上野新平シリーズ(第89話):S市のお爺ちゃん達(9)By源次郎


(17)

松浦厳蔵(まつうらごんぞう・73)は、退屈な民宿の夜だと諦めていたが、十年ぶりに再会した校長と肌を合わせられた。

その上、この島に渡るフェリーに乗り込んだ時から気になっていた上野新平に、民宿の自販機の前で“一緒に酒を飲もう”と誘われ、今こうして尻穴を犯されていることに感謝していた。

しかし、初めてのアナル経験でもあり、その上、酔った振りしたまま犯されている形になっている。

どこまでこの酔った振りのままで済まされるのか不安でもある。

ここで、酔いが醒めたと気付かれたら、懸命に尻穴を犯してくれている上野新平は止めてしまうだろう。

犯している上野新平も犯罪者なら、それを騙して酔った振りしている自分も同罪ではないだろうか。

それよりも、折角の初体験が途中で止められたら、火がついたような痛さを酔った振りしたまま顔色も変えず我慢していたことが水の泡になってしまう可能性もある。

出来ることなら、このまま上野新平に気付かれることなく最後まで行って欲しい。

射精も済ませず途中で終わられるのは、この上なく残念なことは無い。

それは若いころから、こんにちまで、タチとして経験してきた自分が一番分っているからだ。

夕方、十年ぶりに再会した校長に誘われ、港から離れた使われていない傾いた漁師の作業場で絡むことが出来た。

十年も前、この校長とは校舎改築工事で三ヶ月ほど飯場生活していたときに知り合い、彼が単身赴任していた当時教頭の頃だった。

その後、思い出すことはあったが、再会出来るとは思っても居なかった。

俺達二人は、嫌いになって別れたわけでもなく、工事が竣工し、それぞれの生活に戻っただけで、最初からこうした別れは分っていた。

肌を合わせると、十年間のブランクは全く気にならなかった。

ごくごく自然に、肌と肌が触れ合っただけで、別れたのが昨日のことのように、なんのわだかまりも無く抱き合え合体出来た。

それでも、善がり悶える校長の尻穴を掘りながら、自分には周囲の気配りは忘れなかった。

破れた板壁の隙間を通して吹き込む潮風を聞きながら、海岸に下ってくる時、左手の叢の岩場に寝っ転がっていた男が、後を付けて来て覗いているのも知っていた。

それが一緒のフェリーに乗り、昼間学校での打ち合わせの校長室で名刺を交わした上野新平だったと判ったのは、校長との絡みを終え先に小屋を出た後、覗いていた男が小屋に入っていくのを見た時だった。

“あ、あの出歯亀男は・・・”と分り驚いたが、その後、上野新平が校長に抱きつき、たった今、自分がたっぷり射精した校長のアナルを犯し始めたのを見て“マラ兄弟”だと嬉しくなっていた。

“上野さんもお仲間さんだ・・・”そう思ったからだが、それと同時に、目の前で繰り広げられる二人の行為に興奮し嫉妬していた。

その嫉妬していたのは、当然校長であったが、何故か、それ以上にフェリーに乗り込んだ時から気になっていた上野新平に対する嫉妬心もあった。

そうした後で、下心満々で飲み始めたが、向かい側に見られていたことなど何も知らずに飲んでいる上野新平の顔をまともに見られないもどかしさで、何時に無くアルコールが進んでしまった。

