上野新平シリーズ(第55話):家庭菜園のお爺ちゃん(5)By源次郎


戸畑お爺ちゃんとの畑仕事は、楽しかったが流石に疲れた。

最初に言われていたが腰が痛い。

持参した昼ごはんの弁当を食べた後、全員昼寝する。

それぞれ好きな場所で寝っ転がるんだろうが大体決まった場所があるようだ。

「上野さん、私の横が空いていますから、こちらにどうぞ。」

うろうろしている新平に学者と呼ばれているお爺ちゃんが声を掛けてくれた。

「ああ、そうだ学者の横だったら平助の鼾も遠くで良いだろう。」

戸畑お爺ちゃんも賛成してくれた。それにしても、飯塚お爺ちゃんの余所余所しい態度が気になる。

朝の挨拶以来、新平の近くにも寄って来ないし声さえ掛けてくれない。

怒っている風でも無いのだが、学者や平助爺さん達とは、はしゃいだ様に大声で笑い合って会話しているのだが、新平が傍に居る事さえ気付いていないそぶりである。

先日の二人の絡みを感づかれないように、初対面を通す演技のつづきだとも思える。

取り敢えず、勧められた学者お爺ちゃんの横に寝ることにした。

ちょっと間を置いていた筈だが、新平の脛の辺りに学者の足が、それとなく、くっ付いて来た。

こうなると、意識が脛に集中して身体が固くなる。

昼寝って感じではなくなってくる。

嬉しさ半分だが、学者爺さんが背中を向けているので無意識で付けて来たのか判断がつかない。

「おい、学者。農協に寄って肥料取って来ただろうな。」

ざわざわしていた休憩所が静かになって、平助爺さんの軽い鼾が聞こえ出した頃、突然、戸畑お爺ちゃんが聞いてきた。

「ありゃりゃ、忘れて来た。月曜日では駄目かな。」

「何言ってんだ、農協には無理言って土曜日だが開けてもらったんだぞ。その前は月曜日だったが鉄砲が休んだので受け取れなかったんだ。」

「今日要るんだったかな。」

「そう言う問題じゃ無いんだ。約束していたんだから、受け取らんとまずいだろ。」

戸畑お爺ちゃんが、起き上がって学者お爺ちゃんを怒り出した。

「うるせえな、なに大声出しているんだ。眠れんだろ。」

目を覚まされた平助お爺ちゃんが、不機嫌そうに寝返りして戸畑お爺ちゃんに怒っている。

「悪い、悪い。今から行って受け取ってくるよ。」

学者お爺ちゃんが、起き上がって、出かける準備を始めたようだ。

「お手伝いしましょうか、昼寝の習慣が無いので眠れそうにないんです。」

新平も起き上がって、学者お爺ちゃんと一緒に出かける希望を言ってみる。

「あははっ、そうだよね。若い上野さんだったら昼寝の習慣が無いのも当然でしょう。ここは、爺さんばっかりだから身体がもたないんで昼寝の習慣がついてしまったんですが、学者、手伝ってもらいなよ。」

