクが強いが、やはり捨てがたい。

結構モロ出しのちんぽの絡みより興奮することもある。
演技的には昔も最近のも下手だけど、それがまた新鮮で良いと思ったりもする。

大きく背伸びをしてパソコンを閉じシャワーを浴びて缶ビールのプルトップを引く。

晩飯の仕度に掛かろうとしたが、もう一本開けてからでもと冷蔵庫を覗く。
まだまだあった筈だったが、残念なことに冷やしてなかった。

無いと思うと無性に欲しく成る。

アンダーシャツにブルゾンを引っ掛けて、Gパンを履く。

ここまでは無意識にやっていた。

玄関ドアーに鍵を掛けながら何処に行くつもりだったのかと苦笑する。

財布を持って無いことに気付いたのがエレベーターに乗って一階のボタンを押してドアーが閉まってからだった。

ちょっとボケたのか、慌てて下の階で停めて戻った。
財布と携帯電話をポケットに入れて改めて外に出る。
マンションの裏側に出て市場通りを歩く。

普段は駅前通りで買い物を済ませているから、滅多に通らない道路だ。
今のマンションには10年以上も住んでいるが、こんな賑やかな飲食店や商店街があるのに利用していなかった。

もの珍しさもあって通りをキョロキョロしながら歩く。

商店街が途切れたところまで来て戻ろうとしたとき
「按摩マッサージ指圧」
の古ぼけた看板が目に入った。
食事は後にして久し振りにマッサージを受けてみたくなる。

微かに軋む音がするドアーを開ける。靴を脱いで待合室にあがった。
バネが硬そうな黒いビニール張りの長めの応接椅子が置いてある。
その椅子に座らず
「治療室」
と書かれたガラス戸のノブを回した。
「マッサージしてもらえますか。」
声を掛けたが返事が無い。
治療室には治療用寝台があり、その先に床から20cm高くなったところにカーテンで仕切られた3畳ほどの畳の間があり、その中央にマットが敷いてある。

待合室の奥からトイレの水を流す音が聞こえた。
「待たせたな、お客さんかな。」
白衣を着た禿頭のお爺ちゃんが治療室に入って来た。

小太りでニコニコ笑っているが新平の顔を見ていない。

窪んだ目は開いているが視点が合っていない。

机の上に置いたパソコンに向いて椅子に座った。

目が不自由なようだがパソコン出来るのだろうか。
「今から治療してもらえますか。」
「あぁ、まだ開店中だ。肩こりか、それとも腰痛かな。」
「いいえ、どこといって痛むトコは無いんですが。疲労回復みたいなマッサージを・・・。」
「そうか、まだ若いんじゃろ。」
「え、えぇ。それほど若くはありません、53歳です。料金は幾らになっていますか。」
「50分で4000円、延長して90分だと5000円。」
「わ、延長ってあるんですか、それじゃ延長でお願いします。」

そうした会話中も新平を見ていない。

キーボードをカチャカチャさせている。

しかし、パソコンから声が聞こえている。
「あれ、そのパソコン喋るんですか。」
「あぁ、ワシ目が見えんから、スクリーンリーダーで読ませている。」
「へぇー、聞いたこと有りますが普通のデスクトップですよね。」
「ソフトがちょっと高いがパソコンは一般のやつじゃ、どれ一応問診票作らせてもらうから。」
「問診票書くんですか。」
「初診だけじゃ。住所、氏名と生年月日、それに電話番号くらいだけでも教えてくれ。」
新平が喋る後からカチカチとスムーズに入力している。
「凄いですね、漢字変換も音訓読みで確認できるんですか。」
「まぁな、毎日同じことしているから。そんでも最初は大変じゃった。」
「それにしても凄いですね、勉強も大変だったでしょう。」
「あぁ、65歳の時だったから、半年くらいは本業を忘れて教室に通った。10年前だ。」
「え、だと75歳ですか、お元気ですね。」
「身体は大丈夫だが最近ボケて来たようじゃ、そんでも何かやってないとボケが加速する。まぁ、マッサージ業もパソコンも、趣味みたいなもんだ。」
「インターネットなんかも出来るんですか。」
「あぁ、もちろん出来る。PDFファイルがチョット厄介だが手間掛ければ普通に巡回っていうか徘徊できる。」
「最近ではいろんな情報が出ていますからね。」
「うんうん、それに文章の和訳、英訳も一瞬で出来るからなぁ。」
「無料のネット電話もありますからね、利用していますか。」
「そうじゃな、でも映像は遠慮している。

