上野新平シリーズ(第99話):愛するお爺ちゃん再び(7)By源次郎


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立花こと宮城勝(みやぎまさる・62)は、東北の田舎町で農業を妻と細々とやっていたが、ご他聞にもれず、食っていくのにもコト欠くような貧乏生活だ。

それで農閑期の冬場は近所の親父たちもやっていた出稼ぎで僅かな現金収入を得ていた。

その年も、隣県の造り酒屋に杜氏(とうじ)の手伝いに行ってたが、そろそろ三月も終わりに近付き酒の仕込みも大方済んだので自宅に戻る準備を始めていたときだった。

自宅近くに住んでいる本家の長男坊で、勝と従兄弟になる同級生の政蔵から電話があり、留守を任せている勝の妻トメが“脳梗塞で倒れていたので病院に運んだ”との連絡を受けた。

その電話を受け、直ぐに杜氏に訳を話し、乗ってきていた軽四トラックに乗り込んで夜道を走った。

左下に日本海があり、遠くに漁火(いさりび)が見えていた。大きく右カーブに差し掛かったとき、前方から来る大型トラックのライトに目が眩み、ハンドルを切り損ねて軽四トラックに乗ったまま、切り立った崖を数十メートル転げ落ち海に突っ込んでいった。

数分は海面に浮いていたようだったが、頭を打ち付けたらしく朦朧としているうちに、やがてズブズブと沈みだしていった。

宮城勝が覚えているのはそこまでで、気付いた時は知らない街の病院のベットの上だった。

(どうして、こんなところで寝せられているんだ・・・、妻が入院したというのに・・・)

点滴の針を自分で抜き、ベット横にあった見覚えの無い洋服だったが、それを着て病院を飛び出しタクシーで近くのJR駅まで急がせ新幹線に飛び乗った。

病院を出るときに洋服のポケットを探ったら封筒が入っていて、封筒に数万円と小銭が入っていたので、それを拝借することにした。

宮城は、頭痛と軽い眩暈を覚えながらも、次々に思い浮かぶ顔に心臓の鼓動が高鳴り出した。

何だろう、なにかモヤモヤした霧の中の場面を見るような状況の中で、頭の中に宮城勝が生活している様子が浮かび上がってくる。

それが段々とはっきりした記憶の中にある生活模様だ。これは、事故の後、病院のベットに寝かされるまでの出来事だろうか。

それらが、次々と現れだしてきた。

(記憶喪失だったのだろうか・・・)

そう考えていると、ぼんやりと臼杵総菜屋で働いていた時の記憶が思い出されはじめた。

「上野さん、福島さん・・・、二人のカッちゃん・・・。ああ、それに温泉場近くの神社で会った宮司さん・・・。」

こうして自分が生きていることは、この親切な人達のお陰なのだ。

故郷に戻り家族の安否を確認し、田植えを済ませたら、何が何でも会いに行ってお礼を言わなければならない。

鼻水を啜りながら、溢れる涙を拭こうともせず、上野新平達に対し感謝の気持ちで胸が破裂しそうだった。

暫くして、新幹線の車内がざわめき出した。

『ほらほら、富士山が見えて来たよ、綺麗ですねぇ、まだ頂上は雪が残っているわ。』

何人かが席を立って、窓側に寄り富士山を眺めたり、カメラのシャッターを切っている。

何か“もやもや”したものがあり、軽い頭痛と眩暈を繰り返しながら宮城勝は腕組みをして、さきほど頭に浮かんでいたことを思い出そうと、目を瞑り周囲のざわめきも聞こえなかった。

しかし、ほんの数分前まで、なにか懐かしい人たちを思い浮かべていたが、何のことだったのだろうか。突然のざわめきで、ぼんやりと思い出された記憶が、かき消されてしまった。

頭の中が、すっきりしているようでもあったが、先程まで何かを思い出していたのは、夢だったのだろうか。

(変だな・・・、なんのことだったのだろう、それに何時のことだったのだろうか・・・、幻覚? )

