上野新平シリーズ(第67話):海釣り公園のお爺ちゃん(3) By源次郎


(5)

青く澄み切った空を仰いだ。頭上は朝から雲ひとつ無い晴れ上がった空を十数羽のカモメが我が物顔で水平飛行したり急降下したりして遊んでいる。

遠く海面近くに薄い雲がたなびいている。

海面はベタ凪で、これだと船酔いの心配も無さそうだ。

田川お爺ちゃんが迎えに来てくれると言って指定した場所に向かう。

魚市場の入り口でタクシーを降りて、船付場を左手に見て防波堤を兼ねた突堤の入り口の有刺鉄線が破かれたところを潜り抜け、構わず先へ歩いて行く。

所々に『ここは釣り場では有りません』と書かれた看板があるが、それを無視して釣り糸を下げている人が何人もいる。

突堤の先まで来て、遠くを眺めるが、田川お爺ちゃんの遊漁船らしい姿が見えない。

港には、貨物船や漁船が繋留され、忙しく港内を進行している船も数隻いる。

船の機関の軽やかな音やカモメの鳴く声、それに重油が浮いた潮の臭いが港独特の雰囲気を上手く演出しているようだ。

待たせては悪いからと早めに来ていたので、腰を降ろして座り込んで待つことにする。

『雲か、山か、呉か、越か・・・。』と歌った頼山陽(らいさんよう)の「天草灘に泊す」を小さく口ずさんで見る。

「おおーい、新平。」

バリバリと高いエンジン音が急に近付き、そこから田川お爺ちゃんが新平を呼んでいる。

白い波を立てて顔が確認出来る所まで近付き大きくターンしてエンジンを逆回転させたのだろうか、エンジン音が一段と大きくなり、ボートの横を防波堤の突堤に寄せてきた。

顔の半分が隠れるような紫外線カットのゴーグルをつけ、六尺褌姿で肩から救命ジャケットを掛けている。

このままの姿で、競艇のボートに乗せ、コーナーの鋭角な180度回転を、ハンドル握ったままケツを持ち上げて『モンキーターン』させると似合うだろうな。

またそれをデジカメで撮って、デスクトップの背景画像にしたい。

出来ることなら、この姿をミニチュア人形にして持ち帰り机の上に飾って時々オカズにしてシコっても良いような可愛い姿だ。

中型の和船を改造した遊漁船だと思っていたが、立派なマリンクルーザー用の船に驚いた。

接岸衝撃を緩和する車のタイヤを横っ腹に吊り下げ、浮き輪にロープを結び、新平目掛けて投げてくる。

それをキャッチして待っていると、お爺ちゃんの船が接岸してくれた。

ちょっと荒くれた手を差し出され、手を掴んでもらい、揺れるボートに飛び乗り、勢い余って、お爺ちゃんに抱きついてしまった。

そのままキッスしたかったが近くの釣り人の目もあったので、抱きついたままで朝の挨拶を交わす。

「これ、頭から入れて付けててくれ、湾内は警備船が見ているから追っかけて取り締まって来るんだ。」

そう言って、救命ジャケットを渡してくれた。

沖に出ると流石に海だ。結構白波が立っている。

GPS電波を受信して海図モニターに現在位置を映しているのを見ながら、お爺ちゃんが操舵ハンドルを手に立っている横に並んで立つ。

「お爺ちゃん、どこまで行くんですか。」

「ああ、とりあえず沿岸警備艇が通らないトコくらいまで走ってみよう。行きたい場所があったら沖縄でもハワイでも良いんだぞ。」

「まさか、そんな遠くまで行くこと無いでしょう。」

30分も走ると、先程の港も見えなくなり、遠くに見えていた高いビルも何時しか水平線から消えている。

「もう少し行くと、浅瀬があって他の遊漁船も近付かないとこがあるんだ、それとも自動操縦にして絡むか。」

「お爺ちゃん、絡むのは、ゆっくりで良いでしょう。どの位のスピード出しているんですか。結構船底叩いているようですが。」

横に立つおじいちゃんの六尺褌が気になる。そっと褌越しに手を伸ばして膨らんでいるチンポを擦る。

「お、おお、気持ちの良いあいさつだな。新平も脱いでくれ。」

「ちょっと不安定だから、私は暫らくこのままでいいです。それでスピードの話しですが。」

「内緒だがな、100以上出せるように改造している。でも普段は油くうからそんなに出していない。それでも80は出ているようだな。」

「遊漁船で、そんなスピード出す必要無いでしょう。」

「営業中は、他の船より先にポイントに行きたいから出すんだ。」

「やはり、真面目に営業しているんですか。」

「ああ、気が向いたら、土日曜限定でやっている。これはボートの年間維持費を稼いでいるようなものでな、生活出来るような金は期待できないんだ。」

「維持費って、そんなに掛かるんですか。」

「有漁船組合費だろ、これには色々の保険代も含まれているんだが結構な費用なんだ。それに定期的に内装をやり直さないといけないし。エンジンのメンテ費用などが要るんだ。」