相手から送られてても見えんからな、わっはっはっはっ。」
「それは無理でしょうね。」
「でもな小説なんかでも充分満足できる状況などが把握出来る。」
「官能小説とかですか。」
「そうそう、それも点訳(点字データー)してくれるボランティア団体まであってのぉ有りがたいもんじゃ。」
「点訳もされたのが有るんですか。」
「あぁ、成人向けってのもある。ワシたちは卒業してしまったから、数年前まではお世話になったんじゃ。」
「あらぁ過去形ですか、まだまだお元気そうですが。」
「わっはっはっはっ、そう見てくれるか嬉しいな。」

成り行きで酒量や喫煙の有無など聞かれた後、家族構成や近親者の病歴まで喋るはめになった。
「そこの脱衣ラックに服を脱いで治療台でうつ伏せに寝て待っててくれ。手を消毒する。」
「えっと・・・下着はどうしますか。」
「好きにしてくれ、寒く無いじゃろうから裸でも構わんじゃろ。」
言われるまま裸になり、ふんどし一枚でベットにうつ伏せで待った。
大き目のバスタオルを肩から尻の下くらいまでスッポリ掛け、肩口から背中、尻、大腿部と擦っていく。

足の脹脛(ふくらはぎ)までいって、腰のところに戻って尻の上で擦ってた手が止まった。
いきなり腰の付近のバスタオルの中に手を入れて来た。

ふんどしの紐を確認しているようだ。
「お客さん、ふんどしじゃったか。」
「はい。」
「おぉ珍しい、感心だな。ワシもふんどしだ。」
何が感心だか判らないが、このお爺ちゃんもふんどし愛好者らしい。
お仲間さんだったら発展できそうだが、と希望を膨らませる。
だけど先程の問診をされたとき雑談の中で路地を挟んだ向かいが自宅で奥さんと二人住まいだとも言ってたし期待するのは無理だろう。

「珍しいですか。」
「あぁ、滅多にお目に掛からない。」
「そうですか、私は若い頃からです。」
「ワシも着たかったが子供たちが家を出てから、やっと婆さんの許可がでたんじゃ。見っとも無いってな。」
「そうですね、言われてみれば見っとも無いかもですね。」
「どれ、畳の上で治療しようか。」
身体の全体を軽くさすって触診を済ませ本格的にマッサージに入るところで畳みの治療マットに移された。
同じようにうつ伏せで寝てマッサージに入るのを待つ。
待合室に出ていって暫らく戻って来ない。

玄関ドアーをガチャガチャさせているようだ。

「すまん、すまん待たせたな、どれ本格的に取っかかろう。本日は終了しましたってフダ下げて来たから邪魔も入らん。」
「・・・・・。」
何を考えているんだろうと思ったが、程よい力加減で眠ってしまっていた。
「どれっ、上向きになってもらおうか。」
言い終わらない内に身体を回転させられて目に照明が眩しく入った。
「久し振りに気持ちが善くって眠ってしまってたようで。」
「良く寝てたようじゃ、鼾かいてたからのぉ。」
「それは失礼しました。」