焼酎二本は計算外だったが、愉快に話を合わせてくれる新平と夜が明けるまででも一緒に飲んでいたかった。

自分が見られていたことは承知していたが、またそれにより異常に興奮もし、快楽を貪った。

ここで、上野新平が校長と絡んでいるのを“見ていたよ”と言いたかったが、その後、上野新平が、どのような態度に出るのか分らない。

いっそ、知らないふりして、このままで過ごした方が良いだろうと酔った振りをしてしまった。

上野新平は、俺がタチであることを見て知っていながら、まさかケツ穴を犯してくるとは思わなかったが、気持ちの中に“この男なら犯されても・・・”と言った考えもあった。

それで、ウケは初体験ながらも身体を任せられたのだ。

また、思ったとおり上野新平は優しかった。いじらしいくらいに気を使い優しく菊門をほぐしてくれ、心配していたアナル初体験も出来た。

たしかに、自分で“ジュン、入れてくれ・・・”と、新平を誘ったが、それは酔って校長に言った振りしての呟きだった。

最初の痛みも、今は痺れを感じるくらいで危惧していた穴が裂けることも心配する必要が無くなった。

前立腺を亀頭部が擦るときムズムズした感じはあるが、気持ち良さに善がり狂うような快楽感とはほど遠い。

それでも、年齢的に何時かは機会があったらウケとして経験し、この“男道”を続けていきたいとも考えていた矢先だったのだ。

今夜は、上野新平に感謝して身を任せ、このまま彼には最後までいって欲しい。

彼の精液を直腸にたっぷり射精してもらい、それを一晩身体の中で暖め、明朝排泄されるときにティッシュに取って、愛情に満ちた臭いを嗅いで見たい。

最後の焼酎を飲み終えた時から、泥酔した演技を始めたのだが、せめて寝た振りの俺にキスくらいはしてくれないかとの期待があった。

それが、布団まで引き摺っていかれ、布団を掛けられた時は“これで終わりだったか”と諦めた。

上野新平が“お仲間さん”と知りながらも、自分から口説いてキスを求める勇気が無かった。

年齢的なものかもしれないが、愛してしまった相手に告白出来ない初恋のような心境だ。

浴衣を脱がせられ、足をマッサージしてくれた後、期待しながらもあきらめていたことだったが、鼠頸部に新平の手が触れて来たときは驚きと喜びで起き上がって抱きしめにいきたかった。

それでいて、次の行動を待っていた。それも肛門に指を入れられた時はさすがに声を出すところだったが、それも耐えた。

せっかく馴染んできた二本の指を抜かれてしまったが、鼻先にギンギンの“ちんぽ”を乗せられた時は、舌を伸ばしてしゃぶって良いものか瞬間悩んでしまった。

ただただ嬉しく、新平の“ちんぽ”に噛ぶりつきたかったが、舐めるだけで、これも耐えた。

無意識で舐めたような演技は出来ないだろうから、校長と絡んでいる夢を見ているような寝言を呟いたりもした。

(何か変だな・・・、どうしたんだろ・・・)

新平が厳蔵の直腸に“ちんぽ”を抽送してくれてはいるが、ストロークの感覚が遅すぎる。

奥深く進入し、一呼吸置き、ゆっくり括約筋に雁のエラが届くまで引き抜き、そこでまた一呼吸してからゆっくり進入させている。

(いい加減、パコパコと早めてくれ・・・)

新平は、厳蔵に気づかれないようにしているようだ。じれったささえ感じる。

瞑っていた目を軽く開け、新平の顔を見てみる。

新平は、時々厳蔵が気がつくのではないかと顔色を伺ったり、股間の接合部に目を落とし、相変わらずゆっくりした抽送を続けている。

それはそれなりに痛くもなかったが、内臓が突き上げられるような苦しみは続いていた。

酔っ払った振りし我慢していた厳蔵だったが、限界を感じた。

(もう・・・これまでだ・・・、新平に逃げ出されても仕方ない・・・)

両手を挙げ、新平の両二の腕を掴み、腕の付け根まで滑らせ脇の下に手を入れ、そのまま引き付けるようにして起き上がった。

驚いた新平は“あっ・・・”と一声出し、“ちんぽ”を引き抜き、抱きつかれた腕を離そうともがきだした。

「あ、松浦さん・・・・・・・・・。うっ・・・。」

厳蔵は、慌てた新平の言葉を最後まで言わせず、そのまま押し倒し上から被さり唇を奪いに言った。

「・・・・・・・・・。うぐっ、う、うぅ・・・。」

上野新平は、酔っ払って校長との絡みを続けている夢を見ているとばかり思っていたが、唐突に起き上がられ押し倒され、唇を吸いだしてきた厳蔵に、どう謝っていいものか戸惑っていた。

“ねちねち、じゅるじゅる・・・”