「そんなに維持費って掛かるんですか、それじゃ生活費は海釣り公園の勤務ですか。」

「あっはっはっ、あそこは週に4日だ。それも一日6時間だけだ。晩酌代くらいにはなっているかな。」

「それじゃ生活できないでしょう。」

「うん、出来ないだろうな。でもなワシは船員保険の年金が受けられるから助かっている。」

「ああ、そうでしたね。船に乗っていたって聞いていました。」

「新平、そろそろ到着するから裸になってろ。」

「なってろって言われても無理ですよ。こんな紫外線の下だったら火傷してしまうでしょう。」

「あっはっはっ、だれも外で裸になれって言って無いだろ。そこを下ってキャビンのドアーがあるだろ。」

「ああ、キャビンの見学させてもらっていなかったですね。どれ、先に行って待っています。」

ドアーを開けて驚いた。豪華客船のような絨毯張りの床、それにフカフカのソファーがあり、壁には冷蔵庫付きのキッチンも収納されている。

トイレにシャワー室までが船尾にあるようだ。

呆れて眺め回しているとエンジンが切られて静かになった。錨を降ろしているのだろうか、軽いウインチの回転音が聞こえる。

座り込んでテレビのスイッチを入れてみるとチャンネル表示が『DVD』になっていた。

その、横にはカラオケ演奏装置までがある。

「どえらい贅沢なキャビンにしているんですね。」

階段を降りてくるお爺ちゃんに聞こえるように呟く。

「あ、ちょっと、まだなんですが・・・。」

ゴーグルと救命ジャケットを放り捨てて、六尺褌一枚のお爺ちゃんに、後ろから羽交い絞めにされ抱きつかれて仰向けに倒れてしまった。

無言で、新平の顔を両手で掴み、馬乗りになって唇を押し付けてくる。

されるがままに、唇を開くと、お爺ちゃんが舌を入れて絡ませて来た。

「新平。あ、ああ。」

「ふ、ちょっと、服を・・・、あ、ああ。」

構わず、お爺ちゃんは、口を尖らせて新平の口の中に入って来て舌を吸い取られるかと思うほど喉奥まで吸いこまれる。

「あ、ああ、お爺ちゃん。」

溜まらず、お爺ちゃんの顔を掴んで引き離し目と目を合わせる。

「新平、好きだ。」

「うん、私も好きです。あ、ああ。」

長いディープキッスが始まり、キャビンの中を、唇を合わせ、抱き合ったまま転げまわる。

田川お爺ちゃんが落ち着きを取り戻した様子で離れてくれた。急いで服を脱ぎ捨てていると、お爺ちゃんも六尺褌を解いている。

身体全体が黒に近い褐色で、肩の筋肉が盛り上がり、分厚い胸板、硬そうな腹筋、くびれた腰には、焼かれていない真っ白い六尺の後がくっきりと付いている。

何度眺めても惚れ惚れする。

「お爺ちゃん、後姿も見せて下さい。」

「そんなにジロジロ見られると恥ずかしいんだ。」

照れながらも、お爺ちゃんは後ろ向きになってくれた。

黙って立っているのも間が持てないらしく膝を折ってスクワットしたり、両足を開いて手を腰に当てたり、両手を水平に拡げて見せてくれる。

膝を曲げて腰を降ろしていくとき、金玉の裏側が見え白い毛が羽毛のように密生してはえている。

引き締まったプリプリした硬そうな上付きのお尻は、金太郎人形を思わせる。

お爺ちゃんの後ろに膝立ちで座り、抱き込むように両手で尻を包み、手を股間に回してチンポと金玉を掴んで揉む。

「あ、ああ、新平。驚くじゃないか、あ、ああ。」

そう言いながらも嬉しそうに天井を仰いでいる。

シックスナインで絡み合い、お互い満足し、大の字になって天井向いて寝転んでいたが、それでも、身体を撫で回したり、思い出したように重なり合って唇を吸い合う。

「あ、ああ、お爺ちゃん。再開ですか、あ、ああ。」

