上野新平シリーズ(第101話):コンビニに来るお爺ちゃん(1)By源次郎


(1)

マンションのエレベータから肩を並べて降り、廊下の一番奥まで歩くのだが、その間ずっと無言のままだった。

重い鉄扉にキーを差し込み、開錠すると薄くなった白髪の紳士は、初めて上野新平(53)を振り返りニッコリ微笑みながら先に入れとジェスチャーで言ってくる。

「お邪魔します。」

新平は、先に部屋に入り紳士が入ってくるのを背後で感じながら、マンションにしては贅沢な広い玄関だと思った。

中廊下が見えている。照明が点いていないのではっきりしないが左右に部屋があるようだ。

3LDKだろうか、高級マンションらしく建具などもガッシリした重厚な感じである。

「うっ・・・、ちょ、ちょっと・・・、う、うぅ・・・。」

いきなりだったが、自動ロックのドアーが閉まると同時に、新平は背後から身体に抱きつかれ、そのまま、焼酎と焼き鳥の匂いを残した唇を付けられ吸われ、ベロベロと舐めまわされてしまった。

「あ、ああ、新平っ、心配しなくって大丈夫だから・・・、あ、ああ、ゆっくりして行って下さいね。」

先程まで居酒屋で一緒に飲んでいた65歳の紳士に、話の流れでパソコンの操作を教えることでおじゃましたのだが、こうしたことも充分予期できてもいたし、そういう流れに持って行きたい助平心も、新平には充分あった。

しかし、玄関に入っていきなり唇を求められるとは、この上品な紳士からは考えもつかなかった。

抱き合って唇をつけたまま、玄関のタタキからフローリングの床に引きずり挙げられ、慌てて踵をすり合わせてスニーカーを脱ぎ捨てた。

「別府さん、吃驚しましたよ。いきなりでしたから。」

「あ、新平。居酒屋で“お爺ちゃん”って呼んでくれるんだっただろう。約束違反だぞ。」

「そ、そうでしたね。うぐ、うぐぐ、あ、ああ・・・。」

(そうだった・・・、お爺ちゃんと呼んでくれと言われ、それだったら私のことは新平と呼んでくれと約束していたんだ・・・)

口付けしながら新平の股間を弄ってくる手を優しく離すと、中廊下を、手を引っ張られるようにして奥のリビングのソファーまで連れて行かれた。

別府大分(べっぷだいすけ・65)老人は、新平を引っ張って廊下を歩きながら、自分が身に着けていた上着、ワイシャツ、アンダーシャツ、それに、ズボンまでも点々と脱ぎ捨てながら連れてきた。

新平はソファーに押し倒され、そのまま覆い被さって来た別府と名乗る紳士に、またしても唇を重ねられてしまった。

柔らかい明かりの下でソファーに押し倒され唇を吸われながら新平は、身体をなで摩り、この上品な紳士との居酒屋での会話を思い出していた。

強引とも思われる別府と名乗るこの紳士は、器用に新平のシャツのボタンを外し、上半身を裸にさせ、ズボンのファスナーを引き下げ手を差し入れふんどし越しだが半勃起している“ちんぽ”を掴んできている。

「あ、ああ、お爺ちゃん。ちょっと待って下さい。汗をかいていますからシャワーだけでも、あ、ああ、お願いします。」

汗と、居酒屋での会話の途中で時々勃起させていたので、先走りが出ていたのだろう、“ちんぽ”と金玉がベットリくっ付き、陰毛までがそれらにへばり付いている。

「あ、シャワーだったら私と一緒に浴びましょう。その前に、この美味しそうで元気な“ちんぽ”をしゃぶらせて下さい。うっひっひひ・・・。」

白髪の紳士、別府老人は薄笑いを浮かべ、新平のズボンのベルトをガチャガチャいわせ引き抜いている。

(手早い・・・)