新幹線を乗り換えるとき、一旦駅を出てドラッグストアで鎮痛剤を買い、コンビニで弁当を買った。

その時、造り酒屋を出発して何ヶ月かの空白があるのに気付いたが、それよりまず、腹こしらえをしてから考えて見ようとプラットホームを小走りで電車に乗り込んだ。

北へ向かう新幹線に乗り込み、弁当を食べ、缶入りお茶で鎮痛剤を飲んみ気持ち良くなり眠り込んでいった・・・。

自宅に帰りついた宮城勝は、一週間ほど家の中の整理や入院している妻の世話で、新平や臼杵たちのコトを思い出すことは無かった。

「勝(まさる)居るのか。」

朝から雨が振り出し、そろそろ遅い梅雨に入ったようだ。座敷や居間の雨漏りを屋根に上って点検し修理を済ませた頃は、すっかり辺りは暗くなっていた。

そこに、従兄弟の政蔵が一升瓶を下げてやって来た。

取り敢えず、漬物や簡単な野菜の炒め物を作り座卓に並べ、政蔵が持参した日本酒を熱燗にして、向き合って乾杯をする。

「勝、お前いつのまに、そんな料理が出来るようになったんだ。」

手際よく、野菜の炒め物や漬物を並べていた勝を“人が変わった”かと思うくらい不思議な顔で見ていた政蔵が聞いてきた。

「そうだな、家ではカカァにまかせっきりで、一度もこんなことやったこと無かったからな。」

「造り酒屋は自炊では無いんだろ。それとも二ヶ月余りめかけでも作ってどこかでシケ込んでいて料理をさせられていたのではないのか。」

「アホ。オナゴは、カカァで充分だ。他にオナゴ作って囲うなんてことは、まず考えられない。あっははははっ。」

大袈裟に笑い飛ばして見たが、勝自身も、いつからこうした料理が自分にできるようになったのか不思議な気がしていた。

また、それを考えると頭痛がし、何かモヤモヤした映像が浮かぶのだが、それが何であるのか勝自身判らなかった。

一升瓶の日本酒が残り少なくなってきたころ、勝と政蔵は着ていた上着もズボンも脱ぎ捨て、褌一枚で顔を赤らめながら並んで、差しつ差されつ酌をしながらの談笑になっていた。

「なぁ、勝。戻って来てもカカァが、あんな状態では満足に“まんこ”も出来なかっただろ。溜まっているんじゃないのか。」

酔っ払った政蔵が、唐突に意味ありげに、ニヤリと笑いながら、勝るの褌の上から“さわさわ”と股間を摩り、顔を覗き込んで来た

その政蔵の手で、勝の“ちんぽ”が一気に膨らみを増し、褌を突き上げてくる。

「あたりまえだろ、それにお前も知っているだろ。カカァとは随分前に卒業しているんだ。どうだ、久し振りに抜いてくれるか。」

勝の妻は三人目の子供の出産の時、胎盤が子宮内膜癒着で、その胎盤だけを取り除くには大量出血の可能性があったので、胎盤だけの切除ができないため胎盤と一緒に子宮を切除し、暫くして卵巣まで全摘して、その後の夫婦間の性生活は出来なくなっていた。

それで、子供の頃から、“せんずり”を並んで掻きあったりした仲でもあったので、まんざらでも無い態度の政蔵と気の向くままの爺同士で下ネタの話題になっていった。

「そうか、子供のころ一緒に“せんずり”掻いたのを忘れていなかったか。楽しかったなぁ、それは有難う。だがな、俺、お前のカカァを入院させたりしていた頃、体調を悪くして医者に診てもらったんだ。そうしたら“前立腺癌”の初期だと言われ手術したんだ。」