「うん、我慢出来なくなった。一番濃いところを飲ませてくれ。」

お爺ちゃんが、本格的に尺八を始めてしまった。

このクルージングの目的そのものが絡み合うことだと認識していたが、何となく唐突に犯されている気分である。

「あ、ああ、濃いところって、あ、ああ。」

「見ろ、先走りがダラダラでているんだ。誘惑された気分だ。」

「そ、そんな、あ、ああ、出る、出る、あ、ああ、良いですか。あ、ああ。」

「いいぞ、いつだって射っていいから。」

「お、おお、ふん、ふん、あ、ああ、い、いい、射く、射く、あ、ああ。」

お爺ちゃんが喉奥まで咥えこんでいる新平のチンポが一段と膨らんで射精を始めてしまった。

「あ、ああ、勿体無い。勢いが良いから口から漏れ出てしまった。」

新平のまだ硬いままの竿から金玉までを舐め上げてくれている。

「ふうぅ、新平。美味かったぞ。流石に今朝の一番絞りだ、第二ラウンドは午後からやろうな。」

「え、第二ラウンドもあるんですか。」

「当然だろ。」

済ました顔で、手で口を拭いながらニヤリと笑っているお爺ちゃんの頭を捕まえて頭突きしてやる。

「げっ、痛いなぁ。この石頭は。」

並んで大の字になって寝転んでいると、ゆっくりと横揺れする静かな船内だ。揺り篭に乗っているみたいで眠たくなってくる。

波がペチャペチャとボートの横っ腹を打っているのが聞こえる。

街の雑踏から逃れて時々こうした時間を過ごすのも良いものだ。

日常抱えているストレスが消えていくようだ。

「新平、ビールでも飲むか。そろそろ飯の時間だし。」

「ああ、良いですね。すみません、私は何も持って来ていないんです。」

「身体一つで良いからって言ってただろう。それで良いんだ。たいていの生活必需品は全て揃っているからな。あ、オンナは準備していない。あははっ。」

「お爺ちゃん、オンナは必需品じゃ無かったでしょう。」

「ああ、そうだったな。でも若い頃は準備していたんだ。オトコ日照りが続くときは手っ取り早く女を抱いていた。オンナって、簡単に尻尾振って付いてくるからな。」

「わぁ、両党で活躍していたんですか。」

「まぁな、そんなことも有ったってことだ。あはははっ。」

缶ビールで乾杯して、お爺ちゃんが作ってきてくれていた弁当を広げて食べ始める。

三段重ねの重箱が広げられ、とても二人では食べきれない量だ。

それも料亭が予約とって作ってくれる『おせち料理』のように色鮮やかで華やかに詰められて並んでいる。

「うっわぁ、凄い弁当ですね。これ全部お爺ちゃんの手作りですか。」

「うん、こんなの簡単だ。もっとも昨日から下準備していたのもあるがな。」

「それにしても、ドコでこんな料理を覚えたんですか。」

「船に乗ってた頃だ。三ヶ月も海の上だからな、機関士から料理当番、すべて交代でやらされたから、特に料理は好きだったからな。」

「ううーん、こんな奥さんが居てくれたら幸せだな。お爺ちゃん結婚しましょうか。」

「新平。冗談でそんなこと言ったら駄目だぞ。年寄りは本気にするからな。」

「でも半分は本気ですから。」

「なんだ半分だけか、あっはっはっ、それじゃ取り敢えず同棲してみるか。」

「良いでしょうね、でも通勤が大変だな。」

「それが本音だろう。でも期限付きで契約しようか。」

「憧れますが、別れが辛そうだから今のままが良いです。」

「ありゃ、口説いていたんだが簡単に振られてしまったな。あっはっはっ。」

「振られただなんて、気持ちはあるんですよ。」

「判った判った、そんなことより飯食って海に潜って見るか。」

「はい、それではお味の方を楽しませてください。」