厳蔵が新平の唇を舌でこじ開け、無言のまま口中を舐め回し唾液を吸い取っていく。

「上野君、好きだ。許してくれ・・・。」

少し落ち着きを取り戻した厳蔵が唇を吸いながらも、押し殺した低い声で呟くように話してきた。

「許すって・・・、私の方こそ済みませんでした。私も松浦さんがフェリーに乗り込んでこられた時から気になっていました。」

「ああ、あの時から私も上野君の顔をチラチラ見ていたんだ。」

「はい、気がついていましたが、声を掛ける勇気がありませんでした。」

「そうだよな、いきなり初対面の男に“気になっています”なんて言えないよな。」

「そうです。それで学校の会議室でお会いした時は驚きでした。」

「うん、俺も驚いた。それより嬉しかった。」

「今夜は、早いところ酔わせて、どうにかしてやりたかったんです。」

「うっふふ、悪い男だな。俺もそうなることを期待していたんだが。」

「そうでしたか・・・。良かった・・・。さっきはどうなるかと心臓が爆発しそうでしたよ。」

「その前に俺の心臓が爆発していたんだ。」

「え、いい夢を見ていたように思っていましたが。」

「いやだな・・・、酔ってはいたけど・・・。こうなることを最初から望んでいたんだから。」

「そうでしたか、悪いお父さんですね。」

新平は、体を横にし、抱きついたままの厳蔵を腹の上から下ろし足を絡めて抱きなおす。

厳蔵も、新平と同様に足を絡ませ、萎みだしていると思われる新平の“ちんぽ”を弄って掴んだ。

「お、ますます元気になっているんだな。」

濡れ光り、ドロドロしたギンギンの新平の竿を嬉しそうにしごき始める。

「あ、ああ、お父さん。今日は終了していますから、あ、ああ・・・。」

「駄目だ、せっかく初釜捧げたのに途中で止められたら浮かばれない。頑張って射ってもらはないとな・・・。あっはははっ。」

「え、初釜って・・・。お父さん初めてでしたか。」

「自慢じゃないが、俺はタチしか経験がないんだ。」

「そうでしたか・・・。お元気なんですね。」

「そんなことはどうでも良いことじゃ・・・。」

厳蔵は、新平から唇を離し、起き上がってそばにあった浴衣を引き寄せ新平の“ちんぽ”を丁寧に吹き上げ、おもむろに口に咥え込み尺八を始めてくる。

「痛くないですか・・・。」

厳蔵が望む正上位の体制で両足を高く上げさせ、じわじわと挿入していく。

「ああ、大丈夫だ。でもさっきは途中で止めさせたかったのが正直な気持ちだった。でもな、そんな痛さ以上に上野君に犯されたいって気持ちでいたから我慢出来たんだ。」

「そうだったのですか、顔色ひとつ変えなかったから・・・。」

「あ、ああ、あの時、俺が気がついて“痛い”って言ったら止めていただろう。」

「あっはははっ。すごい演技にすっかり騙されていたんですね。」

「ああ、騙していた。そうじゃないと上野君に逃げられるからな、あっはははっ、あ、ああ・・・。」

「お父さん、全部入りましたよ。」

「おお、そうか入ったか、あ、ああ・・・。」

時々、口を横真一文字に閉じ、痛さに耐え頑張っていた厳蔵が、明るく大声で笑いだし、新平を安心させた。

「お父さん、先ほどより痛かったですか。」

「いやいや、そうでは無いんだ・・・、上野君に逃げられないと安心したのでな・・・、わがままが出たんだろ。大丈夫だ・・・・・・・・・。」

「そうですか・・・、ちょっと動かしてみますよ。」

「ああ、シャカシャカやってくれ、あ、ああ、そうそう、うんうん・・・、調子が出てきたな。」

「痛かったら言って下さいよ。」

「うん、あ、ああ、何だか・・・、体が熱くなってきた。あう、あう・・・。」

厳蔵の踵を新平の鎖骨で突っ張らせ、両腕を掴み抽送を早めていく。

“ぬっちゃ、ぬっちゃ・・・”

