上野新平シリーズ(第84話):S市のお爺ちゃん達(4)By源次郎


(7)

上野新平(53)は、S市の出張所長代理で赴任させられ、早い物で、ひと月近くにもなっていた。

ここの出張所は、事務職員も入れて三十人くらい在籍している。

人口三十万人足らずの小都市だが、海上自衛隊や米軍基地があり、それに造船所などもあって、商店街などは結構繁盛している。

流石に支社で施工するような大型物件は少ないが、対象エリアが広い。

また島が多く、工事作業も船で渡って数日宿泊しての作業も多い。

出張所近郊の地理も、なかなか覚えられず、南にあるとばかり思っていたE町が北にあったりする。

それで、時間が空いたときは、会社の軽ワゴン車でドライブを兼ねて出掛けている。

今日も、北方面の地理を確認しようと昼前にコンビニ弁当とペットボトルのお茶を買って出掛けて来た。

汗ばむほどの陽気で、“これが、自宅隣に住む善吉お爺ちゃんと一緒だったらたのしいだろうな”と思いながら走る。

善吉おじいちゃんの事を思い出すだけで“ちんぽ”がむずむずしてくる。暫らく帰省していない。

あまり車両が通行していない綺麗に舗装された国道を走る。

こんな利用価値の低い道路を作るためにガソリンを買う度に“特別道路暫定税”とか言う訳の分らない高い税金を三十年も払わされているのだ。

場所によっては、一日に数台の車が通行するだけで、放牧された牛が利用するのが多い所もあると聞く。

福島善吉お爺ちゃんにも、偶には電話してあげないといけないんだけど、と元気そうなニコニコ笑った顔を思い出す。

国道から右側の県道に移り北へ向かう。この道も、最近出来たのか綺麗に舗装されている。

相変わらず、通行する車は少ない。

(お、第一村人発見・・・、違う、第一お爺ちゃん発見だ)

買い物を入れたビニール袋を、だらしなく下げ、新平の進行方向前方を、ビッコ引きながら禿げ頭の小柄なお爺ちゃんが歩いている後姿が見えた。

着古して黄ばんだ皺だらけのワイシャツ、それにもこもこさせたカーキ色の作業ズボンを臍の下でベルトを締めて着ている。

尻側の腰に下げた手拭も汗の染みで薄汚れている。

あんな汗臭そうなお爺ちゃんの臭いプンプンの手拭で、猿轡(さるぐつわ)されたら、恍惚状態で“ちんぽ”を勃起させ失神しそうだ。

横顔を見ながら追い越し路肩に停車し、サイドミラーで顔を見せてもらう。

(うぅーん、好みのお爺ちゃんだ・・・)

新平の助平心が騒ぎだす。こんなお爺ちゃんと温泉場ででも会えたら、手を出したくなるだろう。

お爺ちゃんは、新平が道路左側に寄せて停車していた車を“邪魔な停めかただ・・・”と言いたげな顔で、ナビシート側のドアーに書かれた社名を一瞥して運転席の新平を見てきた。

「こんにちは、お買い物でしたか。」

左側のウインドウガラスを下げ、新平が挨拶してくるのを聞いて“びくっ”とした怪訝な顔で“うん・・・”と返事してくる。

「どちらまで行かれますか、良かったら送りますよ。」

“住民には、優しく接ししなければならない”のが商売の鉄則だ。

しかし新平は、助平心もあって親切を押し売りしているのは確かだ。

目をクリクリさせ、知り合いの男だったかと思い出そうとしている。

「ああ、F洞窟の先だ。乗って良いのか。」

新平がニッコリ頷くと、ドアーを開け“どっこいしょっ、世話になるぞ”と言って乗り込んできた。

言葉遣いが荒っぽい気がするが、敬語とか使いなれていないのだろう。

それがタイプで無いお爺ちゃんだと“むっ”となるが、こうした可愛いお爺ちゃんだと、かえって親近感が深まる。

「ホームセンターに鍬の柄に噛ませる“くさび”とボルトやナット、それにネジ回しを買って来た。昔は、近くに鍛冶屋があったんだが、そこの親父が死んで、子供達が跡継ぎしなかったので不便になった。」