「味は、ちょっと濃いかげんだから無理して食うこと無いんだぞ。余ったら海の中で残った物を待ってる良い子達がいるからな。」

「あははっ、その良い子達を釣り上げて食ってきたんですね。」

「そうだ、そうした自然の循環の中で人間も生かされているんだ。」

「ああ、難しい話しになりましたね。それで、泳ぎですが得意じゃないし、大丈夫かな。」

「泳ぐことは要らない、潜って浮かんでくれば良いことだし。」

「その浮かんでってのが自信無いんですが。」

腰に田川お爺ちゃんからロープで括られてしまった。

「一見、穏やかな凪に見えるが、場所によっては潮の流れが速いトコがあるから油断すると流されてしまう、これは用心のためだ。」

水中銃を手にしたお爺ちゃんが先に飛び込んで潜っていった。新平も、船尾のタラップを降りて恐る恐る海水を胸に掛けてからボートから離れないように泳いで見る。

先に飛び込んだお爺ちゃんが、なかなか水面に顔を出してこない。

まさか心臓麻痺でも起こしたのではないかと心配になってくる。

「おおーい、新平。ココまで来れないか。」

「そんな、無理ですよ。第一、足が届かないんですから。」

「アホか、浅瀬って言っても、20メートルは有るんだぞ。」

「わ、そんなに深いんですか・・・。」

20メートルと聞いて恐ろしくなった。ビルだと7階建ての屋上だ。タラップまで戻って掴まって離れられなくなってしまった。

「あっはっはっ。待ってろ、そっちに行くから。」

田川お爺ちゃんが再び海面から顔を沈めて見えなくなった。

「ん? 」

海中を潜って泳いできたお爺ちゃんが、新平の後ろに回り、素っ裸でいる股間に手を伸ばしチンポを掴んできていた。

「こらぁ、吃驚するじゃないですか。小判鮫(こばんざめ)にでもチンポ喰われたかと思いましたよ。」

「ぷっふぁぁ、なんだカマトトぶって、海が怖いのか。」

「怖いですよ、足が届かないんですから。あら、何を捕って来たんですか。」

お爺ちゃんの左手の水中銃の鋒には、エラに突き刺されたデカい魚がバチャバチャ海面を叩いていた。

「これは、ハマチだ、まだまだ大きくなるんだろうが。暢気に昼寝していたので連れてきた。」

「連れて来たって、そんな格好で連れて来られたハマチは迷惑でしょうね。」

「うん、迷惑だろうな、今夜は新平の腹の中に入ることだろうし。」

「そ、それを食べるんですか。可哀想ですが。」

「食ってもらうために生まれて育って来たんだ。食ってやらんと、かえって可哀想だろ。」

「それもそうですね。では今晩戴きます。」

海から上がって、キャビン入り口に準備してあったタオルで身体を拭いて中に入る。

「どうだ、海水は冷たかったか。」

「思ったより冷たくなかったですが、船から離れられませんでした。」

「ま、陸(おか)で育った者には怖いだろうな、あっはっはっ。どれBGMでも流して昼寝しようか。」

お爺ちゃんは、DVDをセットして、絨毯に毛布を出して来て拡げる。

「ちょっと待ってろ、エアコン入れるから。」

「この電源はバッテリーですか。」

「いや、自動車の1500CC位のを別に動かしている。照明とか冷蔵庫もココから引いているんだ。」

「ああ、それで微かなエンジン音がしていたんですね。」

「ボートのエンジンとは別にしている。メインエンジンが故障した時の代替も兼ねているからな。」

「お爺ちゃん、BGMって、音楽かと思ったら絡みのビデオですか。」

「音楽聴いたからって気分が出ないだろ。」

「それもそうですが、色々準備しているんですね。」

「ああ、俺の道楽だからな、あっはっはっ。」

(6)