別府老人は、新平のズボンに手を掛けると、一気に足元まで引き下げ、脱がしてしまった。

既に裸の別府老人は、メリヤスのサルマタ一枚で、股間をモッコリ膨らませ“ちんぽ”の形が浮き出ていて、その先がジットリ濡れている。

別府老人は、両肩にモッコリと筋肉が盛り上がり、肩甲骨の下からプリンとした脊柱起立筋が二本腰まで伸びている。

分厚い胸、縦に並んだ腹筋もくっきりさせている。

洋服を着ているときは気付かなかったが、年齢の割りに凄いムキムキマンだ。スポーツクラブででも専任のトレーナーつけてトレーニングしているのだろうか。

以前、新平はこんなムキムキマンの老人に、会ったことを思い出していた。

(あの家庭菜園で会った鉄砲と呼ばれていた老人も、こんな良い身体していたんだったなぁ)

ふんどし一枚の新平は、この別府老人が次に何をしてくるのか、しばらくじっとして様子をみることにした。

別府老人は、新平の股間に顔を埋ずめ、ふんどしの上から半勃起した“ちんぽ”をなぞるように半開きの唇と舌で嘗め回し“もんぐもんぐ”とあま噛みしてくる。

「あ、ああ、気持ちいいですが・・・、あ、ああ、汗かいていますので・・・、あ、ああ、あう・・・。」

別府老人は、新平の言葉に耳を貸さず、新平のふんどしの紐を解きおそらく臭いがしていると思われる股間をあらわにしてきた。

その様子を両腕を顔の上で組んで目隠ししていたが、そっと目線を下げ見ていった。

(あ、咥えてきた・・・)

あらわな格好で放り出された新平の“ちんぽ”が一気に“ばきーん”と垂直に勃起してしまった。

ビクン、ビクンと跳ねるその“ちんぽ”を、嬉しそうに唇で追いかけ捕まえると、“べろべろ”舐めながら、雁を咥え鈴口を舌先で突っついてくる。

新平は両膝を曲げられ開きぎみにして立たせられ、次に金玉を舐めたり咥えてくる。

別府老人は、この饐えたようなすっぱい臭いと味が大好きだった。

“これぞオトコの味だ”

別府老人は、シャワーで綺麗になった“ちんぽ”には興味が薄れる。

ムンムンとした湯気が立ち上がるような強い饐えた臭いを好んで嗅ぎ味あう。そうして気分を高揚させていく。

ひとしきり“ちんぽ”の先や金玉、それに脚の付け根を嘗め回していた舌が、段々と上の方に上がってくる。臍の周囲、鳩尾(みぞおち)、胸、両乳首と、まるでモップで床を拭いているように広いザラザラした舌で舐めまわし、それが脇の下から首筋に移ってくるころには、新平の息もあがりもだえ始めていた。

「あ、ああ、お爺ちゃん。素敵だよ、あ、ああ・・・、はぁはぁ、はぁ、はぁ・・・。」

先程まで新平の“ちんぽ”を嘗め回していたモップのような舌が顔中を舐め回してくる。

こころなしか、アンモニアの臭いが残っていそうな舌先が顔中を這いずり回っていく。

そのモップのような舌が、新平の唇をベロベロと舐め回しに来たところを捕まえ、口の中に吸い込んで絡ませてやる。

「ふんががぁ、ふんが・・・。うがうが・・・、うふふん・・・。」

別府老人は、一時も静かにしていない。身体をくねらせ、脚をソファーに横たわっている新平の股に差し入れたり膝で股間を突き上げたりと忙がしい。

そうしているうちに、二人は抱き合ったまま、毛足の長い絨毯が敷かれた床に転げ落ちてしまった。

それでも、別府は何事もなかったように、新平に覆い被さり股間部に顔を埋め、舐めまわし愛撫をやめ様としない。

仰向けにされ、天井を向きのまま、手探りで別府老人の身体を、引きずって顔に近づけ様とするが、さらっと逃げられてしまう。
(まだ触らせようとしない・・・、なぜだろう・・・)

それに別府老人は、まだメリヤスのサルマタをはいたままである。

“コットン”

別府老人が、身体を捩って逃げようとした時、ソファーの前のテーブルから何かが落ちたようだ。

別府老人は、それがなんだったか知っていたらしく、手探りで拾い、新平の“ちんぽ”は咥えたままで、なにやら操作している。何かのリモコンだったのだろう。

しばらくすると“カチャッ”と小さな音がして微かなモーターの音がきこえ、CDかDVDの回転する音が聞こえてきた。

(わっ、何だ・・・。モーツアルト・・・)