戸畑お爺ちゃんの言葉で、学者お爺ちゃんと一緒に農協に行くことになった。

「私の車で行きましょうか。」

新平が駐車場に出て、軽トラックのドアーを開けている学者お爺ちゃんに声を掛けてみた。

「そうですか、それは有難い。乗せて下さい。」

学者お爺ちゃんが軽トラックのドアーを閉め、にこにこ嬉しそうに首に掛けたタオルで顔の汗を拭きながら新平の車に乗り込んできた。

「おお、良い車ですね。広くって、あれ、後ろのシートは背もたれ倒したらベットになるんでしょう。こんな車が欲しかったんだがな。」

「はい、遠距離ドライブで、ホテル代節約の為に寝たりしています。小さいけど冷蔵庫や発電機も積んでいます。」

「わ、凄いですね。調理とかも出来るんですか。」

「はははっ、それは屋外で出来るトコでだったら可能ですが、最近は何処も火を使わせないようです。ま、飯は、コンビニで間に合いますから。」

「良いですね。奥さんとか彼女とかとのドライブですか。」

「残念ですが、女性とだったら、こんなトコでは嫌われるでしょう。」

「勿体無い、お一人でですか。」

「そうです。もともと一人者ですから。でも最近は面倒で出かけるのも随分やっていません。」

「え、上野さんって独身ですか。」

学者お爺ちゃんは、目を輝かせて、新平を見てくる。

「はい、今は独身です。今はって言うより、結構長いこと独身です。」

「すみません、お亡くなりに…。」

「いいえ、多分元気だと思いますが、若い頃離婚しました。」

「そうでしたか。何も聞いていなかったものですから。」

「あらら、そんな謝られることは有りませんよ。国道に出てどちらですか。」

「ああ、もう峠への上り口近くですね、これを登りきって峠に出ますが、そこを下って国道にでたら左に郵便局があります。そこから数百メートルです…、あらっ。」

上り坂に差し掛かったところで、ブレーキ掛けることもなくなったので、新平が左手を学者お爺ちゃんの膝に、そっと乗せて見た。

学者お爺ちゃんは、最初ピクンと身体を固くしたようだったが、右手を新平から乗せられた膝の手に包むように乗せてきた。

黙り込んだ学者お爺ちゃんを見ると、ニコニコした顔で新平を見て、乗せた手に力を込めてきた。

そのままで、暫らく坂を上ると峠に差し掛かった。

「ああ、来るとき通った道ですが、反対向きだと景色が変って迷うところでした。」

広い一本道で、迷うような道ではなかったが、二人とも黙り込んでしまったので、大して意味の無い話をしてみる。

「そうでしょうね。でも、ここを登ってしまったら下るだけですよ。」

話が噛み合っていない様だが、話の筋としては外れていない。

「ああ、思い出しました。ココまで来たら解りました。コレを下っていったら良かったんですね。」

「そうです。左右に家屋がありますが、半分くらいは空き家ですよ。」

「え、あんな立派な家屋がですか。」

「そうです、過疎化していくばかりですよ。ほら、あそこの大きい2階建ての家も3ヶ月前、一人暮らしだったお婆ちゃんが亡くなって空き家ですよ。」

「わぁ、勿体無い。子供さんとかいらっしゃらないんですか。」

「三人くらいだったか、いらっしゃいましたが、農業を継ぐ気持ちは無かったのでしょうね。」

「あんな家だったら通勤に少々時間が掛かっても住んで見たいですね。」

「暫らくなら良いでしょうが淋しいトコですよ。お店なんかも遠いし。」

「いやぁ、空気は良いし、海も見えるし。私だったら少々不便でも我慢できそうですがね。」

「はははっ、気に入りましたか。ちょっと覗いてみましょうか。」

「あら、入れるんですか。だったら覗いてみたいですね。農協の時間は良いんですか。」

「忘れたついでですから寄って見ましょう。入れるって聞きましたから。そこを右に登ってください。」

「買うわけでも無いのに申し訳ないですね。はははっ。」

広い庭があったが、近付いてみると僅か三ヶ月くらいの空き家だったと言うのに草が生い茂っている。

「表は、鍵が掛かっていますから裏から入れるそうです。」

「詳しいんですね。不動産屋からでも頼まれているんですか。」

「あははは、そんな売れない物件なんか不動産屋も受けないでしょう。売れるまでの責任管理があるでしょうから。」

「ああ、人里離れていると無断で忍び込んで塒(ねぐら)にする者もいるでしょうね。」