「いやいや、良いんじゃ。のべつ話しかけるんも居るが寝てて貰った方が息が上がらずたすかる。

途中で返事をかえすのも気を使うからのぉ。」
腰骨から膝上くらいの大腿部前面と外側を揉みほぐすように下がっていく。

大腿部両内側のマッサージに移る。
時々、お爺ちゃんの手の甲が金玉にあたる。

のべつってわけでは無いが思い出したようにリズミカルにチョコチョコ触られる。
何となくもどかしい。

一気にグッと掴まれたほうが安心するようだが、何が安心なのかわからない。
触られているのを無視するのも変だが、ことさら話題にして止めてもらうのも勿体無い気がする。

新平は自分のふんどしが、ゆるんでだらしなく金玉が飛び出しているのが想像出来たがそのままでいた。
「おぉ、惚れ惚れする金玉じゃな。」
「あ、覗いていましたか。失礼しました。」
「なんの、なんの・・・構わん。拝ませて貰って有り難いこっちゃ。」
「でも・・・失礼ですが見えるんですか。」
「見えると言うとウソになるが、充分想像出来る。」
「そうですか・・・言われるほどデカクは有りませんが普通でしょう。」
「お客さんは独身じゃったな、女の子にモテルんじゃろうな。」
「いいえ全くモテません。かえって敬遠されるようで。」
「それは残念じゃなぁ、こんなええ体格しているのにのぉ。」
「体格は関係無いでしょう。」
「まぁそうかもしれんが、勿体無いこっちゃ。」
「え、勿体無いですか。」
「うん勿体無い、ワシがオナゴだったら放っとかないだろうな。」
「・・・・・。」
「で、やっぱソープで抜くんかいのぉ。」
「いいえ、若い頃は何度か行きましたが、なんとなく気を使うので嫌いなんです。」
「そうか、ほんじゃ・・・せんずり掻いているのか。」
普通の人だったら、いらんお節介と怒るところだろうが、新平には唐突な
『せんずり』
って言うお爺ちゃんの言葉に興奮を覚えた。

「ええ、もっぱら五人組のお世話になっています。」
何となく正直に答えてしまう。
「なんだ五人組って、指のことか、わっはっはっ面白い形容じゃぁ。」
話題が下半身に集中すると危惧していたちんぽが黙っていない。

ふんどしの前垂れが腹の上に乗っているようだし、モロ出しの中袋がモコモコと張り出しているようだ。
窮屈になって来た。

何気なく手を添えて半勃起したちんぽを上向きにする。

指先が布から染み出た先走りで
「ぬるっ」
とした。
新平の動作を見ていたかのように、お爺ちゃんの手がモッコリ膨らんで先走りで濡れ始めている竿の裏側をパクッと包まれてしまった。

「おぉ、先走りが・・・たっぷり出て来たなぁ、うまそうじゃ。」
「・・・・・。」
「どうじゃ、抜いてえぇか。」
「あ、はい・・・でも。」
「誰も来ないから大丈夫。これから予定でもあるんじゃったら止めとこうか。」
「いいえ、予定はありません・・・う、う、あぁ・・・。」
新平の横に座ったお爺ちゃんに、ふんどし越しの竿を咥えられてしまった。

新平が胸に乗せていた手を下ろしお爺ちゃんの腰にてをやると、
ふんどし一枚のお爺ちゃんの股間に届いた。
うつ伏せで眠ってた間に白衣を脱いでふんどし一枚でマッサージしていたのだろう。

お爺ちゃんが新平の顔の上に跨って前垂れが被さってきた。
同じようにふんどし越しにお爺ちゃんのちんぽを舐めてやる。

鼻先の前垂れが邪魔で息が苦しい。

これじゃ、人形劇の黒子だ。
顔を横に向けて逃れたが、すぐに両膝で顔を挟まれ、前垂れを引き抜いたチンポが顔に乗せられた。

鼻の上にお爺ちゃんの金玉が乗ってくる。

左手で金玉を持ち上げ、勃起していないちんぽを右手の親指と人差し指で摘まんで眺める。
それを唇に当てて、ツルっと吸い込んでみる。

舌の上で転がしていると、お爺ちゃんが呻き始めた。

白髪の混じった毛が新平の顎を擽る。
毛の臭いがする。昨夜の風呂で洗った時のバラの香りが入ったボディーシャンプだろうか。

新平のふんどしも紐を解かれ、垂直に勃起したちんぽがお爺ちゃんの口の中に納まっている。

尺八も年期を感じる。
お爺ちゃんの舌が生き物のように尿道口から雁を舐め竿を一気に喉奥まで吸い込んでいく。
マックス状態まで新平のちんぽが勃起してきた竿の付け根付近に浮かび上がったミミズ状の青味がかった血管を唇で扱く。