「お爺ちゃん、前原さんの息子の話は解決したんですか。」

「なんだ唐突に、そんな話か。しかし、あの時は迷惑掛けたな。」

「私の方は、何でもありませんでしたが、お爺ちゃんが運動しているホテル建設反対の方はどうなっているんですか。」

「あれはな、今更反対運動したって、どうにもならないんだがな。ただ、台風のときに西側の湾に船を非難させたいのだが、プライベートビーチとかをやられると埋め立てて浅瀬になってしまうし、第一接岸出来なくなるのでな。」

「ああ、それで今は反対でなく接岸交渉になっているんですね。」

「うん、それと俺の土地を売ってやらないと前原の土地が売れないんだ。オーナーは、そこにテニスコート作る予定らしくって焦っているんだ。」

「だったら、接岸できるって条件で手放したら済むでしょう。」

「それが、契約交わしても将来的には、いずれ破棄されるのは、あいつらがやることだから見え見えなんだ。」

「過去にも騙されたんですね。」

「ああ、数年前は、放牧場作って和牛を育てると言って、土地の買占めが始まったんだ。それが、ある程度の買収が済んだら計画倒産しやがって不動産屋の管理になったんだ。それも同じ系列の会社だった。」

「悪質ですね。」

「こんな土地遊ばせててどうするんだろと話していたら急にホテル建設の計画があると言い出したんだ。」

「ふーん。でも農地でしょうから簡単には変更出来ないでしょう。」

「それでな、永田町から県知事に、天の声が下されて、あっと言う間に土地開発の許可が下りてしまったんだ。」

「あはははっ、良くあるパターンですね。あれ、この人たち何か変な道具を持ち出しましたよ。」

寝転んでDVD観賞しながらの会話だったので、二人とも目はモニター画面から離せず、体位の解説を見ていた。

「何、ハリガタだろう。タチとウケを交代しているんだろ。」

「わ、憶えてしまっているんですね。」

「ああ、擦り切れるほど見てる。」

田川お爺ちゃんが新平の股間に足を絡ませて馬乗りになって来た。

唇を合わせて、お爺ちゃんが言う第二ラウンドの開始を要求してきている。

「なんだ、こんなに勃起させていたのか。」

「ええ、お爺ちゃんの話し声だけで勃起しますからね。」

「嬉しいな、声だけで勃起させてくれるだなんて。」

「それに、このおちょぼ口が誘惑するんです。」

「そうか、新平も可愛いぞ。」

「それに、このDVDって、釣り客にも見せているんですか。」

「そんなことは出来ない。すぐ噂にになるだろうからな。」

「でも中にはお仲間さんも来るんでしょう。」

「ああ、偶に居る。二人連れで貸切でって依頼して来るのは半分は、キャビンでイチャイチャ始めるのが居る。」

「見ているんですか。」

「ああ、操舵席のGPSモニターを切り替えて、ここの室内を映像で見れるんだ。あそこの隠しカメラだ。」

「興奮しますね。」

「ああ、でも邪魔出来ないからつらい。」

「ご一緒しましょうとか。」

「ばか、俺は遊漁船のプロの船長だからな、手を出したいが出来ない。あ、ああ、い、いい、気持ち、あ、ああ、良いなぁ。」

「あ、ああ、お爺ちゃんの尺八は最高です。そんなに、あ、ああ、すぐ射ってしまうでしょう。ぼちぼち・・・、あ、ああ。」

「そうだ、面白い話があるんだ。」

「聞かせて下さい。」

「時々、瀬渡しもやるんだが、二人を無人化した島に降ろして帰っていたんだが空模様が怪しくなって来たんで約束の時間より2時間ほど早めに迎いに行ったんだ。」

「釣り客は、二人って男だけですか。」

「男女のアベックの話したってしょうがないだろ。黙って聞いてろ。」

「あははは、そうでしたね。それでどうしたんですか。」

「居なかったんだ。島をひと回りしても見つからないんだ。」

「泳いで帰ってたって事は無いですよね。」

「そんなコトは無理だろ。それで、降りてもらった岸に着けて付近を捜したんだ。」

「それで居ましたか。心中していただなんて嫌ですよ。」

「あはははっ、心中はしていなかったが、岸から少し離れた壊れかけた昔の作業場でな、今は避難小屋にしている小屋で、二人とも素っ裸で抱き合っていたんだ。」

「踏み込んだんですか。」

「そりゃな、俺も慌てていたからいきなり小屋の扉を開けてしまったんだ。」

「わぁ、驚いたでしょうね。誰も来ないって思っていたでしょうから。」