家の裏に廻ると、井戸があって、蓋が飛ばされ、上に乗っていたと思われる揚水ポンプが、下に落ちている。

コンクリートで舗装している井戸周りも割れ目が入って草が伸び出している。

既に文字通りの廃墟と変らない。

「ここから入れそうです。」

学者お爺ちゃんが勝手口の引き戸を開けてくれた。

家の中に入ると、薄暗く、風を入れていないからカビ臭い。

台所の流し台には食器が洗われずに残されている。

葬式をしたときの食事の後片付けもされていないようだ。

居間から座敷に行くと10畳の部屋が二部屋つながっていて、先の方に床の間と仏壇置き場がある。

床の間の掛け軸もそのまま下げられたままであった。

仏壇の中は流石に位牌や骨壷などは無かったが、鐘や花立て、線香立ては残されていた。

雨戸が閉められた薄暗い、一間幅の広い縁側に出ると葬式の際の花輪が一箇所に数個積んである。

「こんな状況見ると変な感じになりますね。怨念とかが残っているのではないでしょうね。」

新平が、恐る恐る花輪に近付いているとき、一番上の花輪が突然足元に崩れ落ちてきた。

「わ、わぁ、でたぁー。」

ちょっと、おどけて見せた心算だったが、学者お爺ちゃんが「ひぃー」っと、悲鳴を上げて横向きの新平に抱きついてきた。

「ど、どうしたんですか。何か出ましたか。」新平が驚いてしまう。

「お、驚かさないで下さい。こんなの苦手なんです。」

「あらら、お爺ちゃん。怖がりでしたか。あっはははっ。」

「笑わないで下さい、怒りますよ。」

お爺ちゃんは本気で怒っている。

その上、新平に抱きついたままで離れようとしない。

身体も小刻みに震わせている。

身体を反転させ、向き合って抱きついてみると、学者お爺ちゃんの赤くなった可愛い顔が目の前にある。

ダメモトで、そっと顔を近づけて唇を尖らせ、おどけて見せた。

目を瞑ったお爺ちゃんが唇を押し付けて来る。

『ペロペロ』と、お爺ちゃんの上唇を舐めて見る。

「う、うう…。」

お爺ちゃんは本気になってしまったようだ。

新平が舌を入れてみると、それを吸い込んで絡ませてくる。

新平も負けずに、力強く抱きしめて顔を斜めにして本気でキスする。

「う、うう、あ、あ、ああ。」

お爺ちゃんも、唇を吸いついたまま手を腰の辺りまで下げ新平の尻を引き寄せさらに強く抱きしめ、コリコリした股間を押し付けるようにしてくる。

新平が、お爺ちゃんのズボンのチャックを手探りで開けてチンポを掴んだ。

『ふんどしだ』

学者お爺ちゃんも、新平と同じようにして勃起し始めているチンポを握ってきた。

「あ、ああ、でかい…。」

学者お爺ちゃんは、すっかり興奮して、ゴシゴシと新平のチンポをしごいてくる。

「あ、ああ、お爺ちゃん。もっと優しく扱いてよ。痛いから・そうそう自分がセンズリかくときのようにね。」

「ごめんなさい、頃合が判らなくって、でも、人のチンポって、こんなに暖かいんですか。」

「はははっ、お爺ちゃんのも火傷しそうに熱いですよ。」

学者お爺ちゃんのキスもシゴキも下手だけど、懸命さが伝わって可愛い。

お爺ちゃんが足元に座り込んで新平のチンポをくわえ込もうとしたとき腰を引いて逃げてしまった。

「ね、お爺ちゃん。車に戻りましょうか。」

「ど、どうしてですか。冷やかしだったんですか。」

諦めきれない様子で、新平に不平そうな顔で見上げてくる。

「ここは、埃(ほこり)っぽくて、カビ臭いでしょう。裸のお爺ちゃんを見たいんで車に戻りましょう。狭いけど。」

「うんうん、こんなとこ嫌ですから早く戻りましょう。」

お爺ちゃんは、先に土間に降り、裏口の引き戸を開けて、新平が来るのを待っている。

「早く、早く。こんな陰気臭いとこ、逃げ出しましょう。」

新平が表に出ると、焦っているのか、出入り口を、ガタピシ言わせながら閉めている。

車に乗り込んで、エンジンを掛けていると、あたふたと、お爺ちゃんが乗り込んできた。

「帰るんですか。」

車のエンジンを掛けたのを知って乗り込んできたお爺ちゃんだったが、騙されたと思ったのか、顔を赤くして怒ってるように聞いてくる。

「いいえ、お爺ちゃんの裸が見たいって言ったでしょう。ここだと、植え込みで道路から見え難いでしょうが、万一通りがかりの車が見たら変に思うでしょう。念のため、もう少し裏口に車を移動します。」