新平には、聞こえてきた音楽がモーツアルトであることは判ったが題名は思い出せなかった。

(このような音楽をBGMとして絡むなんて初めてだ。でも良いかも・・・)

広大な川を、水車を両側につけ、白い蒸気を吹き上げながら、すべるように進む蒸気船が川上に向かっている光景が目に浮かぶ。

そのような光景を実際見たことがない新平だが、この音楽のどこかにそうした雰囲気を思い起こさせる何かがあるのだろう。

蒸気船の向こうには高い雪山連峰が見え、それらを鏡のような水面に映している。やがて船は小さな町の船着場に到着し、船から降りる者や、今から乗り込もうとしている人々で賑やかになった。

しばらくすると、蒸気船は次の川上の田舎町に向かって、白い蒸気を吹き上げながら警笛を鳴らし、桟橋を離れて出航していく。

そうした穏やかで牧歌的光景を思い起こさせる音楽の調べとは反対に、新平の股間では、白髪のお爺ちゃんが荒い息遣いで懸命にしゃぶりついている。

(あ、このままでは・・・、ここで射ってしまいそう・・・)

膨らむだけ膨らんだ新平の“ちんぽ”を愛おしそうに眺めたり、また思い出したようにベロベロ舐められていると、新平も気持ちよさに、このまま頂点に達してしまう恐れを感じてきた。

(このままでは面白くない・・・)

そう思った新平が逆襲に転じる。

「あ、ああ、何をするのですか・・・、あ、ああ、あうっ・・・。」

身体を起こした新平は、別府の背後から首に片腕を巻きつけ仰向けに引き倒し、被さっていき、唇を付けに行き舌を捻じ込んで絡ませていく。

「あふあふ、あ、ああ、あん、ああーん・・・。」

別府老人は、新平の巧みな舌使いで口中を舐められ、それだけで身を捩りながら悶え始める。

新平の逆襲はそれだけでは無かった。むしろこれからだ。

空いている片手を臍の下にずらしていき、サルマタのゴムのところから突っ込み、ゴワゴワした茂みを撫でその中に半勃起している別府老人の“ちんぽ”を掴む。

(ん? 何かヘンだ・・・)

新平は、別府老人の太くて長くなりはじめた“ちんぽ”を扱いていたが、その竿の先の異変に気がついた。

(お、これは・・・、もしかして“包茎”かも・・・。それで触らせなかったのだろう・・・)

新平は、別府老人の顔の左右に膝を持って行き動かないようにはさみ、自分の“ちんぽ”を口に押し込んでいく。

「ふがふが、ふんがが、もぐもぐ、はぁ、はぁ・・・。」

押し込まれた新平の“ちんぽ”が一段とふくらみ、そのうえ鼻に金玉を乗せられ呼吸が苦しそう。

別府老人は、顔を揺すって、新平の金玉を鼻の横にずり落とし、口の中に入れられた“ちんぽ”を決して上手では無いが、舌先で捏ねるように気持ちよく尺八し始めてくれている。

老人のサルマタに両手を尻側から突っ込み、そのまま膝の方に引き上げ、天井向けさせた両足から抜き取っていく。

(あ、ああ、あれっ・・・、そ、そんな恥ずかしい・・・、あ、あれあれ・・・。)

とうとう素っ裸にサルマタまで剥ぎ取られた別府老人は、両手で“ちんぽ”を隠そうとしてくる。その手を払いのけ、新平は素早く老人の股間に顔を埋め茂みから鼠頸部を唇と舌で舐めまわし、片手で垂直に近い勃起した“ちんぽ”の様子を手の指の感触で探っていく。

その別府老人の“ちんぽ”は、異様に真っ白い皮をかぶって、赤い亀頭の先が僅かにのぞいている。

(真性かな?)