接合部の卑猥な音が一段と早くなり、それにあわせて厳蔵の“あうん、あうん・・・”と唸るような重い声と新平の荒い息遣いが部屋中に響く。

「お父さん、もう駄目・・・、あ、ああ、射く、射く・・・。」

眉を八の字によせ、天井を仰ぐ新平の顔を嬉しそうに眺める厳蔵の顔も満足そうにニコニコ笑っている。

ゴワゴワした剛毛の胸毛と腕で、崩れ落ちてくる新平の体を受け止めてやり、荒い息遣いで苦しそうにしているのも構わず唇を吸いにいく厳蔵も達成感を味わっていた。

(18)

漁業組合での会議を終え、夕方早めに民宿に戻った上野新平は、校長との約束をどうしたものかと考えあぐねでいた。

どんよりと雲が低く垂れ下がり、今にも降出しそうな雲いきだ。

部屋に入り、しばらく転寝してから一回の食堂に下りて行った。

「上野さん、夕食の準備が出来ていますが、どうしますか。」

民宿の主人が、昨日と同じ出で立ちの、粋な向こう鉢巻姿で厨房の暖簾から、笑顔で迎えてくれた。

「ああ、ご主人。ちょっと早いようですが頂きます。その前にビールをお願いします。」

「はい、かしこまりました。ありがとうございます、すぐにお持ちしますから適当な所に座ってて下さい。」

「はい、宜しく・・・。あら今日は賑やかなようですね。」

食堂からは十人余りの女性がはしゃいでいる声が聞こえている。

「ええ、お蔭様で本日は満室です。」

客が多いことに対しては感謝しつつも、ハイテンションに騒ぐ女性達には“迷惑なことです”と言いたげだ。

「あははっ、賑やかで商売繁盛で良かったですね。」

「何でも、島の歴史探訪だそうで、H県の女子大生らしいですよ。」

食堂の方をチラッと見て肩をすくめ、申し訳なさそうに新平を見てくる。

「そうですか、それじゃ今夜は二階も遅くまで賑やかでしょうね。」

新平としては、折角静かな島でくつろいだ夜を過ごしたかったが期待はずれのようだ。

部屋に戻る前に、校長がS市の教育委員会の会議の後、宴会に誘われたので今夜は島に戻れないとの電話があった。

(そうだった、今日は会議でS市に行くとか言っていたんだ・・・)

なぜだかホッとした新平だった。校長が嫌いって訳ではなかったが、昨夜、熊男と寝たことに後ろめたさがあった。

その熊男も今夜は、隣の島での打ち合わせだとか言っていたので、一人ぼっちでの夜だと考えていた。

今更女子大生の仲間に入れてもらって騒ぐ気にもなれない。

自販機で缶ビールを買って部屋に戻る。干きものの肴しか無かったが、昨夜、飲み過ぎたので今夜はほどほどにして早めに休むことにした。

その前に、風呂に入っていなかったのを思い出し苦笑する。

浴衣に着替え、新しいふんどしを鞄から出していると“コン、コン・・・”とドアーをノックしてくる者がいた。

(何だ・・・、食堂で挨拶した女子大生が誘いにでもきてくれたのだろうか、出来ることなら断ろう・・・)