「ああ、すみません。せっかちだもんで。」

車の後部座席を倒してフラットにさせ、先に新平が上向きに寝る。

「お爺ちゃん、私の服を一枚づつ脱がせて裸にして下さい。」

「え、いいんですか。」

そう言いながらも震える手でシャツのボタンを外しに掛かる。

ズボンのベルトをガチャガチャ音を立て、何とかズボンを足元に引き下げて脱がしてしまった。

ふんどしの紐に手を掛けて解こうとしたところで止めさせた。

「あら、チンポは見せてくれないんですか。」

「そうじゃ無いんですが、後で説明しますから。さあ、今度はお爺ちゃんのを剥ぎ取らせて下さい。」

学者お爺ちゃんを寝せてシャツから脱がせ、ズボンも引き下げて行った。

「ね、お爺ちゃん。二人とも褌はいたままで絡みましょう。」

「は? 履いたままだと…。」

「大丈夫です。この方が、なんとなく卑猥に見えるでしょう。」

「そ、そうですね。素っ裸より嫌らしく見えますね。」

学者お爺ちゃんも納得してくれて、抱き合いキスを始める。

学者お爺ちゃんの乳首から腋の下とベロベロ舐め下がり、股間部を頬擦りしてやる頃は、喘ぎ声が激しくなっていた。

『パクッ』

お爺ちゃんの、褌の横からチンポを引っ張り出し、雁先を舐め上げた後、竿を咥えてやると、泣き声にも似た呻き声を上げ出した。

「う、上野さん。早く私にも舐めさせて下さい。」

手を宙に泳がせるようにしながらも、腰を上下させている。

「え、お爺ちゃん。何を舐めたいんですか。はっきり言って下さい。」

「わ、意地悪ぅ。上野さんのを早く。あ、ああ。」

「だから、何を舐めたいのですか。」

両足を腰から上向きに持ち上げ、金玉を舐め、蟻の門渡りへと、ベッチョベッチョと舐めまわす。

唾液を溜めて、うごめいているピンク色した菊座に塗りつけ中指を押し付けるようにしてジワジワと挿入してみた。

「あ、上野さん。何したんですか、あ、ああ、そこは、あ、ああ、止めてください。ね、ねね、お願いだから。あ、ああ。ヘンになりそう。」

「別に異常ないですよ、綺麗なお尻の穴ですよ。」

「アナだなんて、あ、ああ、そんなこと口に出して言わないで。恥ずかしいですから。あ、ああ。」

「ところで、何か舐めたいって聞いていましたが、思い出しましたか。」

「あ、ああ、もう嫌だぁ。上野さんのチンポを舐めさせて、あ、ああ。」

「なんだ、チンポが欲しかったんですか。お待たせしました、どれ、お口は何処でしょう。」

「う、ううーん、あ、ああ。」

新平の褌を横にずらしてチンポを鷲掴みにして引っ張り出し、喉奥まで咥えてくれる。

やっと、横向きの楽な姿勢で、シックスナインになり、互いのチンポを思う存分舐めまわしていく。

「ね、お爺ちゃん。上向きのチンポを下向きにしないで下さい。根元が詰まったようで痛いんです。」

「ああ、ごめんなさい。そうでしたね、上向きのままで扱かないといけなかったでしたね。」

「ああ、そうそう、無理にムキを変えると…、あ、ああ、いいです。気持ちいいです。上手いですね。」

「そうですか、私も興奮して、あ、ああ、気持ち良いです。」

「お爺ちゃん、時々センズリ掻いたりするんですか。」

「あ、ああ、そんな恥ずかしい・・・。」

「恥ずかしいことでは無いでしょう。」

「だって、妻も居るんですよ。」

「せんずりと、夫婦のセックスは別でしょう。」

「そうですかね、もう10年以上も『まんこ』していませんね。」

「皆さん、そんなものでしょう。好きな人も居るでしょうが。」