「それは大変だったな。俺の子供達三人も遠くに居て何の手伝いも出来なくって悪かったな。それで術後の癌治療は真面目に診てもらっているのか。」

「うん、発見が早かったのでな、転移したりする心配もなかったんだけど・・・。」

言いにくそうに会話の最後を濁してはっきり聞こえない。

「癌の部分だけ切除して、転移も無いんだったら大丈夫じゃないか。何モゾモゾ言っているんだ。」

政蔵はその話には答えず、勝の股間に乗せていた手を褌の横から突っ込んで、半勃起してきている“ちんぽ”を掴み扱き始めてきた。

「おお、勝のは、まだこんなに元気になるのか。羨ましいなぁ。」

勝の褌の前垂れを引き抜き、黒く光る雁先を撫で摩り、“ちんぽ”をぐいぐいと握り締め、しみじみと見つめている。その目が潤んでいるようにも見える。

「おいおい、政蔵。どうしたんだ涙なんぞ浮かべて変だぞ。いつから泣き上戸になったんだ。」

勝は、政蔵がしてくれることだし、また扱かれることで気持ちがよかったので、止めさせる気はなかったが、摩ってくる手を掴んで涙の訳を聞きたかった。

「うん、何でも無いんだ・・・。」

「政蔵。俺に隠し事は出来ないんだ。どうしたんだ、いつもの政蔵じゃないみたいだな。俺にだったら言えるだろ、はっきり言ってみろ。」

勝は語調を強くし、掴んでいた政蔵の腕を更に強く握り、言い出しにくそうにしている政蔵の顔を見つめた。

それでも政蔵は、俯いて勝の固くなりだした“ちんぽ”を見つめていたが、「我慢できない・・・。」と言って股間に顔を埋め雁先を咥え、舌先でぺろぺろ舐め始めてしまった。

「あ、ああ、政蔵。あ、ああ、ちょっと待て・・・。あ、ああ、いきなり齧り付くなんて卑怯だぞ。おいおい、政蔵。悪酔いしたのか、あ、ああ・・・、気持ち良い・・・、うまいなぁ・・・、あ、ああ。」

勝は、気持ち良さもあって、しばらく政蔵がしたいようにさせておこうと思ったが、段々と自分も興奮し、荒い息遣いで低い声で喘いでいた。

「あ、ああ、政蔵・・・。」

政蔵の顔を両手で挟み、顔を上げさせ改めて見詰め合った。

「何だ、お前。やっぱり泣いているじゃないか。」

目には涙を溜め、鼻水を流している政蔵の顔を見て、言いたくない気持ちが、なんとなく判った気がした。

“ちゅるっ、じゅるじゅるっ”

勝は政蔵の顔を引き寄せ、唇から口の中に流れている鼻水を舐め、鼻の穴を片方づつ指で押さえ、すすりあげ、一旦口の中に溜め込んだ後飲み込んでやった。

吃驚顔の政蔵は、“ぽかん”と口を開け、何をされたのか一瞬判らなかった。

「あっはははっ、鳩が豆鉄砲食らった顔して・・・。俺は、政蔵の小便でも飲んでやれるぞ。白濁した臭いの強い、ドロドロの精液だったらもっと良いがな。参ったか。」

黙って聞いていた政蔵が、飛係って来て、勝の首に腕を回し、顔を近づけ唇を尖らせ、舌先で勝の唇を遠慮深げに舐めてきた。

それを優しく受け止め、背中に腕を回し摩り、政蔵の唇をこじ開け舌を突っ込み、口中を舐め回し唾液を送り込みながら舌を絡ませていった。

政蔵は、こじ開けられた唇の間から生暖かいヌメっとした感触があり、同時に身体全身を硬直させ、勝の唾液をゴクゴク飲み込んでいた。

「あ、ああ、勝・・・、あ、ああ、嬉しい・・・、あ、ああ。」

政蔵は、当初ぎこちなく舌を動かしていたが、勝の舌の動きに合わせ、自分も同じように勝の口の中を舐め回していった。

「あ、ああ、勝、勝ぅ・・・、あ、ああ、勝ぅ、好きだ・・・、ずっと好きだったんだ。あ、ああ、勝、俺・・・、幸せだ、あ、ああ。」

うわごとのように、呟きながら政蔵は、唇を離そうとしない。

並んで座り、横向きに抱き合っていた二人は畳の上に倒れ、それぞれの片足を、お互いの股間に挟み、しっかりと抱き締めあって長いディープキッスを続けていた。

「おい、政蔵。このままでは俺、済まなくなった。射くところまで行かないと・・・、あ、ああ、な、なな、良いだろう。」

“いいだろう”と言う意味を全部理解出来た訳ではなかったが、政蔵も、それとなく全く判らない訳でも無かった。

「政蔵。玄関を閉めて内鍵掛けて来てくれ。俺、さきに布団敷いて寝室で待ってるからな、すぐに来てくれ。」

政蔵から身体を離し、さっさと寝室に歩いて行く勝の後姿を眺めていたが“はっ”として、玄関に内鍵を掛けに走った。

政蔵は、鍵を掛けて寝室に向かいながら、この“ときめき”は、何だろうと思った。

怖いような気持ちと、期待感が入り乱れ心臓の鼓動が聞こえてきそうに早鐘を打っている。

(14)