新平が聞く前から自分で買い物したのを喋ってくる。話好きなお爺ちゃんのようだ。

「ああ、最近は鍛冶屋さんとか見かけ無くなりましたね。それでF洞窟って近くですか。」

「ん? F洞窟を知らんのか、ここから半里(はんり)先だ。」

(半里って、たしか2kmだったかな・・・)

苦笑しながら、お爺ちゃんの距離の単位をメートルに換算し納得する。

「だったらホームセンターまで結構ありますね。」

「うん、小一時間だ。アンちゃん、F洞窟って知らんのか。有名な洞窟なんだがな。でも宮司は変わり者でな、変人なんだ。」

「あっはははっ、変人だなんて言って大丈夫ですか。その洞窟に宮司さんがいらっしゃるのですか。」

「うん、同級生でな。嫌な縁とでも言うのか戦地でも一緒だった。いつも喧嘩している。」

「なんだ、喧嘩するほど仲が良いのでしょう。」

「とんでもない、あんなクソ親父なんか、友達なんかじゃ無い。早いとこ地獄からお迎えが来てくれたら良いんだ。」

「あははっ、神様にお仕えしている宮司さんも、神様でなく、仏様のお迎えが来るのでしょうか。」

「・・・・・・・・・。」

小柄なお爺ちゃんは、新平が言っている意味が判らないようだ。

「あ、上野新平って言います。電気やエアコンの仕事をしています。」

「ふぅーん、それで今から何処の工事に行くんだ。」

「ああ、S市の出張所に赴任したばかりで、ドライブを兼ね、近辺の地理を勉強しています。」

「何だ、暇な会社だな。」

これが、タイプでない親父だったら“即”叩き降ろしたいところだが、仕事の内容を説明しても無駄なようだったので笑って頷く。

「それで、お爺ちゃん・・・。」

「わしは、田平渉(たびら・わたる)って言うんだ。今年で85になる。戦地で足を痛めてビッコ引いているが、子供の頃は村の小学校では足が速くって一番だったんだ。」

「田平お爺ちゃんですか。えっ、85歳って、まだまだ70代に見られるでしょう。若く見えますよ。」

「今更、若く見られても嬉しく無い。」

(何だ、お世辞を言ったつもりじゃ無かったんだが・・・、可愛く無いなぁ、でも85歳には見えない)

「ところで、F洞窟は、そんなに有名なんですか。」

「ああ、発見された中では日本最古の洞窟らしい。何でも2万から3万年前の遺跡が見つかっている。国の文化財指定にもなったとか、宮司の世知原(せちばる)爺が自慢していた。」

「宮司さんは世知原っておっしゃるんですか、その洞窟とかを見学して見たいですね。まだ先ですか。」

「ん? とっくに通り過ぎたぞ、稲荷神社があったろ、あそこだ。」

「教えてくれたら良かったのに・・・。」

(ったく、可愛く無い爺さまだ・・・)