「そうそう、疲れますからね。それに途中で萎んだりするの見せたくないですから。」

「あ、う、うう、気持ち良いですよ。」

「あ、あう、あう、駄目だ、来た、来た、あ、ああ。」

学者お爺ちゃんが、突然、足を伸ばし踏ん張って腰を押し付け、言い終らない内に新平の口の中がドロドロさせた精液でいっぱいになった。

「あ、ああ、ごめんなさい。間に合わなかった。」

「はうーっ、お爺ちゃん、こんなに出るんですか。美味しかったよ。」

お爺ちゃんの精液の量は、差ほどでもなかったが新平の言葉にテレながらも満足そうだった。

車に積んでいたバスタオルで身体を拭き、汗だくのお爺ちゃんの身体も拭いて終わらせた。

「あら、上野さんは、抜かないんですか。飲ませて下さいよ。」

「はははっ、もう時間が無いでしょう。今度逢ったときにたっぷり飲んでもらいます。覚悟していて下さい。」

「また逢ってくれるんですか。是非お願いします。約束ですよ。」

「はい、こちらからお願いします。楽しみにしていますからね。」

「有難う、嬉しいです。」

農協への往復する間に、家庭菜園仲間のお爺ちゃんたちのことをそれとなく聞いてみた。

出来ることならお爺ちゃんたちの隠された男同士のパラダイスであって欲しいとの期待もあったが、あっさり否定されてしまった。

まず組長の戸畑お爺ちゃんだが、人望も厚く現職の頃から皆から慕われ尊敬されていた。

家庭では、一人娘が嫁いで一安心したと思ったら、お孫さんを残して亡くなり、その娘さんを立派に育てあげて最近結婚させたとのコトだ。

浮いた噂も皆無で、真面目を絵に書いた人で、親分としても申し分ない人だった。

仲間を纏めたり、農協への難しい交渉なども一手に引き受けてくれるお爺ちゃんだった。

新平が淡い期待をしていた戸畑お爺ちゃんだったが、ノンケだと諦めないといけないようだ。

次に平助お爺ちゃんは、呼ばれているのも仕方の無い私生活で、今の奥さんも三人目だと言うことだ。

いずれの離婚理由も、スナックのママとの浮気がバレたのが原因だった。その解決には戸畑お爺ちゃんが動いてくれていた。

今でも、何やら浮気の虫が動き出しているそうだが、何時ものことだからと仲間内でも話題にしないことにしている。

それに、三番目の鉄砲と呼ばれていた飯塚お爺ちゃんだが、全員が知っていて黙っているそうで、会社勤めの頃から、女をマンションに住まわせている噂があった。

それ以上は個人的な問題だから関わらないようにしているそうだ。

「へえー、女を囲っているんですか。そんなお金持ちだったんですか。」

「お金持ちかどうかは解りませんが、人知れずマンション持っているのは確かです。」

「そんなには見えませんが、大変な経費でしょうね。」

「そう、収入だって、私達と大して変らないはずですし、いまは年金ですからね。」

「あの歳で、マッチョな身体ですから、女の方が、ほっとかないのかもしれませんね。」

「そうでしょうね、あの身体は、たしか定年近くになって大病したとかで、その後だから還暦過ぎてから作ったようでしたよ。」

「男の私でも、マッチョな身体は素敵に見えますからね。」

「あら、上野さん、惚れたんですか。あの人は、男と遊ぶなんて考えられません。そんな時間も無いでしょうから。」

「あはははっ、例えばの話ですよ。」

「それに、あの身体を作ったのはオンナにモテたいからだとか言っていましたね。内緒ですが、オレはもともと右脳も左脳も大して使って来なかったが、身体とチンポだけは酷使して来たなんて、嘯(うそぶ)いていましたよ。」