ポセットのようなカバンを引き寄せてコンドームを取り出し新平のチン
ポに填めてゼリーを塗っている。
お爺ちゃんのちんぽに芯が出来た。半勃起している。

大きくは無いが赤黒く、先走りと新平の唾で淫猥に光っている。
「入れてえぇか。」
「え、入れるって・・・。」
「なに、そのままで寝ててえぇ。」
マッサージのお爺ちゃんが新平の身体の上に跨ぎ、ちんぽを逆手で掴んで自分の菊門に当てて、グリグリと周囲を馴染ませながらアナを探っているようだ。
「あ、あふっ・・・う、う、うぅーん・・・。」
「大丈夫ですか、痛く無いですか・・・あ、あぁー、温ったかい、うっわぁー気持ちいいです。」
「う、うっ・・・もうチョットな。」
「無理しないで下さいね・・・あ、あぁー・・・いいです。」
「ふぅー・・・納まったようじゃ、ちょっと待っててくれ。」
新平の腹の上で歯を食い縛っているようだったが、やがて穏やかな顔に変わってニコニコしている。
ツンツンと数回腰を持ち上げて、ちんぽを出し入れしてみる。
「お、お、おぉー・・・。」
「いいですか。」
「あぁー・・・気持ちええ・・・。」
それからは、上に下にと体位を代えて汗を流す。

大き目の枕をお爺ちゃんの腰の下に入れ、正上位で竿を出し入れをしていて、ふっとお爺ちゃんの目から涙が出ているのに気がついた。
手で涙を拭いて、新平に見られていたのを感づいたようだ。
「つい昔のことを思い出してな・・・。」
涙を流しながら笑っているお爺ちゃんが可愛い。

倒れ込んで、お爺ちゃんに抱きついて唇を付けにいった。
舌を捻じ込んでいくと、お爺ちゃんの甘い舌が絡みついてくる。

唾液を貯めて押し込むとジュルジュル音を出して呑みこんでいる。

絡ませたお爺ちゃんの舌が新平の口の中に入ってくる。
そこには、お爺ちゃんの唾液がいっぱい乗っていた。

絞り取るように舐め揚げて、お爺ちゃんのクチに戻してやる。
おろそかになったちんぽの出し入れを復活させる。
「あう、あう、あぁー・・・も、もっと深く・・・あふっ・・・上手いなぁー・・・あ、あぁー、あ、あ、ああ、あ、う、うぅー。」
「も、もう駄目です・・・いきます・・・あ、あぁー・・・いくっ・・・。」
「ワシの腹の上に出してくれ。」
新平は、慌ててお爺ちゃんの直腸からちんぽを引き抜きコンドームを
外し、二擦りか三擦りして果てた。
竿から一気に飛び出した一発目の男汁が、お爺ちゃんの眉にべっとりついていた。

その後途切れを忘れたようにお爺ちゃんの腹の上に飛び散った。

「おぉー、出た、出た。」
お爺ちゃんは手に塗り取って自分のチンポに塗り扱きだした。

新平が変わって扱いてやる。
暫らく掛かったが、お爺ちゃんは腰を弓なりに持ち上げ息を荒げ唸り声を上げていった。
さすがに勢いは無いが、尿道がプっと膨らんで、ダラダラと尿道口から濃い黄白色の精液を出した。

それは、新平の手の甲を伝って茂みに流れ落ちて行く。
改めて、荒い息遣いをしているお爺ちゃんを抱きしめてキスをする。
「そこでシャワー浴びてええぞ。」
「シャワーがあるんですか。」
「オイルマッサージもやるから一応設置してある。」
「オイルって全身やるんですか。気持ちよさそうですね。」
「全身ってのは滅多にいない。殆どが膝下から足の裏、それか腕くらいなもんじゃ。」
畳みの間の奥に狭いシャワー室が作ってあった。
シャワーを終えて出てくると、お爺ちゃんが入れ違いにシャワー室に入って行った。

「そうじゃ代金は要らんから帰ってええぞ。」
「そんな、マッサージの代金は払いますよ。」
「アホ、善いことしてもらって代金なんて貰えるか、なんならワシが払ってもええくらいじゃ。」
「そんな・・・私だって善い気持ちにさせて貰いましたから、ビジネスの分は別にしましょう。」
「要らんって言ってるじゃろ、その代わり気が向いたら時々来てくれ。」
どうしても代金を受け取ろうとしない。