『どぉーん、どぉーん、どぉーん、どぉーん、どぉーん、どん、どん、どん・・・』

「あれ、何の音ですか。」

「あれか、稲荷神社のクソ親父が暇に任せて、正午と午後五時に、和太鼓を叩っているんだ。」

「毎日ですか。」

「うん、日曜日以外は、ここんとこ三十年は一日も休んでいない。」

「それじゃ旅行とか出来ないでしょう。おちおち病気も出来ないですね。」

「あっはっはっ、馬鹿は風邪引かないって言うだろ。」

「そんな馬鹿だなんて・・・。」

「でもな、最近ボケてきてな、時々忘れて正確な時間じゃないんだ。」

「どう言うことですか。」

「五分や十分くらいは平気で遅れている。」

「ははっ、その位は大目に見てやって良いでしょう。」

「いいや、かえって迷惑なんじゃ、あのクソ親父のせいで、一時間に一本しか無いバスに遅れたりするからな。」

「それは、バスに乗る人が注意していないと駄目でしょうよ。」

「あ、ここで良い。世話になったな。寄って茶でも飲んでいくか。」

「有難うございます。今度近くに来た時にでも寄らせてもらいます。今日は、その稲荷神社の洞窟を見学して帰ります。」

「そうか、稲荷神社の洞窟は三万年でも逃げないから今度で良いんじゃないか。わしは、婆と二人で、稲作と柚子(ゆず)を作っている。」

「柚子? ああ、あの匂いが良い蜜柑ですね。」

「うん、最近は需要が多くてな、近所でも商売敵が増えたんだ。あっはっはっはっ。じゃあな、有難う。」

言いたいことだけ言い、背を見せたまま手を挙げ、家の中に入ってしまった。

(言葉は乱暴に聞こえるが可愛かったなぁ、お茶飲ませてもらえばよかった、残念)