「あははっ、その身体が駄目になって作り直したんですか。チンポは大丈夫だったんでしょうね。」

「それも、若い女の子で作り直したりしているのかも、あっはははっ。」

互いの私生活は、意外と判っていないのかもしれない。あの飯塚お爺ちゃんの性癖を知っているのは新平だけだろう。

この学者お爺ちゃんは、多分お仲間さんとして、これからの人生を楽しく過ごすのではないだろうか。

また、飯塚お爺ちゃんは、誰にも判らず上手に、これからも此の道を歩いていくに違いない。

それにしても、第一候補の戸畑お爺ちゃんがノンケだったのは、判っていたつもりではあったが、残念である。

平助お爺ちゃんも捨てがたい。あの可愛い顔を涙でクシャクシャにさせて善がらせたいが、女たらしでは望み薄だ。

往復一時間も掛からない距離の農協から戻った時は、2時間近くも掛かっていた。

肥料が入ったビニール袋を小屋に運び込んで、お爺ちゃん達が仕事して居る所に急いだ。

「上野さん、今日のことは内緒ですよ。」

新平の後ろから、チョコチョコ小走りで付いてきている学者お爺ちゃんが声を掛けてきた。

「何言っているんですか、お爺ちゃん、当然ですよ。そんな人に自慢する話しじゃないでしょう。」

「そ、それもそうですね。でもバレたらココに居られなくなりますから。」

「そんな私だって同じですよ。こんなことは、こっそり隠れてやるもので、世間では認めてなんかくれませんよ。」

安心したように、ニコニコと学者お爺ちゃんが元気を出した。

そう言えば農協の帰り道で、ココの小屋が近付いた頃、黙り込んでたのは、このためだったのかと可笑しくなった。

「なんだ、遅かったな。何処かで、油売って来たんだろう。」

戸畑お爺ちゃんから早速クレームが付いた。

しかし深く追求されることは無かったのだが、意味ありげに新平の顔を見てニンマリされた時は、ドキドキものだった。

夕方近くになって、新平と平助お爺ちゃんが先に帰宅する準備を始める。

午後の作業中に、平助お爺ちゃんから声を掛けられ、パソコンに画像取り込むのが上手く行かないので、指導してくれと言われていた。

また、時間が有ったら菜園の手伝いさせてもらう約束をして、残った三人のお爺ちゃん達に握手して別れて来た。

学者と鉄砲お爺ちゃんとの握手は、特に力が入っていた。

戸畑お爺ちゃんとは最後に握手したが、特別固く握ってくることも無く、普通の挨拶程度の握手だった。

学者お爺ちゃんの軽ワゴンの後から付いて走ったが、時々道路の分岐箇所では気遣って待っていてくれる。

学者お爺ちゃんの自宅近くで、コンビニに寄ったが、新平は車の中で待っていた。

弁当らしいのを買って乗り込んでいたのが気になる。

「上野さん、車は裏に廻って庭に入れてください。私のセダンを停めていますから、その横に駐車させて下さい。」

言われた裏庭には、白い乗用車が停めてあった。その横に駐車させて車を降りている時、学者お爺ちゃんが勝手口から出て来た。

「上野さん、玄関に廻ってもらっても良いんですが面倒ですから勝手口から上がって下さい。」

家に入ると、台所と広い居間兼食堂があり、フローリングの床には、綺麗好きの奥さんだと直感させられる。

「綺麗に掃除されていますね。」

「あははっ、鋭い。妻は、やることが無いので一日中掃除するか、近所の婆さん達を呼んでダベっているくらいです。」

「お買い物にでもお出掛けですか。」

「いや、息子の嫁が二人目の出産でな、最近は、そちらに行きっぱなしなんだ。それも数日も帰宅しなかったりだ。」

「お食事なんかご不自由でしょう。」

「もう慣れました。それも、こちらに責任があるんでな。」

「え、責任って意味深ですね。」

「なに、そんなことは無いのだが、なさぬ仲の息子の嫁でな、これがまた気が合うらしいんだ。あ、こちらに…。」

噂とは程遠い苦労話だ。本人が言っていることが本当だろう。だとすると女たらしとは、単なる面白おかしく作られた話のようだ。

平助爺の書斎らしい部屋に案内される。

「なさぬ仲ですか。」

「ああ、最初の妻は一年くらいで別れて子供も出来なかったが、二番目の妻は男の子を産んで、家出したんだ。何に使ったのかサラ金に凄い借金作ってな。そんで、すぐに今の妻と一緒になったんだ。」

「あらら、余計なことを聞いてしまいましたね。」

「そんなこと無いですよ。三人目の妻だってのは、誰でも知っていることですから、でも一部間違った噂もありますが、あはははっ。」

「しかし、お嫁さんと気が合うってのは良いですね。」

「ああ、出来た嫁でな。ワシの息子にしては勿体無いくらいなんだ。」

「家庭円満で結構なことですよ。それで…、あれ、新しいパソコンですね。ビスタですか。」

「うん、XPが欲しかったんだが、前のが調子悪くなって修理にだそうとしたが、新品買ったがトクなくらいの修理見積りだった。」

「最近は、そうですね。さすがに立ち上がりが早いですね、画像処理ソフトは何を使っているんですか。」

「販売店で勧めたソフトだけど、販売店に何度聞いても覚えきれないんだ。歳だからな、あはははっ。」

「そりゃ誰だって一緒ですよ。ああ、これですね。これは専門家でも使えるソフトですから面倒な設定がいるんですよ。フリーので簡単な操作で出来るのがありますからダウンしてインストールして見ましょう。それを覚えてみてください。」

平助お爺ちゃんが編集している画像は、家庭菜園で作業しているお爺ちゃん達をビデオ撮影した物を、すきな場面をピックアップして印画紙にプリントアウトさせたかったようだ。

「映像では綺麗に写っていますが、デジカメより画素数が少ないですから手札形程度までしか拡大出来ないですよ。」

「ああ、それで良いんだ。大きく引き伸ばして額に入れるようなモノでは無いですから。」

「えっと、他のも試し刷りして見ましょう。よく見ててくださいね。次はお爺ちゃんが操作して覚えてもらいますから。」

「出来るかな、結構欲出して色々して見たくなったんだが、なかなか覚えられなくってな。」

「しかし、良く取り込みまでやれましたね。他に何かありますか。」

「えっと、ビデオフォルダに入れていますから、マイドキュメントを開けて見てください。」

「タイトルが日付だけですね。出来たら、ここのファイルのプルダウンメニュウに名前の変更ってのがありますから、そこでタイトルの整理をされていた方が判り易いですよ・・・。あれ、これは何の画像ですか。」