帰り際、パソコンのキーボードの下に五千円札を置いて来た。
外に出ると外灯が点いてて商店街のシャッターが降ろされているところもあった。

その後、月に一回、マッサージ師のお爺ちゃんの治療を受けている。
例によって治療代を受け取りたく無い様だが新平にしたらビジネスとしての代金は払いたいので、必ずキーボードの下に挟んで帰る。

「新平も強情だな。」
4回目くらいだったか、お爺ちゃんも諦めて受け取ってくれた。
何度目の時だったか、最初のときの涙の話をしてくれた。
パソコンを習いに行ってた時に、インストラクターの青年との関係を持ったそうだ。

3年近く続いたが、転勤で関東方面に行ってしまったとのこと。

暫らくして結婚したとの電話があり、それっきりになったそうだ。

「患者さんとは発展しないんですか。」
「いいや、患者は商品だから手をださない。でも新平は別。凄い信号を受信したようだったからのぉ。」
「でも、それとなく誘われるようなこともあるでしょう。」
「たまにな、それでも応じたこと無かった。残念じゃが・・・。」
「仕事を取るんですね。」
「まぁ、そう言うこっちゃな、わっはっはっはっ。」
愉快そうに笑っているが、後悔にも似た素振りでもあった。

昨夜からパラパラと降り出した雨が、夜明け頃から本降りになってきた。

朝から社内のソフトボール大会だったが、順延の連絡が入った。
お昼頃まで布団に入っていたが、グループホームのお爺ちゃんを訪ねて見たくなった。
外泊させて、飛び入りの雄三お爺ちゃんと三人で夜を明かして、ふた月ほどになる。

「寂しがっているだろうな。」
早速、みやげにデパートでふんどしを三枚買ってグループホームが建つ丘にワンボックスカーで登って来た。

少し小降りになっていた。
晴れた日だと博多・はかた湾が綺麗に見渡せるのだが霧が掛かっていて何も見えない。

山を切り開いた急な坂道を登り終えようとしたとき、雨傘をさした老人が港を眺めているのが見えた。
近づくと中村浩お爺ちゃんだった。相変わらず下駄履きだ。
まだ気が付いていないようだ。

エンジンを切って、そっと転がしお爺ちゃんの後ろで止めた。
ウインドウガラスを開け顔を出して声を掛ける。
「何か見えますか。」
びくっとして振り返ったお爺ちゃんが怪訝そうに見ている。

それでも新平だと気が付くのに数秒もかからなかった。
傘を萎めて助手席のドアーを乱暴に開けて飛び込んでくる。

手を貸して引き上げてやると、そのまま新平に抱きついて来た。

落ち着いてから顔を抱き寄せキスをする。
「んが、んが・・・うぅー・・・。」
「ここだと人に見られますから部屋に戻りましょう。」
抱きついて離れようとしない中村お爺ちゃんを助手席に座らせて駐車場に向かった。
玄関で靴を脱いでいるとき介護の婦人が新平を覚えていたらしくニコニコと話しかけてきた。

「お待ちかねだったようですよ。」
「すみません、ちょっと出張で留守していました。」
咄嗟にウソを言ってしまった。
「お忙しいのにすみませんね。」
「いいえ、こちらこそお世話になって・・・。」
話が噛みあっていなかった気もしたが、急かせるお爺ちゃんの後を追って階段を昇った。
部屋に入るなりドアーに鍵をかけてお爺ちゃんが新平に抱きついてキスをしてくる。

そのままベットの方へキスしたまま引きずられて押し倒された。

服を脱ぐのももどかしそうに、ふんどし一枚になって新平の服を脱がし始める。

「ちょ、ちょっと待って下さい。テレビでも付けてた方が。」
「うん、そうじゃな。」
中村お爺ちゃんがテレビのスイッチを入れて冷蔵庫から缶ビール2本を出してきた。
「駄目ですよ、車ですから。」
「夜までには醒めるじゃろ。」
「え、夜まで拘束するんですか。」
「うん、出来たら泊まっていってもええ。ビジタールームってのがあるそうだ。そこに宿泊したことにして、ここで一緒に寝たらええ。」
「まいったな、じゃぁ晩御飯の時間まで付き合いましょう。」
ビールを一気に飲んでベットに横になる。