Uターンして、今来た道を引き返す。

『どぉーん、どぉーん、どぉーん、どどどん、どどどん、どどどん・・・』

相変わらず、力強い太鼓の音が聞こえている。田平お爺ちゃんと同級生の宮司って言ってたから85歳だ。

そのF神社は、道路から幅広い石段を五・六段あがり、大きな石造りの鳥居があった。

鳥居の先の左右に、これも大きい石造りの狛犬(こまいぬ)が台座の上に鎮座している。

軽ワゴン車を道路左側に寄せ、片車輪を、路肩に落として停車させる。

石段の左側に“国定史跡”と書かれた案内板が雨風に曝され、剥げかけた文字が判読できた。

“稲荷神社の本殿にある砂岩の洞窟。無土器時代(旧石器時代)から縄文時代(新石器時代)にかけて人類が居住していたことがわかっている。”と言った内容だ。

14・5メートル四方の広場があり、新平が子供の頃、三角ベースで野球をして遊んでいたくらいの広さだ。

最近の子供は、こうした広場で遊ぶことも無くなったのだろうか、綺麗に掃除されている。

そこから更に、狭い石段が十段ほど登ると、五間四方くらいだろうか、高床式の拝殿の建物がある。

拝殿の周囲は半間の濡れ縁が一周していた。

目的の洞窟は、拝殿所から更に石段を五十段ほど登った所に祠(ほこら)が祭られているようだから、おそらくその辺りだろう。

どこの神社も同じようだが、その拝殿の階段前に鍵が掛けられた賽銭箱が置いてある。

ポケットから小銭を出し、賽銭箱に入れて一礼する。

最初に太鼓の音を聞いてから十分くらい経つが、まだまだ力強い音が拝殿の中から聞こえている。

五寸間隔に一寸角の桟木が、碁盤の目状に填められた、二枚の重厚そうな引き戸が建てられていて、和太鼓の音は、この拝殿の中から聞こえている。

新平は、靴を脱いで階段下に揃え、雨風に曝され年輪が浮き出て、角が丸くなった階段の板をギシギシ軋ませ、濡れ縁に上がり、恐る恐る桟木の間から中を覗いて見た。

そこには、丈夫そうな台座に乗せられた三尺五寸大の和太鼓を、袴を着け、片袖を抜き、撥(バチ)を叩き付けている雄々しい宮司らしき老人の姿があった。

新平は、引き込まれるように扉を横に引き、身体を滑り込ませ、ゆっくり音がしないように扉を閉めた。

和太鼓を叩いている老人には気付かれなかったようだ。
それは、叩いているリズムが変わらず続いていたからだが、後で聞かされ驚いた。

新平が賽銭箱の前に立ったときから、この老人は背後に“誰か来た!”と感じていたらしい。

まんまと侵入出来たと思った新平だったが、部屋中に響き渡る和太鼓の荘厳な音に、知らず知らず板張りの部屋の隅で正座してしまっていた。

腹の底から突き上げられるような大きい音に、すっかり酔いしれていた。

老人は、何時の間にか両肩を出し、白い着物が下の袴の帯のところで広がり、身体の動きと一緒に“さわさわ”と踊るように揺れている。

凄い、これは絵になっている・・・。むんむんする色気さえ伝わってくる。

何かに取り付かれたように身体を硬くして、大音響と老人の脈動する後姿に痺れていた。

“しゅるる、しゅるる・・・”と、絹が擦れるような音がして、老人は白い七分丈の着物を袴から引き抜き“はらりっ”と足元に落とした。

それと同時に薄い水色の袴から足を抜き、袴を脱ぎ捨ててしまった。

次の瞬間、新平は“はっ!”と息を飲み込む。

宮司と思われる老人は、真っ白の六尺褌一つになって、再び撥を掴み和太鼓を叩き始める。

汗が飛び散り、老人の足元の板張りが濡れてくるのではないかとさえ思える。

85歳の宮司と思われるが、すべすべした艶のある桃色をした幅広い背中、その下に六尺褌で“きりっ”と絞められた腰があり、さすがに肉は落ちているが、これもまた艶めかしい色の尻が“もこもこ”と躍動している。

こんな姿を見せられたら、新平でなくても“むらむら”することだろう。

そうした新平の気持ちを知ってか知らずか、老人は一段と力強く、早いリズムで和太鼓を叩き、暫らくして、ゆっくり静かになっていった。

“びしっ”と張られた牛の皮で作られたのだろうか、三尺五寸の太鼓の振動が止んだ。

新平には、荒い息遣いで絡んでいた男同士が、頂点に達したあと、抱き合って静かに唇を合わせ呼吸を整えていっているように、淫らな想像が思い浮かんでくる。

老人は、二本の撥を顔の前にもって行き敬うようにし、台座の中央に置かれた赤い小さな座布団に斜めに静かに置き、和太鼓から二、三歩下がった。

正面の祠(ほこら)の方を向き、二礼、二拍した後、二礼して息を整えている。

荒い息をし、肩が上下していたのが静かにとまった。

見とれていた新平に気が付いて、振り返って見て来るようだったので、慌てて下を向いた。

「お参りですかのぉ。」

「あ、こんにちは。通り掛かりに太鼓の音を聞いて立ち寄らせてもらいました。洞窟の話も聞きましたので見せてもらおうかと・・・。」

「そうでしたか、ゆっくり見学して行かれたら良いい。もっとも柵があって、中を詳しくは見れないんだがな。」

「こちらの宮司さんですか。力強い太鼓に聞き惚れていました。」

「あっはははっ、それは恐縮です。」

「毎日、こんなに長く叩かれるのですか。お疲れになるでしょう。」

「いやぁ、叩くのは運動の心算ですから。でも一日と十五日は、このくらい長めに叩きますが、今日は、あなたが入ってこられたので何時もより力が入りました。」

「え、私が入って来たのをご存知でしたか。お邪魔したのではないでしょうか。」

「ああ、気が付いたのは、あなたが賽銭箱の前に立たれたときです。それから、ここに入ってこられたので調子に乗って、また運動の延長で叩きました。お邪魔だ何ておもっていませんよ。あっはははっ。」