「あ、それは違います。」

平助お爺ちゃんが止めさせる前に新平がマウスをクリックしてしまっていた。

「え、これって映画ですか。『野獣と少年』ってタイトルでしたね。」

「あ、ああ、それは・・・。」

画面には、熟年の紳士がソファーに座って、センズリ掻いている。

黙り込んだ二人が、画面から目が離されなくなった。間違いなく『お仲間さん』のビデオ画像だった。

新平が、横に立っている平助お爺ちゃんの股間に手を伸ばすと、硬直したままお爺ちゃんは、天井向いてしまった。

『なんだ、お爺ちゃんもお仲間さんだったのだ』

新平が椅子から立ち上がり、ちょっと震えている平助お爺ちゃんを引き寄せて抱きしめた。

「こんな悪いことしていたんですか。」

「う、うん。バレてしまったな。」

そう言いながらも顔を赤くして新平を見つめてくる。

「若くは無いんですが、私で良かったんですか。」

「うん、好きになってしまった。組長の孫の披露宴で上野さんを遠くから眺めていた。

そんで今日逢って、益々好きになった。迷惑でしたか。」

新平に抱かれたまま、片思いだったことを告白されてしまう。

返事もしないうちに、お爺ちゃんが唇を近づけてくる。

新平も顔を下向きにして唇を付けていった。

思いもかけないことだったが、朝の挨拶のときから、お爺ちゃんが新平を見る目が輝いていたのが気にはなっていた。

「お爺ちゃん、好きだよ。」

「うん、有難う。嬉しいよ。」

絡ませた舌を、何時までも離そうとしない二人だったが、新平の携帯電話が邪魔をして呼び出し音を響かせてきた。

「お爺ちゃん、ちょっとご免ね。」

電話は、飯塚お爺ちゃんからだった。

部屋を出て、居間に行き受信ボタンを押す。

「お待たせしました、上野です。」

『ああ、新平。ワシだ、今日はお疲れだったね。そちらの平助の注文は、長く掛かるのか。』

「はい、多分そう思います。明日にでも、此方らから電話させてもらいます。ちょっと出先からなんです。」

『傍に平助が居るのか、残念だな、昨日は電話を忘れて外出したので悪かったな。それでは明日電話待ってるからな。』

「すみません、そうして下さい。それではまた。」

『楽しみに待ってるからな、頼むな。』

飯塚お爺ちゃんの残念そうな顔が思い浮かぶ。

「会社からですか。」

何時の間にか平助お爺ちゃんが傍に立っていた。

「はい、急ぐことは無いんですが、現場からです。明日処理すれば良かったんですが、新人だから心配だったんでしょう。」

平助お爺ちゃんを引き寄せて、再びキスをする。

『ぷるぷる、ぷるぷる・・・』

又しても電話が二人を邪魔してしまった。今度は平助お爺ちゃんの携帯電話だった。

「何だ、オレだ。うん、別に構わない。うん、うん、そんじゃな。康子さんに宜しくな。」

「奥さんからでしたか。」

平助お爺ちゃんを抱いたままだったので、電話を終わるのを待って頬に唇を押し付ける。

「うん、今夜も泊まるんだそうだ。上野さん、シャワー掛かりませんか。ゆっくりして良いんでしょ。うふふふ…。」

平助お爺ちゃんは、何やら含み笑いをしながら浴室に誘った。

「はい、ゆっくり、お爺ちゃんの裸を見せてもらいます。」

「こんな年寄りの裸を見たってシワシワなだけだ。」

「それが良いんです。それと、そのデカマラを泣かせてやりたいし。」

「おお、泣かせてくれるのか。嬉しいな。」

一緒に浴室に入り湯を掛けあい汗を流す。

石鹸を洗い流すのを待ちきれないように、平助お爺ちゃんが新平のチンポをしゃぶってきた。

それは、これからの、長い夜の始まりだった。

(つづく)

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(本作品は源次郎さんのブログ「お爺ちゃん達のときめき物語」(http://sinpei53.at.webry.info/)に掲載されたものを、源次郎さんのご了解を得て、転載させて頂いたものです。)

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