「それもな、年配のオヤジが若い男のケツに入れて絡んでいたんだ。」

「そんなトコ私も見たいですね。それでどうしました。」

「いやぁ、こっちが恥ずかしくなって扉を閉めて、早めに渡さないと海が荒れそうだからって外から催促した。」

「すぐ離れましたか。」

「一度バレたら、敵も堂々としたもので、大きい喘ぎ声を出しながら『すぐ行くから』って返事してな、船に戻って待っていたが結局30分くらい待たされてしまった。」

「最後まで済ませてから出て来たんでしょうね。あ、ああ、お爺ちゃん。もう駄目みたい、入れさせて・・・。」

「なんだ、早く言ってくれよ。俺だって待っていたんだから。」

早速、ラブオイルを塗って正上位で挿入開始。その後、色々と体位を変えてみたが田川お爺ちゃんとは正上位が一番気持ち良い。

身体を上から追い被さって重ねていくと、両足を新平の背中に巻きつけ一体化していく。

お爺ちゃんの腋の下から両腕で抱え込むように抱きつき唇を吸い合って腰を軽く上下させていく。

「お爺ちゃん、今日はオシッコ駄目だよ。」

「あれは、風呂でやるときだけだ。ふぅふぅ、ふぅ、ふぅ、あ、ああ。」

「中に出して良いですか。あ、ああ。」

「うん、今日は、新平の子種をいっぱい打ち込んでくれ、あう、あう、あ、ああ、おう、おう、おお。そんで新平の子供を妊娠したら認知してくれよな。」

「はぁはぁ、はぁ、はぁ、あ、ああ。DNA鑑定してからですね。」

「・・・・・。」

お爺ちゃんは、数回気を失ったが、今日は驚かない。

新平は、思いっきり、お爺ちゃんの奥深くに爆発させ、暫らく余韻を楽しむ余裕もあった。

「ねぇ、お爺ちゃん。」

田川お爺ちゃんを腕枕させて抱いてやり時々乳首を擦りながら数日前から疑問に思っていたことを聞いてみる。

「なんだ、どうした。」

「どうして魚なんかを持たせてくれたのですか。」

「ん? ああ、あの時か、喜んで黙って貰ってくれて嬉しかった。」

「だから、どうしてだったのですか。」

「貰ってもらいたいからだ。」

「そんな漠然とした気持ちじゃ無かったでしょう。下心があった筈です。」

「わかったか、そうだよな、なんで魚を釣ってやろうっておもったんだろ。」

「私の顔に『お仲間さん』って書いてでもありましたか。」

ちょっと語調が強くなるのは何故だろう。

「そんなコトは無い。だから地鎮祭の時、顔を覚えていたって言っただろ。」

「それは聞きましたが、私を選んだ理由が判らないんです。」

「そうだな。俺にもはっきりした理由は判らない。でもな、あれだけの人間がいても好みとか、そうでは無いとかあるだろう。」

「うん、それはあります。」

「そんな時、見渡していたら偶然新平の顔があったんだ。」

「好きそうな助平づらでしたか。」

「そんなんじゃない。一目見て可愛いなと思った。」

「こんな中年の草臥れた男を可愛いだなんて見えるんですか。」

「うん、これは何だろうな、新平の身体からオーラを感じたようだ。それで目が離されなくって観察していた。」

「態度が変でしたか。」

「そうは思わなかったが、こんなオトコと友達になれたらって思ってた。」

「それだけですか。」

「そうだよ、それだけだよ。そんで、あの朝、新平が急停車してくれた後、歩道を過ぎて一瞬停車して振りかえって会釈してくれただろ、あの一瞬の新平の顔を見て言葉を交わせるかもって、車道に身体が一人でに飛び出していて、近付いていったんだ。あれが全ての始まりだった。神様がチャンスをくれたのだと感謝した。」

「神様ですか。」

「うん、神とか仏とか信じているわけは無いんだが、何となく感謝したな。」

「あの時の、お爺ちゃんの『魚を貰ってくれ』ってのが、どうしても気になっていたんです。」

「あの日、帰り道をワザワザ戻って送ってくれただろ、あんな親切なことしてくれるのなんか、今時居ない。」

「当たり前のことしただけですが。」

「その優しい気持ちが年寄りには堪らなく嬉しいんだ。」

「それで、風呂に入って帰れって誘ったんですね。」

「うん、どうせ断わるかと思っていたからな。でも、あの時はっきり思った。この新平を失いたくないってな。船乗りしてたので口が悪いだろうに、新平は気にせず話をきいてくれただろ。泣きたいくらい嬉しかったんだ。」