屈託の無い明るい笑い声だ。和太鼓の台座に掛けてあったタオルを取り出し溢れ出た汗を拭き始めている。

新平は、この宮司の身体に触ってみたくなった。

「良かったら、私に拭かせて下さい。」

新平は、宮司の返事も待たずに近付いて行ってタオルを取り上げ、背中を拭き出していた。

「おっほほほ・・・、すみません。身体ぐらいは自分で拭けますが・・・、あっはははっ、有難う。」

宮司の背後からではあったが、背中を拭き終わった後、腕を前に回し、抱き込むようにして胸から腹、両腕と拭いていった。

その時、気付かれなかった筈だが、宮司の肩に唇を付け、序でに舌先で塩辛い汗を舐めていた。

宮司の身体からは、汗と高貴な匂いが漂っている。新平は、それを嗅いだだけで満足だった。

最後に、薄くなった白髪の汗を拭いてやろうとタオルを頭に被せたときに新平の身体が宮司の身体にぶつかってしまった。

新平の股間は、当然のように勃起した“ちんぽ”で窮屈なくらいズボンを膨らませていた。

それが宮司の臀部に押し付けてしまったようだったが、これも気付かれていなかったようだ。

汗で濡れた頭髪を拭き終わろうとした時、宮司が後ろ手で新平の股間を掴んで来た。

「あっ!」と声を出した新平だったが、唐突でもあったので、宮司が故意に触ってきたとは思えなかった。

「おっほほほ、どうしましたか・・・。窮屈で可哀想ですよ。」

「・・・・・・・・・!」

新平は、身体を硬くし、耳を疑い、顔を赤くして咄嗟に言い訳が出来なかった。

しかし宮司は、何事も無かったように“有難う”と、にっこり微笑み、床に脱ぎ捨てていた着物と袴を拾い上げ、手際良く身に付け、拝殿から出て行こうとしている。

呆然と立ちすくんでいる新平を振り返り“今からシャワーで汗を流します。宜しかったら茶でも飲んで行きませんか”と言い残し出て行ってしまった。

宮司が軽い足取りで石段を降り、下の広場を梶の木側に消えて行こうとしているとき吾に返った。

(あ、あの言葉は・・・、ひょっとして危ない? いや、嬉しい誘いだったのでは・・・)

新平は、慌てて拝殿を出て宮司の後を追った。

(8)

梶の木(和紙の原料)が植えられた木々の先に藁葺き屋根の社務所があった。

宮司の住まいも兼ねているのだろうか、それにしては小さい作りだ。

今時、藁葺き屋根なんて手入れが大変だろうが、こうした職人が近くに居るってことだろう。

民話の世界に登場するような、平屋建ての小さい社務所だった。

「お邪魔します。」

宮司が入って行った裏口から顔を覗かせ、家の中を観察するように眺め回した。

裏口と、表の玄関は土間でつながり、板張りの居間があり、そこには“ゆらゆら”湯気を上げている茶釜がある囲炉裏も掘ってあった。

表玄関横に、小さな窓があり、畳三枚敷きの小部屋がある。“おみくじ”や“おまもり”を売っているようだ。

「ああ、誰も居ない、一人暮らしだ。遠慮要らないから上がって待っててくれ。」

宮司は、奥の部屋から声を掛けてくる。多分、寝室になっていて、そこで着物を脱いでいるのだろう。

微かだが、絹地が擦れる音が“しゅるしゅるっ”と聞こえてくる。

板張りに腰を降ろし、どうした物かと迷っている新平の背後に宮司が来た。

「どうした、上がって待っててくれ。それとも一緒にシャワー浴びるか。」

「あ、いや・・・。ん? 一緒にですか・・・。」

またしても意外な宮司の誘いに新平は“どぎまぎ”してしまう。

「そうだ、良かったら背中流してくれ。」

囲炉裏の茶釜に見とれていた新平だったが、嬉しい誘いに振り返って宮司を見上げた。

「あっ!」

何と言う事だ、新平が振り返った目の前に素っ裸の宮司が立っていて、萎んではいるが、ずり剥けの“ちんぽ”があった。

白い物が多い茂みの中に褐色の“ちんぽ”が、覗いている。その根元から“ふてぶてしく”金玉がぶら下がっている。

手を伸ばすと掴まれる距離だ。一瞬、間をおいて、その場から動かない宮司の顔を見上げた。

“にっこり”と、微笑みながら見下ろしてくる宮司と目を合わせた時、新平の身体に電気が走った。

“お仲間さん”だと確信したときだった。

四つん這いで板張りに上がり、踵を摺り合わせて靴を脱ぎ捨て、そのままの四つん這いで宮司に近付き片手を伸ばし宮司の“ちんぽ”を掴みに行く。

宮司は、ちょっと腰を引いたようだったが、新平が、ぶら下がった金玉と“ちんぽ”を掴むと、“うっふふ”と腰を突き出してくれた。

躊躇することも無い。新平は自然に宮司の“ちんぽ”を舐めあげ、金玉をもみながら“ちんぽ”を口に含んで舌で転がすようにし、根元までを咥えていった。

「あ、あふん・・・。あ、ああ・・・。」

上目使いで宮司を見上げると、両腕は新平の頭を掴み、顎を上に向け喘いでいた。

(ここでは、これ以上無理だな・・・)