政蔵が寝室の障子戸を恐る恐る開けていくと、敷き布団の真ん中に素っ裸になって上向きに寝ている勝の姿が見えてきた。

驚いたことに、勝のずり剥けた艶々と赤黒い“ちんぽ”がヒクヒク動きながら天井を睨みつけている。

そのぶっとい竿を、自分で扱きながら腰を浮かせ、政蔵が入ってくるのをニッコリ笑って手招きしている。

「政蔵。何をぼんやり眺めているんだ。さっさとこっちに来て、俺の“ちんぽ”をさっきのようにしゃぶってくれ。」

勝の声で政蔵は、反射的に褌を脱ぎ捨て、小走りで勝に近付いて行って身体に覆い被さり唇を吸いにいった。

両腕を拡げて待っていた勝は、政蔵の身体を受け止め、背中に腕を回して抱き締めてくれた。

口付けしながら、政蔵の股間には、勝の硬くて太い“ちんぽ”があたり、それが燃えているように熱く脈うっているのが怪しく伝わって一層興奮してくる。

政蔵は、身体を起こし勝の股間に顔を持っていき、茂みの中から突き出ている竿を右手で掴み自分の頬にペタペタ打ちつけ、それにより勝の先走りが飛び散ってくるのを口で受け止めようとしている。

政蔵が勝の雁先を口で掴みズルズル飲み込み始めてきた。勝は身体を起こし、政蔵の腰を掴んで四つん這いにさせ顔の上に持ってきて萎んでいる“ちんぽ”と金玉を一緒に銜え込む。

「あ、ああ、勝、止せ・・・、うぐうぐ・・・、俺の立たないんだ、あ、ああ、恥ずかしいから・・・、あ、ああ。」

政蔵は腰を振り、逃れようとしてくる。

それを見て、勝は政蔵の涙の訳が判った様な気がした。

「政蔵。手術してまだ三ヶ月足らずだろう。心配することは無い、半年もすれば立派に勃起できるんだから。何も落ち込むことは無いんだ。安心しろ、俺がついているんだ。硬さは復活出来なくても射精は出来るようになるんだから。」

勝の“ちんぽ”を咥えたまましばらく動かなかったが、身体を起こし振り返ってニッコリ笑ってきた。

「ホントに射精できるようになるのかな。」

「ああ、必ず射精できる。毎日、暇があったら自分で“ちんぽ”を触ってるんだ。そんで俺が時々揉んだり扱いたりしてやるから頑張るんだ。」

「うん、わかった・・・。」

政蔵の顔に赤みがさし、今度は嬉し泣きだろうか、ズルズル鼻を鳴らしながら手の甲で鼻水をふき取っている。

「おい、政蔵。こんな話は面白くない。さぁ再開だ。しっかり、しゃぶって硬くしてくれ。そうでないと突っ込まれないからな。」

先程の体勢に戻し、シックスナインを再開する。

「え、勝。いま突っ込むって言ったか・・・。」

アイスキャンディーを舐めるようにジュルジュル音をさせながら、美味そうに勝のゴツゴツした竿を舐め挙げ、嬉しそうに聞いてくる。

「うん、言った。」

勝は、返事をすると同時に、顔の上に持って来ている政蔵の腰に手を回し、双丘を円を書くように掌で撫で回す。

勝は、銜えていた政蔵の金玉から口を離し、舌先で金玉の裏側、“蟻の門渡り”と舐めていき、双丘を両手で押し広げ割れ目の中央の小高い蕾を捉えた。

「うしっ、う、うう、こそばゆい・・・、あ、ああ、勝、早く何とかしてくれ。あひっ、あひっ、あ、ああ。」

泣き出しそうな声で、勝の竿を入れてくれと懇願してくる政蔵が一層可愛くなってくる。

「政蔵。判った、今日は指だけでケツの括約筋を解すつもりだったが、そうか入れられてみたいか。うんうん、待ってろ、硬くってぶっといのをズコズコ突き刺してやるから・・・、でもちょっと痛いと思うが我慢できるか。」