「なんだ、お爺ちゃん。涙なんか流さないでよ。私が聞きたかった事なんだけど判ったからこの話やめましょう。ごめんね。」

帰路につき、港の防波堤が見え出した所で、エンジンを停止して、お爺ちゃんはキャビンに入るように言ってきた。

そこで、暫らくの別れの長いディープキッスをして再会を約束する。

突堤に近付くと、お爺ちゃんはロープを手に、軽るがると岸に飛び移りボートを引き寄せる。

夕方になって港の波も、だいぶ大きくなっていて揺れるボートから飛び降りるのに時間が掛かった。

お爺ちゃんは、人ごとみたいに、新平の不安そうな顔を見て大笑いしている。

無事、岸に上がった新平は、足が震えていたが、立ち上がってお爺ちゃんを抱き締めて礼を言って別れる。

小さくなっていくお爺ちゃんのボートを見送り、魚市場の前でタクシーを拾って、乗り込んだが、それでも身体は海の上でボートに乗っているような感覚だった。

「お客さん、指示された駅前ですが、まだ先でしょうか。」

「ああ、眠ってしまっていました。すみません、そこを真っ直ぐ行って下さい、先の交差点を右に折れた所です。」

タクシーを降りて玄関の暗証番号を入力していたら善吉お爺ちゃんが小走りでやって来た。

「新平、お帰り。ありゃ、日焼けして海にでも行って来たのか。タクシーで帰宅したから具合でも悪いのかと心配したんだ。」

「ああ、お爺ちゃん。只今、これお土産です。海で日焼けして疲れましたが身体は元気です。」

玄関に入って、田川お爺ちゃんが持たせてくれた氷を入れたビニール袋のハマチを見せた。

「お、凄い天然モノのハマチじゃないか。新平が釣り上げたのか。」

「い、いや、釣ったのは私ではありませんが、天然物って判るんですか。」

「そりゃぁ判るさ、色艶も違うし、第一尾鰭と背鰭が全然違うんだ。」

「へぇ、そんなものですか。良かったら三枚におろしますから半分貰ってください。」

「駄目だ、素人が三枚におろした刺身は食えない。ワシにまかせろ。」

「それは助かります。私はシャワー浴びますから宜しく。」

善吉お爺ちゃんに任せて早速シャワーを浴びる。

「あら、お爺ちゃん、仕事はホッポリ出してシャワーですか。」

新平の後から、当然のようにして洋服を脱いで入って来た。

「そうだ、仕事は、ゆっくり見せてやるから勉強するんだな。」

そう言って、新平に抱きついて唇を求めてくる。

「あ、ああ、お爺ちゃん。」

キスをしながら、お爺ちゃんの手は、しっかり新平の股間を弄ってチンポを掴んできている。

『うぅーん、もう出ないかも・・・』

そう思っている新平の心を知ってか知らずか、何時ものように尺八を始めてくれない。

新平が、お爺ちゃんの足元に腰を降ろして頬擦りして咥えこんでやった。

「お、おお、新平。陽に照らされて疲れているんだろ、無理しなくって良いから、な、な、あ、ああ。」

「駄目だよ、疲れと、お爺ちゃんのを抜くのは別の話しですから。」

「お、おお、うん、うん、良い、良いなぁ。あ、ああ。」

口に咥えて、手で扱いていると、お爺ちゃんのチンポは硬くは成らなかったが、しっかり先走りを出している。