添い寝するようにお爺ちゃんが擦り寄って横向きになって抱きついてくる。
ここでは、尺八してやっただけだったが今日は最初からお互いに納得しあった行為に進む。お爺ちゃんの自宅で経験済みだったが、あの時は二人を相手だったので不発のまま終わらせていた。

色々と態勢を変えて楽しむ。

最後は、お爺ちゃんを上向きのままベットの端に引きずり新平は床に立って攻め立てた。思いっきり爆発させ、お爺ちゃんを尺八で昇天させた。
「うわっ、そ、そこが・・・あ、あう、あう、ふぅー・・・い、いくっ。」
量こそ少ないが香しい栗の花をさせた精液がだらだらと出てくる。

唇を近付けペロペロ舐めあげて呑み込んでやる。

抱き合ったまま一眠りしてしまった。

目を覚ますと中村お爺ちゃんが新平の脇で猫のように丸まって新平を見ている。
「お爺ちゃん、起きましょう。夜、眠れなくなりますよ。」
「いいんだ、このままでずっといたいから。」
「なんだ、寝ていなかったんですか。」
「あぁ、ずっと新平の寝息を聞きながら寝顔を眺めていた。」
「また時間を見つけてきますからね。」
薄くなった頭を撫でながらキスをする。
「きっとだぞ。」
「はい、約束します。」
「指きりしよう。」
「大丈夫です、そんなことしなくっても。」
「いやじゃ、指きりするんじゃ。」
「しょうが無いですね。」
「針千本だからな。」
ベットの上に正座して小指を絡ませてくる。

「はいはい、千本でもちんぽでも飲み込みます。」
「あ、ちんぽがえぇなぁ、あっはっはっはっ。」
無邪気な笑顔のお爺ちゃんを喰ってしまいたくなる。
「ところで、雄三お爺ちゃんはどうしていますか。」
「あ、雄三か。一度電話があったが、ここはバスが通らないんで、なかなか来られないんじゃ。」
「会いたいでしょう。」
「新平が時々来てくれたら別に雄三に会う必要も無い。」
「自宅にはあれから帰ってないんですか。」
「うん、娘婿が先月中ごろ半日風を入れてくれたらしい。」
「それは良かったですね。」
「いいや、余計なことじゃ。」
「どうしてですか、優しい方じゃないですか。」
「そうじゃないようで、雄三に言わせると、あいつ達、家屋敷を売りに出そうと企んでいる。」
「ここの費用を考えられてでしょう。」
「そんな訳無い。そのくらいの金は持ってる。」
「じゃぁ、登記書類を手放さなければ大丈夫でしょう。」
「まぁな。」
「雄三お爺ちゃんの電話番号教えてて下さい。」
「なにか用事か。」
「用事ってことじゃ無いですが。」
「俺が知らないところで会うんだろ。」
「あらぁ、ヤキモチですか。」
「バカ、そうじゃない。」
顔を赤らめて俯いてしまった。

「今度誘って一緒に来ますから。」
「おぉ、そうか。うんうん、是非連れてきてくれ。あいつも退屈しているだろうから。」
玄関前の道路まで出て来て、新平の車が見えなくなるまで見送っていた。

都市高速道路を走っている時、ふんどしを渡すのを忘れていた
のに気付いた。
「ま、いっかぁ・・・来週にでも。」
上を走る対向車線は渋滞している模様だ。新平のマンションまで30分あまりで到着した。
雨もすっかり止んでいた。明日は順延された社内ソフトボール大会だ。

おわり

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(本作品は、旧「老いのときめき」に掲載されたものを、庵主さん、源次郎さん及び、新「老いのときめき」オーナーのご了解を得て、転載させて頂いたものです。)

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★「上野新平シリーズ(第29話):げた履きのお爺ちゃん(二)」に戻る。

★「上野新平シリーズ(第31話):詐欺に遭ったお爺ちゃん」に進む。

★上野新平シリーズ(BY源次郎)に戻る。

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