「うん、大丈夫だ。裂けたって血が噴出したって本望だ。50年の想いが叶うんだ。」

「政蔵。50年って何のことだ。」

一方的に子どものころから、従兄弟の勝を思い続けていた政蔵が、初めて告白した瞬間だった。

小学六年頃の従兄弟同士で遊んでいたのは、山の中の炭焼き小屋、牛小屋の二階の米藁の中、又ある時は林の中の木漏れ陽を浴びながら、二人並んで“せんずり”掻き見せ合うことだった。

勝が二十五歳で、さっさと結婚し、本家の政蔵も世間体が悪いとか言われ見合い結婚させられてしまっていた。

政蔵は、妻との夜の営みの最中でも“勝も今頃は、カカァの上に乗っているだろうな”等と、勝夫婦の卑猥な肢体を思い浮かべながら興奮し、マグロ状態の妻の中で果てていた。

それは、愛し合った夫婦の愛情交換と言うのには程遠いもので、政蔵にはそれなりの快感はあったが、不感症ではないようだが余り気乗りしない態度の妻とのセックスだった。

政蔵と勝の二人とも三人の子供が生まれ、それぞれ大人になって結婚し孫も生まれた。

政蔵は妻との夜の営みも、どちらからとも無く避けるようになり、五十半ばからは、寝室も別にしている。

そんな時、街の映画館の男子便所の個室で、男性同士で抱き合ってキスしたり、若い男のケツ穴に白髪頭の男が素っ裸で“ちんぽ”を入れ恍惚状態の写真が掲載されている雑誌を拾った。

その雑誌は、誰かが置いてくれていたのか、多数の男たちが読んで“せんずり”掻いて射精した後のようで、糊付けされた状態でめくられないページがあちこちにあった。

まだ暖かい青臭いドロッとした白濁した精液が残されているページもあり、その部分を鼻にあて臭いを嗅ぎながら政蔵はすっかり興奮してしまい、ズボンもサルマタも足首までずりさげ天井を仰ぎながら、その雑誌に射精してしまった。

それを大事に持ち帰り、時々“せんずり”のオカズにし、また射くときは、決まって勝の顔を思い描き名前まで口にして“いつの日か・・・”との思いでいた。

しかし、それを口に出して勝に伝えることは出来なかった。勝のことだ、きっと一笑にふし相手にしないだろう。

その上、こんな狭い田舎のことだ、そのことを勝が誰かに喋ったりでもされると“変態爺”として見られるに決まっている。

そうなると、この田舎には住めなくなるだろう。“住みたくない、家を出たい・・・”と思ったこともなんどかあったが、政蔵には本家の長男だと言う自負と責任感があった。

農作業の年間計画や法事の段取り、それに子供たちの結婚にまで、嫁の親戚や兄弟たちが口を挟み仕切ってくるのだ。

そうしたことに、政蔵はいつしか逃げ腰になっていた。その方が親戚とのトラブルもないからと諦めてもいた。

しかし、田畑や家屋などの登記簿は、同居している政蔵の長男にだけ教えて、銀行の貸金庫に入れていた。

悶々とした毎日ではあったが、冬場、分家の勝るが出稼ぎに行っている間、男手が無い勝の家の手伝いをして、勝夫婦から感謝され、お礼を言ってくれる勝の嬉しそうな顔を見られるだけで満足していた。

「うがうが、う、うう、勝。い、い、痛い・・・、あがあが、うんが、うんが・・・、構わず突っ込んで・・・、あう、あうっ・・・。」

脂汗を流しながら、ひたすら痛みに耐えている政蔵の顔が可愛そうに思えてくる。

(痛みもこれ以上は耐えられないだろう)