「はーい、ドアーは開いていますからどうぞ。」

入り口を振り返ると、浴衣姿のお爺ちゃんが入ってきた。昨夜、風呂で一緒だった民宿の親父のお父さんだ。

「あらぁ、お爺ちゃん。こんばんは。」

「こんばんは、お邪魔じゃないかな。」

ドアーの取っ手を掴んだまま、体を半分覗かせ、遠慮深げに部屋を眺めまわしながら立っている。

「お邪魔だなんて・・・、お爺ちゃん、そんなところでなにしているんですか。こちらに入って下さい。」

部屋の隅に投げやっていた座布団を引き寄せ、お爺ちゃんを部屋の中に誘った。

「いいのかな・・・、女子大生の部屋にでも呼ばれているんじゃないかと思って遠慮していたんだが。どっこいしょっと、ちょっとだけお邪魔させてもらおうか。」

「あはははっ、女子大生の部屋になんか招待されていませんよ。招待されても行かないでしょうが。」

「そうか行かないか・・・。」

「お爺ちゃん、冷えたビール買っています。一緒に飲んで下さい。一人では味気なくって。」

「そりゃぁ悪いな。ビールなら俺の部屋にも冷やしたのがあるんだが。持ってくるから・・・。」

「そんな気を使わなくても良いですよ。さぁ、乾杯して下さい。」

「お、すまんなぁ・・・。では戴こう。」

ビールのあと焼酎にしようと思って一本にしておこうかと思ったが、夜中にでも喉が渇いたときに飲みたくなるだろうと二本買ってきていた。

「500くらいだと物足りないだろ。俺の部屋から取ってくる。」

「お爺ちゃんの部屋って、一階ですか。」

「ん? いや・・・、この家は手狭になったから、この先の家を借りて一人住まいしている。飯と風呂は厄介になっているんだがな。」

「あらら、一人住まいですか。寂しいでしょう。」

「なに、ほとんど寝るだけだから寂しいことは無い。十年前までは、カカァと二人住まいだったんだが、あのバカ、勝手に先に逝ってしまいやがった。」

「奥さんは亡くなられたのでしたか・・・。」

「うん、ポックリとな。血圧が高かったんだ。」

「そうでしたか、余計なこと聞いてしまいましたね。すみません。」

「誤ることは無い、俺が勝手に喋っただけだ・・・。」

「お爺ちゃん、今夜は風呂は済まされましたか。」

「あ、いや、宿泊者が居るときは、風呂はいつも最後に入る。」

「それで昨夜も遅かったのですね。」

「うん、でも今夜は、上野さんだけだから・・・。」

「え、私だけですか・・・。」

「うん、あとは女子大生だけだ。」

「ああ、女子大生は風呂は別ですから関係ないですね。あははっ。」

座卓に向かい合わせに座っていたが、お爺ちゃんの横に座れば良かったと後悔していた。

しかし、二人とも早々に缶ビールを飲み干してしまった。

「お爺ちゃん、下に降りて缶ビール買って来ますから、ちょっと待っていてくれますか。」

「お、ビールはもういい。それより風呂に入ってから飲み直ししよう。上野さんも風呂はまだだろう。」

「え、ええ・・・。一緒に入りますか。」

新平は、お爺ちゃんに思いがけなく風呂に誘われ、上ずった声でこたえてしまう。

「うん、今夜は男湯は開店休業状態だから、ゆっくり入られそうだ。」

「それでは仕度しますから・・・。」

鞄からふんどしを取り出しタオルを手に、お爺ちゃんの後ろから部屋を出る。

「ちょっと先に入っていてくれ。ふんどしの替えを居間に置いて来たから取ってくる。」

風呂場の前で、お爺ちゃんは新平の肩をポンポンと叩いて廊下を先の方に歩いていった。

「早く来てくださいよ、待っていますからね。」

新平は、お爺ちゃんの背後から懇願するように催促した。

「うん、直ぐ行くから・・・。おいおい、今夜はそこは女湯だぞ。」

「え、昨夜と違うんですか・・・。」

「あっははっ、宿泊者によって入れ替えているんだ。」

「わぁ、そうでしたか、危ない危ない。セクハラで訴えられるところでしたよ。」

「あははっ、暖簾を架け替えるだけだから時々間違う人がいるんだ。知らなかったって入ってみたら・・・面白いぞ。」

「冗談じゃ無いですよ、それより分かりましたから、お爺ちゃん早くして下さい。」

新平は、少しでも早く、このお爺ちゃんと風呂に入りたかった。

“女湯”の暖簾の奥から、女子大生数人が明るく笑っている声が聞こえているのを聞きながら“男湯”の暖簾をくぐる。

狭い脱衣室で浴衣を脱ぎ、掛け湯をして浴槽に浸かっていると、待ち焦がれたお爺ちゃんが、股間を見せ付けるように、茂みの中にブラブラさせた“ちんぽ”を見せ付けて入ってきた。

“ごっくん”