新平は、先走りでジュルジュルに濡れた亀頭に舌先を持っていき舐めまわし、唇で皮の先端を挟み“ズリズリ”と竿の根元に向かって剥いていった。

「あ、ああ、新平。何をするんですか・・・、あ、ああ、止めなさい、う、うう、ひっ、ひっ・・・。」

(あ、剥けた・・・、仮正包茎だったんだ。この歳までどうして自分で剥いておかないのだろう)

別府老人は、暫く新平がしてくれる尺八に、諦めた風に身を任せ気持ちよさそうに、悶えながら押し殺した声で善がり声をだしていた。

「あ、ああ、あん、あんあん・・・、あひゅぅ、あひゅぅ、あへへあへへぇ・・・。新平、あ、ああ、良いです、あ、ああ、それ以上は・・・、あ、ああ、気持ち良い、あうあう、最高です。い、いやぁーん、あ、ああ、やめてぇー、お願いだから、あ、ああ。」

(え、まさか・・・、おネェじゃないだろうな・・・)

新平は、別府老人の“ちんぽ”の先から根元までを往復させ尺八を続けていく。

「あ、ああん、あん、気持ち・・・、い、いい・・・、あ、あんあん・・・。」

身もだえする別府老人の身体が、新平の身体の下でブルブル振るえている。

この時点までは、新平が予想できた別府老人を快楽に導くテクニックの計算通りだった。

この後、二人でシャワーを浴びてベットインし、明日の朝まで愛し合えるのだ。

今夜初めて一緒に飲んだ別府老人を最高のオルガスムスまで誘導し、新平も貯まっていたオトコ汁を噴出し果てるのだ。

だが、これから先の行動は、新平には予想も出来ない方向えと発展してしまった。

(2)

「有難うございます。3273円のお返しです。お確かめ下さい。これはレシートです。」

釣銭とレシートを受け皿に入れ、客がカウンターに載せた買物籠の商品をビニール袋に詰めていく。

上野新平が、以前勤めていた会社をリストラで追い出され、失業保険を受けていたが“これでは身体が鈍ってしまう”一旦そう思うと、とにかく身体を動かしていたい一心でコンビニのアルバイト募集のチラシを見て面接を受けた。

“年齢的に採用は無理でしょう”と云われたが一週間前に“一ヶ月の見習い”として採用された。

その日は、七日目の勤務だった。

「上野さんは、この店の店長ですか。」

新平が渡した釣銭とレシートをポケットに入れていた白髪の紳士が、ニッコリ微笑みながら聞いてきた。

「えっ、あぁネームカード下げていましたね。どうして私の名前をご存知だったのだろうと吃驚しました。あっははっ、私はまだ試用期間中の見習いです。なにか不都合がありましたでしょうか、バックヤードで棚卸しをしていますから店長を呼びましょうか。」

声を掛けてきた白髪の紳士は、今夜で三回目だったようだが、助平な新平が最初に見かけた時から“こんなお爺ちゃんが、お仲間さんだったら、いいだろうなぁ”と気になって見ていた老人の一人だった。

毎日、たいした買物ではないが“レトルト食品”や“週刊誌”それに“香辛料”などを買っていく客だった。

(きっと一人暮らしの老人だろう)っくらいの見当がついていた。

「いいえ、そうではありません。こうしたコンビニで時々買物をしますが、上野さんは、客の顔を見て挨拶されるので嬉しいのです。最近の店員さんは口先だけで他所を向いたまま“有難うございます”と言ってきますが、すこしも嬉しくありません。その点、上野さんはレジが混雑していても丁寧な言葉で顔を合わせてくださるので、買わなくてもいいものでもちょっと寄って買物したくなるのですよ。」

「それは有難うございます。まだまだバーコードを読み取るのに一生懸命で失礼しているのではないかと心配していました。お褒めいただいておおいに自信がつきました。有難うございます。お気づきのことがありましたらおっしゃって下さい。」

ビニール袋に商品を入れ、老人の手に握らせようとして差し出した新平の手を掴まれてしまった。

「あっ・・・・・・。」

思わず声を出してしまった新平が顔を赤くしてしまった。

(手を握られたくらいで、声をだしてしまうなんて・・・、女子高生でもないだろうに・・・)

手を掴んできた白髪の紳士は、赤面している新平にニッコリ微笑みかけ、周囲の客を見回し小声で囁いてきた。

「こんな退屈な老人ですが、お時間がありましたらお酒でも一緒に飲んでくれませんか。電話は、何時でもOKですよ。ぶしつけで申し訳ないですネ。」

それだけ言って、準備していたのだろう、電話番号らしいものが書かれた小さな紙切れを、英国製らしい上品なスーツのポケットから取り出し、押し付けるようにして、そそくさと出て行ってしまった。