勝は雁先だけを入れ、しばらく様子を見ていたが“ぽんぽん”と双丘を叩いて引き抜きにかかった。

「おい、勝。抜くな・・・、あ、ああ、そのまま続けて突っ込んでくれ。最初は痛いってことは判っているんだから、あ、ああ、抜くんじゃない。あ、ああ・・・。」

政蔵が痛みを我慢し“抜くな”と言っているが、勝は、それには耳をかさず“すぽっ”と引き抜いてしまった。

「何だ、抜いてしまったのか・・・。」

残念そうな悲しい顔で、勝の顔を見てくる政蔵の目が涙で潤んでいる。

「うん、ちょっと待ってろ。今いいもの取ってくるから。」

勝は、政蔵の汗で濡れた額に軽く唇を付け寝室を出て行ってしまった。

一人残された政蔵は、手の甲をハの字にし、その上に顔を伏せ、膝を曲げ尻を高く突き上げたままだ。

自分でその姿を想像し雑誌で見た若い男が、白髪頭のオヤジにケツに入れられている姿とダブらせ興奮していた。

(ああ、やっと勝と繋がられるとおもったが、やはり無理だったようだな、残念だ。もっと指を入れて練習しておくんだったな)

でも政蔵としては、勝が自分の気持ちを少しだけでも判ってくれたのが、それだけでも嬉しかった。

「政蔵、寒くなかったか。待たせたな、ちょっと古い軟膏だが、何も塗らないよ良いだろう。」

勝が寝室に戻って来て、再度入れてくれるといってくれた。

勝は、右手の中指に、持ってきたチュウブの軟膏を二センチほど出し、政蔵の双丘の割れ目にひっそりと佇んでいるようで、それでいて何かを期待するかのようにヒクヒク呼吸している蕾の周囲から中心へと塗り始めていく。

「あ、ああ、なんだ・・・、冷たいのが、あ、ああ。」

政蔵が、尻を振って逃げようとしているのを静止、中指を蕾の中央に押しあて“ブスブス”と挿入していく。

「あ、ああ、気持ちよい。うんうん、何か入ってくる、あ、ああ、そ、そこ・・・、あ、ああ。」

中指を出し入れしながら前立腺と思われる部分を擦りあげると身悶えして喜んでいる。

「ココが感じるのか。」

「うん、凄く気持ちが・・・、あ、ああ。」

肛門括約筋が、指一本でなじんできたようで、出し入れが軽い抵抗はあるが、スムースになってきた。

その後、人差し指を増やし、最後は薬指を添わせるようにして三本を入れ、菊穴を充分馴染ませていく。

「政蔵、痛くないか。」

「あ、ああ、うん、痛くない。早く入れてくれ・・・、あ、ああ、」

「うん、判った。そんなに急がなくっても、ゆっくり楽しもう。良い気持ちにさせてやるからな。」

膝立ちし、自分の手で半勃起状態になってしまった“ちんぽ”を扱きながら近付き双丘の割れ目を上下になぞる。

(うん、これだ・・・)