新平が、立ち上がり宮司に唇を近付け半開きの口に舌を突き刺していく。

「うほっ、あ、ああ・・・。うぐぐ、うぐぐ・・・。」

宮司も、新平の身体に両腕を巻きつけて抱き込むようにし、舌を絡ませ“ちゅうちゅう”と唾液を吸いにくる。

新平は、腰を下げ、宮司の首に片腕をまわし、もう片方の腕を膝裏にまわすと、宮司の身体を抱え上げ着物を脱いでいた部屋に運び込んだ。

「おっほほほ、力持ちなんですね。でも、ここは風呂場では無いですよ。」

宮司は、素っ裸のまま新平の腕の中で、嬉しそうにはしゃいだ声で笑っている。

「お風呂は、後にしましょう・・・。」

「・・・・・・・・・。」

新平が、宮司を畳の上に立たせ、唇を近づけて行くと、宮司も素直に目を瞑り、震わせながらも尖らせた唇を合わせて来る。

宮司の唇を強引に舌先で抉じ開け、口中を舐めまわしていく。

ディープキッスしながら、部屋を見回すと、先程まで着ていた白い着物は、風に当てるためだろう衣紋掛けに下げられている。

袴は綺麗に畳まれ、部屋の隅に置かれ、新しい越中ふんどしが乗せられている。

着けていた六尺と、身体を拭いてやったタオルは洗濯するつもりだろうか寝室の入り口付近に丸めて置いてあった。

宮司から身体を離し、作業服の上着は車の中に脱いで来ていたので、カッターシャツのボタンを外そうとしていると、宮司は新平の足元に座り、ズボンのベルトを緩めてくれている。

「あうっ!」

新平のズボンが足元に落とされ、足を抜こうとしていたら、褌の横から勃起した“ちんぽ”を引き出され、宮司に咥えられてしまう。

暫らくは立ったままでしゃぶってもらっていたが、我慢できなくなり畳に寝転び“じゅるじゅる”と卑猥な音を聞きながら宮司の尺八に身体を震わせていた。

新平が投げ出した両足の間に宮司は身体を入れ、口と手で優しく舐め扱かれ、射きそうになってくる

「あ、ああ、お爺ちゃん。う、ううっ・・・。」

ここまでされて“宮司さん”とは呼びずらい。咄嗟に“お爺ちゃん”と呼んでしまった。

宮司は、しゃぶっていた新平の“ちんぽ”から顔を上げニッコリ笑ってくれた。

再び尺八しようとしている宮司の両脇に手を入れ、そのまま腹の上に引き摺り上げ唇を合わせにいく。

「あ、ああ、あふっ、あふっ・・・。」

宮司お爺ちゃんは、すっかり陶酔し、新平の顔中を舐めまわしてくる。

“ん? 何か・・・ち、が、う・・・。”