思わず唾を飲み込む。昨夜触らせてもらっているので初対面では無かったが、やはりドキドキする。

そのドキドキは、新平に下心があるからだろうが、堂々としたお爺ちゃんに対し、引け目みたいな感じがする。

「上野さん、湯加減はどうだろうか。」

浴槽の低い縁石の手前で股間を広げたまま“ばさばさ”掛け湯をしながら“ちんぽ”と尻穴を洗っている。

新平は、真正面からその動作をつぶさに眺められた。

(私は、何て幸せ者だろう・・・、これ以上は望むことは無い・・・。でも・・・、許されるなら昨夜みたいに触らせてもらいたい・・・)

目を点にして見つめてしまっている自分に気づき、慌てて目をそらし、お爺ちゃんの顔を見る。

お爺ちゃんは、見られても減るものではないとでも思ってくれているのか、ニコニコと笑顔で新平と目を合わせてくる。

(こりゃ、お爺ちゃんが一枚上手かも・・・)

黙り込んでいても間が持てない。何か話し掛けたいが、咄嗟に思いつかない。

「明日の天気はどうなんでしょうね。」

(なんと馬鹿な話し掛けだろ・・・)

口下手な新平は、こうした時の話し掛けるきっかけを作るのが苦手だ。

「おお、そうだな。台風が今のまま進路を変えなかったらええんだがな。しかし例年だと必ず今時は北上するから心配だ。」

「え、台風が発生していたんですか。知りませんでした。」

「ああ、丘の人は、関心が薄いからな。その点、俺たちはフィリピン海峡で発生した時点からずっと気になるんだ。」

「私たちだって、仕事上台風は気をつけていますが、今回のは知りませんでしたね。それで大きさとかは・・・。」

そうした話をしていると、お爺ちゃんが新平の横に近づいて並ぶようにして座り込んでいた。

「こっちの浴槽は狭いからな、申し訳ない。」

「いいえ、そんなことは無いですよ。大きな風呂だと経費も大変でしょうから。」

「そうなんだ、女性の宿泊者が少ないから、普通はこれで良いんだが、たまたま団体のグループがあるんでな、その日の割合で臨機応変に変えているんだ。」

お爺ちゃんが曲げている膝を伸ばしながら、ごく自然ではあったが新平の足首付近にお爺ちゃんの足の指がくっ付いて来る。

新平も負けずに足をお爺ちゃんの方に押し付けてみた。しかし、お爺ちゃんはそれにはなんの反応も示さず、湯を掬って顔を洗っている。

「お爺ちゃん、背中を流させてください。」

「おお、それは有難い、甘えていいのだろうか。」

「はい、私がお願いしているんですから・・・。」

「そうか、お客さんに背中洗ってもらって悪いな・・・。」

“ばっしゃぁ・・・”