雁先に蕾の突起を捉え、一気に腰を押し付けていき“ぶすぶす”と括約筋の拒む抵抗を感じながら構わず突っ込んでいく。

「お、おう、は、入ってくる・・・、あ、ああ、勝、頑張れ・・・。」

「あっはははっ、政蔵に励まされるとは・・・、痛くないか。いつでも良いから、遠慮無く教えるんだぞ。」

しばらく直腸の粘膜が“べっとり”巻きついてくるのを待ち、やおら抽送を始める。

出し入れが、スムースになってきた後、身体を回転させ正上位にし、唇を吸いあい、腰をゆっくり上下させ反応を見ながら、深く浅くと抽送していく。

勝と政蔵は、こうして結ばれ、その後も月に一度だけの楽しい密会を続けていた。

三ヶ月過ぎた頃、何時ものように正上位で抽送していた時、普段と違った喘ぎ声を出してくる政蔵の声とともに、勝の腹にべとつくものを感じた。

手を二人の身体の中に差し入れ、政蔵の“ちんぽ”を触って見て驚いた。

「おい、政蔵、気持ちよかったのか。射精しているぞ、トコロテンだったのか。」

「・・・・・・・・・。」

政蔵も、いつもと違った股間の感じを異様に思っていたが“ひょっとしたら・・・”との思いでいた。

しかし、、こんなに早く射精できるようになると思っていなかったので半信半疑でいたようだ。

勝の言葉を聴いて、気持ちよさが思い出したように湧き上がり、身体を痙攣させ勝に抱きついてきた。

「おめでとう。良かったな。」「うん、有難う。これで何んか身体の底から勇気のようなものが沸いてくるようだ。」

快楽で身体に疲れを感じ、肩を並べ、布団に寝転んでいた時。政蔵がポツリと聞いてきた。

「なぁ、勝。言いたくなかったら言わなくても良いんだが・・・。」

「なんだ、言って見ろ。」

最近の積極的な政蔵に無い遠慮したような態度である。

「うん、じゃぁ聞くがな。新平さんって誰のことだ。それに親方とも言っているが。」

「政蔵、どうしてその名前を知っているんだ。いつ聞いた。」

勝が、時々ふっと思い出す名前だが、それが誰なのか何時であったのか不思議でならなかった名前を政蔵に聞かれ驚いた。

「いつだったか、酔っ払って前後不覚状態になった時があったろ、その時口走っていたんだ。それと、ちょっと一緒に昼寝したことがあっただろ、その時も寝言で言っていたんだ。教えなくっても良いんだが、さっきも射く時小さな声で言っていたのでな。」

「そうだったか・・・。俺にも判らないんだが、夢で出てきたり、仕事の途中や、晩飯の支度をしている時“ふっと”思い浮かぶんだ。」

「お前、記憶喪失だったようなこと言ってただろ、その時世話になった人じゃないのか。」

「かもしれないが、その場面が思い出せないんだ。」

「そうだったか、いずれ思い出すことがあるかも知れないな。」

「うん、そうだと良いのだが、今の所まったく思い出せないんだ。」

勝は、政蔵に聞かれたことで、自分が思い出せない何かがあるのだということだけがわかった。

また、ひとコマづつ頭に浮かんでくる場面にも思い当たるところが無い不思議な景色も、そうした名前に関連しているのかもしれない。

それは、食用油が入った鍋を覗き込んでいたり、神社に続く長い石段の途中に座り込んで美しい港を眺めている場面だったりする。

それらは、自分には全く記憶に無い造り酒屋を出て交通事故を起こし崖を転がり込んで海に落ちた後、新幹線に乗って気がつくまでの間の出来事だったのだろうが、いずれ思い出すことがあるだろうと今日も畑仕事の手を休め空を眺めていた・・・。

「おぉーい、新平。帰ったのか。」

裏の勝手口ドアーに身体をくっつけ爪先立ちで隣に住む福島善吉が声を掛けて来ている。

「ああ、お爺ちゃん。ただいま帰りました。そんな所でどうしたのですか。あっはははっ、またまた自動ロック解除の暗証番号忘れたのでしょう。ちょっと待ってくださいね。」

決まり悪そうな顔をし差し入れだろうか魚の煮つけが入った小さな鍋を両手に足踏みしながら待っている。

「うん、いや・・・、両手がふさがっててな。」

言い訳をしている善吉おじいちゃんを、引きずり込むように手を掴み、身体を引き寄せ唇を吸いにいく。

「う、うぐ・・・、慌てるな・・・、あう、あう・・・。」

鍋を持ったまま腕を新平の腰の辺りに回し抱き締め舌を絡ませ身体をあずけてくる。

ひとしきり口を吸い合って流し台の所に行き、鍋を調理台に置き、振り返ってきた善吉お爺ちゃんを抱き締め唇を吸いながら股間に手をもっていき、ズボンの上から優しく揉む。

外は、すっかり暗くなっていた。遠くで豆腐を売回っているスピーカーの声が聞こえている。

(そうだ、近くに来たら今夜の湯豆腐用と、明日の朝の味噌汁に入れるのを買わないといけないんだった)

そんなことを考えながら、上野新平は善吉お爺ちゃんを更に強くだきしめていった。

(つづく)
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お断り:小説の中に登場する人名、地名、企業名はすべてフィクションであり、故意的なものではありません。(源次郎)
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