「洗い場に寝たら良いでしょう。」

新平が、お爺ちゃんを床に上向きに寝せて一気に扱き上げていく。

「お、おお、新平。お、おお、どうしたんだ、あ、ああ、出る、出る。」

あっさりお爺ちゃんを射かせて、精液を飲み込む。

「相変わらず、お爺ちゃんのは反応が良くって、美味いよ。」

シャワーを掛けてやって、先に出てもらい、ゆっくりボディーシャンプー付けて身体を洗い流す。

「お爺ちゃん、もう始めているんですか。」

お爺ちゃんは、『シャカシャカ』と鱗を落としていた。

「新平、このハマチはプロが水中銃で撃ったみたいだな。」

「うっわぁ、お爺ちゃんに掛かったら何もかもバレバレですね。確かにプロが素潜りで捕りましたが、どうして判るんですか。」

「素人だったら、的が大きい腹を狙うが、そうすると鋒を抜くとき身が崩れるが、プロは、そこを計算して、しっかりエラを狙っているからな。」

「そうでしたか、やっとのことで射止めたのかと思っていましたが、そこまで考えて撃っているんですね。」

「ああ、新平。出刃包丁の切れが悪いから今度研いでやっから。」

「うん、有難う。」

善吉お爺ちゃんには、何もかもバレバレだ。でも誰と行ったかなど聞いてこない。あっさりドコに誰と行ったんだと聞いてくれた方が楽なんだが、そこが善吉お爺ちゃんの心使いなんだろう。

「お爺ちゃん、明日の日曜日の予定はどうなっていますか。」

「ん? 明日か、10時から老人会で、その後、昼食会だ。」

「昼食会って、老人会のですか。」

「ああ、月に2回だけど弁当取って一緒に食べるんだ。最近は一人暮らしが多いから、こうしてワイワイ食べようと言うことになった。でも出席するのは婆さんが殆どでな、爺さんは、どうしても出て来ないんだ。」

「そうですか、それで午後は。」

「午後は、あれだ、なんだったかな、グランドなんとかで、近くの老人会4チームで試合をする。今日もその練習だった。」

「グランドゴルフですか。」

「そうそう、それだ。ゲートボールが廃れたからな。」

「いい運動ですね。私も見学してみようかな。」

「見学より、審判やってくれたら助かるんだが。」

「毎週休めないときもありますから無理でしょうね。」

「そうだよな。まだまだ先で良いから、ボランティアで審判してくれ。」

「面白そうだから考えておきます。」

「そうか、嬉しいな。頼んだぞ。新平、好きだ。」

「なんですか、唐突に。あっはっはっ、私もお爺ちゃんが好きです。」

そう言いながらも田川お爺ちゃんが『同棲しようか』と言ってくれた言葉が思い出されて気持ちが動揺する。

善吉お爺ちゃんは、約束通りハマチの半身を貰って帰ってくれた。

一緒に食事したいが、お爺ちゃんには奥さんが待っているんだから仕方ないことだ。

ちょっと淋しいが我慢しないといけない。

それでも「善吉お爺ちゃん、有難う」と大きい声で叫びたい気持ちだ。

(つづく)

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