お爺ちゃんは、そう言うと、先に洗い場に出た。

浴槽の縁石をまたぐ時、ピンク色をし、産毛が生えた金玉の裏側が美しく垂れ下がって揺れている。

それをじっくり眺めてから新平も、浴槽から出て、お爺ちゃんが座っている腰高の洗面鏡の前に行く。

「こいつで思いっきり擦ってくれ。」

お爺ちゃんは、タオルではなく“へちま”に石鹸を泡立てて背後に立っている新平を下から見上げながら手渡す。

「こんな硬いので背中も良いのですか。」

「ああ、若いときは“亀の子たわし”や“軽石”などを使っていたくらいだから、歳をとってもタオルで擦ったくらいでは、さっぱりしないんだ。」

「こんなのは、皮膚が厚い足の裏しか洗ったことありません。」

新平は、手渡された“へちま”で肩から腰、尻と洗いながしてやる。

「上野さん、遠慮しないで力を入れて擦ってくださいよ。」

「そうですか・・・、これでも皮膚が赤くなりましたよ、大丈夫でしょうね。」

「ああ、そのくらい擦ってもらった方が気持ちがええ。ところで、今日は“あやかり”はやってくれないのかな、楽しみにしていたんだが。」

新平が、“前も洗いましょうか”と言い出しかねていると、お爺ちゃんが昨夜の新平がお願いして触らせてもらった言い訳に言った“あやかりたい”と先に催促されてしまった。

「ああ、今日も“あやからせ”てもらって良いんですか、言い出せなかったのですが。」

「うん、しっかりと“あやかって”くれ。あっはははっ。」

屈託の無い明るく笑っているお爺ちゃんの鏡に映っている顔を眺め、我慢していて“むずむず”していた“ちんぽ”がムクムクとおき出してしまった。

新平が腰に巻いているタオルを突き上げ“ちんぽ”が、今にも顔を覗かせそうだ。

「お、上野さん。元気が良いんだな。」

お爺ちゃんに目ざとく、鏡越しに膨らんだ股間のタオルの状態を見破られてしまった。

「ああ、これですか。我侭な息子で、時間も場所も選ばず勝手に起き上がるんです。見なかったことにして下さい。」

赤面した新平が、咄嗟に勃起した“ちんぽ”を内股に挟み、隠そうとして言い訳をした。

「そんなもん隠さなくっても、恥ずかしいことではないだろう。」

「・・・・・・・・・。いいえ、やっぱり恥ずかしいですよ。」

新平が、床に置いていた石鹸を取り上げようとしているとき、お爺ちゃんが、くるっと後ろに振り向き新平の股間のタオルを剥ぎ取ってしまった。

「あ、お爺ちゃん。」

慌てた新平が、手で“ちんぽ”を隠そうと握った腕を払いのけ、その腕を掴まれ抵抗できない状態にされた。

その上、お爺ちゃんの、片手は、しっかり新平の勃起した“ちんぽ”を握っている。

足元から、新平の顔をニヤッと見上げ、何かに同意を求めているようだった。

「・・・・・・・・・。」

目と目を見合わせていたが、次の瞬間、新平は唖然としてしまった。

お爺ちゃんが掴んでいた新平の“ちんぽ”を、ペロッと、ひと舐めしたあと柔らかい唇を押し付け、ちょっと間を置き、ぱくりと咥え込んでしまった。

「あ、お爺ちゃん。そんなことをしたら駄目です。あ、ああ、お爺ちゃん、無理しないで、あ、ああ、どうしよう・・・。」

かまととぶった訳ではなかったが、新平にしては全く予期していなかったことで、すっかり慌ててしまった。

出来ることなら、“ちょっとでもしゃぶらせてもらえたら”との気持ちは密かに望んではいたが、そのお爺ちゃんから“ちんぽ”を咥えられるとは思いもつかなかった。

「嫌だったか・・・。」

お爺ちゃんが、すまなさそうな顔をして新平の顔を見上げてきた。

新平は、顔を振ってニッコリ笑い、お爺ちゃんを抱きかかえて立たせた。

「嫌だ何て、そんなことはありません。でも、お爺ちゃん、こんなことは初めてでしょう。」

「うん、子どものころ、一度年上のガキ大将に“しゃぶれ”って言われて咥えたことはあった。」

「あはははっ、そんな無理しないで下さい。よかったら私がしゃぶってあげますから。」

そう言って、向かい合わせに立たせていたお爺ちゃんを引き寄せ、抱きついて唇を重ねていった。

お爺ちゃんはキスをするのも初めてだったのか、顔を横にして逃れようとしたが、新平がそれを許さなかった。

抱きしめていた腕をそのまま上に上げ、お爺ちゃんの後頭部を掴んで新平は顔を倒して唇を奪いにいく。

お爺ちゃんの唇をこじ開け舌を入れ口中を舐めまわし、お爺ちゃんの舌に絡ませていく。

口を大きく開けさせ、お爺ちゃんの舌を唇で挟んで何度も扱くようにしていく。