宮司の唇を吸っていて、先程と違った感じを受けたが、新平の股間に身体を入れて尺八してくれていたとき入れ歯を外していたのだろう。

広い口の中を新平の舌が暴れ周り、上顎のザラザラしたところを重点的に舌先で擦り付けていく。

“ごろん”と、宮司の身体を胸の上から転がし、新平が上になり首から胸と舐め下がっていく。

「あひっ、あひっ、ひっ、ひっ・・・。」

宮司の乳首を舐めていると、身体を捩じらせ悲鳴にも似た喘ぎ声を出してくる。

よほど感じるのだろう、舌で乳首を連続して転がしていると、可哀想なくらい身体を“びくん、びくん”と硬直させ善がっている。

臍の周囲から、白い物が多い茂みと舐めていき、期待を裏切るように太腿の内側へと舐めていく。

「あ、ああ、焦らさないで・・・、あ、ああ・・・。」

悶えながらも、入れ歯を外した喋り難い状態で“ちんぽ”をしゃぶってくれと言っているようだ。

「お爺ちゃん、助平そうな金玉ですね。」

「あ、ああ、そこも良い・・・、あ、ああ・・・。」

ふてぶてしい金玉を咥え、独立した玉を片方ずつ舌で転がし“ずるずるっ”と咥え込む。

「あん、あん、あ、ああ・・・。くふっ、くふっ・・・。」

宮司の息絶え絶えの喘ぎ声を聞き“ちんぽ”をズルっと咥える。

「あ、ああ、おう、おう、い、いい、あ、ああ・・・。」

両腕を畳の上に広げ、何かを掴もうとしているのか、畳を掻きむしり爪を立てている。

上向きに転がしている宮司の尻の下に、手を入れ抱え上げ菊座を眺めさせてもらう。

飴色の蕾は、珍客を迎え入れようとヒクヒク呼吸し、鼻先を近づけると、独特の誘惑させる臭いをさせ、新平の興奮を助長させて来る。

その蕾を舐めるのは後回しにし、蟻の門渡りに舌を沿わせるが、垂れた金玉が鼻を塞ぎ、息苦しくなる。

それでも唾液をタップリ落とし舐め上げる。

その唾液が菊座に流れ落ち“てかてか”光り、びくついている。

「あふっ、あふっ・・・。あ、ああ、焦らさないで早く入れてくれ。あ、ああ・・・。」

一見高貴な神職にいる宮司の動きは、ただただ凄い乱れようだ。

上野新平には、CTやMRI検査でも確認出来なかった新生細胞と思われる助平脳が、右脳と左脳の間に出来ている。

これにスイッチが入ると、中に生息している悪魔が目を覚まし、右脳左脳の働きを封鎖し、野獣化した本能だけが動き出す。

それは、理性とか羞恥心とかは存在しない。

ひくつく宮司の菊座周辺を“ねちっこく”舐めまわし、中指で蕾の中央を捕らえ“ぐっ”と押し込んでいくと“ぬめっ”と吸い込まれていった。

肛門括約筋が“ぐい、ぐいっ”と脈打ちながら中指を締め付けてくる。

それが新平の新生細胞で出来た助平脳を一層刺激してしまった。

硬かった菊門を解すように“ぐりぐり”指先でかき回し、前立腺の裏側を捉え擦りあげる。

「うっ、うっ、う、うう・・・、気持ち良い・・・、あ、あう、あう・・・。」

宮司は、仰向けのままで半開きの口から“だらだら”と涎を流し、畳を濡らしている。

「な、なな、早く・・・、入れてくれ・・・。」

宮司は、すでに恍惚状態になって、自分が何を言っているのか判っているのだろうか。

新平の真っ赤に怒ったような亀頭部がパンパンに腫れ上がり、鈴口からは溢れ出る先走りが糸を引き、これも畳を濡らしている。

宮司の両膝を曲げ“Mの字”にした下半身を引き寄せ、数回“ちんぽ”を扱いて、蕾に押し付け、そのまま“ずずずっ”と一気に菊門に突き刺していった。

「あ、ああ、痛い・・・、でも、あ、ああ、そのまま突っ込んで・・・、あ、ああ・・・。」

雁先だけが納まったところで暫らく休み、宮司の腹が大きく上下させている呼吸に合わせ、竿の根元まで入れていく。

「お爺ちゃん、大丈夫ですか。痛くなかったですか。全部入りましたからね。」

「あ、ああ、大丈夫だ。兄さん、巧いもんだ。あ、ああ・・・。」

頃合を見て、新平は腰を前後させ宮司の直腸の隅々までを擦り上げていく。

「うほっ、うほっ・・・。」

新平が抽送させる動きは、早く、ゆっくりを繰り返していくが、時々宮司の喘ぎ声が合わない時がある。

見ると、宮司は虚ろな目をし、自分で両乳首を摘まみ悶えている。

抽送を早くし、新平が宮司の体内に思いっきり射精したあと、宮司の身体の上に、崩れるように倒れこんでしまった。

宮司の“ちんぽ”が濡れている。それを指に取って臭いを嗅ぎ、ぺろっと舐めてみた。

(僅かだが、確かに精液の匂いと味だ・・・)

荒い呼吸を整えながら、宮司の乳首を舐めてやったが反応が薄い。

(どうしたのだろう・・・)