強く抵抗していたお爺ちゃんだったが、体を震わせながらお爺ちゃんの舌が動いて新平の舌に絡み付き出した。

「う、うう・・・。」

新平に唇を吸われたまま、お爺ちゃんの腰が砕けるように膝を折り、洗い場に正座するように座り込んでいく。

「お爺ちゃん、驚いたでしょう。ごめんなさい。」

落ち着きを取り戻したお爺ちゃんが顔を赤らめながら言ってきた。

「いいや、最初はビックリしたが・・・。接吻なんて長いことしたことなかったからな。でも気持よかったな。」

新平が腰を低くしてお爺ちゃんの腕を首に回させ、尻を抱え持って抱き抱える。

「うっふふ、抱っこして次は何をしてくれるのかな。」

嬉しそうに抱きかかえられ、両足を新平の腰に巻きつけ、ずり落ちないようにして聞いてくる。

「いつまでもこうしていたら、体が冷えるでしょう。取りあえず湯に浸かって下さい。」

浴槽の縁石を跨ぎ、お爺ちゃんを抱っこしたまま湯に入れる。

目をくりくりさせ新平を見つめてくるお爺ちゃんの顔に近づき唇を重ねていく。

やおら、お爺ちゃんの股間に手を伸ばしていき、ゆらゆら揺れている“ちんぽ”を掴みにいく。

「お、おお、“あやかり”してくれるのか。うっふふ・・・。」

今や“あやかり”だなんて、新平とお爺ちゃんにしか分からない隠語になっている。

「そうそう、今夜も“あやからせて”もらいます。お、お爺ちゃん、立つものがって言っていましたが・・・、凄い凄い、自慢の“ちんぽ”が大きくなってきましたよ。」

「うっふふ・・・、嘘だと思って聞いていたんだろ。」

「はい、正直なとこ半信半疑でした。すみません。」

「うん、分かってくれたか。あっはははっ。」

「それよりお爺ちゃん、ここに座ってください。」

「まだ温まっていないんだが・・・。」

「善は急げって言うでしょう。」

新平は、お爺ちゃんを浴槽の縁に抱き上げ座らせる。

「おいおい、上野さん、あんたにそんなことさせられない。あ、ああ、止めてくれ・・・。」

お爺ちゃんの股を開き、ぶら下がった金玉を咥え舌の上で転がし口から出し入れする。

次に“ちんぽ”をしゃぶっていると、段々大きく勃起を始め、若いときだったらもっと太くて長かっただろうが、歳を重ねた今は、さほどでもなかった。

しかしエラが張った雁は見事なものだった。尺八していて、その竿の先の雁がしっかり張り出しているのが感じられた。

90歳のお爺ちゃんが自慢するだけのことが頷ける。それは、まだまだ“男”そのものを維持した立派な黒々とした“ちんぽ”だった。

お爺ちゃんは、後ろ手で洗い場に体を支えるように置き、両足は股を広げて湯面に浮かし突っ張っている。

ときどき股の間に挟んだ足で、新平の体に巻きつけ締め付けてくる。

「週に一度くらい“せんずり”掻いているが、人に扱いてもらうのもええなぁ。」

「週に一度掻くんですか。」

「うん、でもな・・・、途中で諦めることもあるんだ。二人で絡むと、こんなにまで興奮するんだな。」

「そうですか・・・、私も興奮しています。」

風呂場には、新平が尺八している“じゅばじゅば”と卑猥な音が響き渡る。

「あ、ああ、上野さん。そんなに・・・、あ、ああ、駄目だ、出る、出る出る、あ、ああ・・・。」

勢いこそ弱かったが、大量の精液が新平の口中を満たし、気高い匂いを放った。

“ごっくん、ごっくん”

新平が、喉を鳴らし、精液を飲み込んでいくのをビックリして眺めているお爺ちゃんの顔を引き寄せキスをしにいく。

「う、うう、あうあう、気持ちよかったよ。上野さん、有難う。」

唇がやっと離れた時、荒い息遣いでお爺ちゃんが礼を言ってきた。

「あ、ああ、お爺ちゃん。私はいいですから・・・、あ、ああ・・・。」

お爺ちゃんは礼の言葉が終わらないうちに、新平を浴槽の中に立たせたまま“ちんぽ”をしゃぶりにきた。

「あ、ああ、お爺ちゃん。あ、ああ・・・。」

その後、新平は、自分が射精した精液が残っているお爺ちゃんの口で、犯される感覚のまま舌をねじ込まれていた。

台風の影響だろうか、外は雨風が強くなってきたようだ。

(つづく)

ーーーーーーーーーー
お断り:小説の中に登場する人名、地名、企業名はすべてフィクションであり、故意的なものではありません。(源次郎)
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カテゴリー: 上野新平シリーズ, 作者:源次郎 パーマリンク

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