顔を上げ、宮司の唇を吸いに行こうとして気が付いた。宮司は口を半開きしたまま失神していたのだ。

「お爺ちゃん、大丈夫ですか。」

宮司の頬っぺたを軽く平手で叩いてやると、ゆっくり目を開けニッコリ微笑んできた。

「死んだかと思いましたよ。大丈夫ですか。」

「ああ、死んだ。気持ち良く死んでいたようだ。あっはははっ。兄さん、射ったのか。」

「はい、私も気持ち良く射きました。お爺ちゃんが心配で死ねなかったけどね。はっはははっ。」

「そうか、射ったか・・・、そりゃぁ良かった。うん、うん良かった、良かった。」

抱き合って、どちらからとも無く唇を吸いにいく。

「・・・・・・・・・、ん?」

絡ませていた舌を急に離し、宮司の顔が目の前から消えてしまった。

「あっ・・・。」

宮司は、まだ湯気が立っているような、直腸から引き抜いたばかりの新平の“ちんぽ”を咥え綺麗に舐め始めてきた。

「あ、ああ、お爺ちゃん。そこは・・・、あ、ああ・・・。」

新平は、慌てて腰を引いて逃げようとしたが、太腿を押さえつけられ、吸い付いた宮司の口から“ちんぽ”を抜けなかった。

(あ、ああ、なんと言うことを・・・)

すまない気持ちと、心地よさに、宮司が為すがままにさせるしかなかった。

落ち着きを取り戻した宮司が、新平の身体の上に跨り唇を求めてきた。

両腕を宮司の首に回し、おちょぼ口の宮司の唇に噛み付くようにして舌を絡ませる。

「お爺ちゃん、そろそろシャワーでも浴びましょうか。お腹も空いて着ました。」

宮司を腕枕してやり、薄い白髪の頭を撫でながらシャワーに誘った。

「うん、そうだな・・・。」

まだ、先程までの興奮を引き摺っているのか、宮司は、まだこのままで寝転んでいたいような気乗りしない返事だった。

「タケっ、居るのか。」

玄関に声がして客が入って来たようだ。

(この声は、さきほど家まで送ってやった、ホームセンター帰りの田平お爺ちゃんのようだが・・・)

「ワタルか、何か用だったか。ちょっと待ってくれ。」

落ち着いた声で、宮司は着物を着て袴を着けていた。その素早さに、見とれ新平は素っ裸で脱ぎ捨てた自分のシャツとズボンを手にオロオロするばかりだ。

「なに、判っているんだ。上野君が来ているんだろ。車が停めて有ったぞ。あれあれ、靴も揃えずに脱ぎ捨てて上がったのか。行儀の悪い客だな・・・。あっはははっ。」

田平お爺ちゃんは、新平が脱ぎ捨てるようにして脱いだ靴を揃え、あがってきているようだ。

(どうしよう、私がここに来ていることも、上がり込んでいることもバレているようだ・・・)

「慌てなくて良いから、奥の部屋の古美術品倉庫で待っていてくれ。」

宮司は、小声で新平に耳打ちして、縁側から奥の倉庫に入っててくれと言ってくれた。

(喧嘩ばかりしている幼馴染と聞いていたが、こうして訪ねて来ていたのだろう・・・)

新平は、そっと障子を開け、足音を忍ばせ宮司が教えてくれた古美術品倉庫に身を潜めようと縁側に出て来た。

(つづく)

ーーーーー
お断り:小説の中に登場する人名、地名、企業名はすべてフィクションであり、故意的なものではありません。(源次郎)

*****************************************************************************
 ・「上野新平シリーズ(第83話):S市のお爺ちゃん達(3)」に戻る。

・「上野新平シリーズ(第85話):S市のお爺ちゃん達(5)」に進む

・上野新平シリーズ(BY源次郎)に戻る

カテゴリー: 上野新平シリーズ, 作者:源次郎 パーマリンク

以下にコメント・投稿を記入下さい。お名前は必ず記入下さい(匿名可)。メール情報(非公開)は必須ではありません。既コメントに対しては、当該コメント下部の返信をクリックし、記入下さい。

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中