「有難うございます。」

白髪の老紳士の背中を見送った。

その後、店内を見回したが新平たちの会話に気付いた客はいなかったようだ。しかし、背後の防犯ビデオカメラには写されているはずだから、どの程度までが写っているかが気になった。

見習い期間ということもあって、勤務時間のシフトが一定でなく、どこで応援に入れられるか不安であったが、取りあえず、明日十日目が午後5時までの勤務だった。

勤務が済んでからロッカー室で誰も居ないことを確認し、さっそく白髪の老人から渡されていた紙切れを財布から取り出し、携帯電話のボタンをプッシュする。

番号を書いた下のほうに“別府”とかいてあったが、これが名前なんだろうか。

数回の呼び出し信号の後「はい、別府です」と、あの時の白髪老人の痺れるような低音で答えてきた。

「ああ、別府さんでしたね。タケマルコンビニの上野です。」

「上野さん、今晩は。電話してくれたのですね。嬉しいなぁ、それで、今どちらにいますか。」

弾んだ声で別府と名乗るあの白髪の紳士が、新平の居場所を聞いてくる。おそらく今すぐにでも会いたいような聞き方だった。

「はい、いま仕事を終えましたが今夜は遅いので、明日の夕方でしたらお会いできるのですが。」

「ああ、そうですか。それはお疲れ様です。それでは明日の夕方待ち合わせしましょう。上野さん、有難う。」

別府と名乗る紳士は、今夜会えないことを残念がっていたようだが、明日の夕方仕事が終わってから、コンビの近くの地下鉄出口前のシティホテル二階の喫茶店で待っていてくれるとのことだった。

翌日の夕方、カジュアルな普段着で入るには気が引けるホテルのロビーを早足で通り抜けエレベーターに乗り込んだ。

約束した時間より15分も早いので喫茶店入り口手前のホールで眼科の正面玄関の車寄せを眺めていた。

黒塗りのリムジンが入って来て運転手が降りて来る。後部ドアーを開けてやっているのが見えた。

(参ったな、降りてきた人が別府老人だったら・・・)

ちょっと新平とは生活レベルが違う人が利用するホテルだったようだ。

(最初から居酒屋で待ち合わせるようにしておいたが良かったかな・・・)

別府老人が“部屋を予約していますから、そちらでルームサービスでもたのみましょうか”などと言い出したりされたらどうしよう。

だが、新平が勝手にあの素敵な白髪の別府老人が“お仲間さん”だったらと期待しているだけで、彼は単に“お酒でも”と誘ってくれただけだ。

新平は、苦笑いを浮かべ一方的に自分の期待を膨らませて想像しているだけだと思いながら喫茶店の入り口を振り返って見た。

「上野さん、早かったのですね。」

エレベーターを降りて喫茶店に向かいながら、新平がホールの窓側に立っているのに気がついた別府老人が歩み寄って来ていた。

「こんにちは、私もたった今来たところです。」

別府老人が新平に近付き右手を差し出して来ていたので、ごく自然に左手も添えて握手した。

(ああ、老人にしてはガッシリした掌だ。それに暖かい。ずっと握り締めていたい・・・)

そうは思ったが、これも自然に手を離し、平常心を保つよう気付かれないように大きく深呼吸をしていた。

最上階のラウンジでの夕食をと誘われたが、新平のわがままで、堅苦しい所より居酒屋での食事にしてもらうことにした。

勤めていた頃、同僚たちと立ち寄っていた居酒屋ではあまりにも、この白髪の老人には不釣合いに思えたので、建築主と打ち合わせを兼ねて使用したことのある、こじんまりした割烹風居酒屋に誘った。

通りに面した生垣の扉を押し、打ち水してある庭石を眺めながら玄関戸を恐る恐るあけて見た。

ここは、“一見さんお断り”の札はだしていないが、顔見知り以外は入れてくれない頑固な親父が見習いの若い青年、それに仲居のおばさんの三人でやっている。

「やあ、上野さん。お久し振り、元気でしたか。どうぞ、空いていますからお入り下さい、お二人さんでしょうか。」

親父が覚えてくれていてホットする。案内された堀コタツになったテーブルに向かい合わせに座りながらオシボリを受け取る。

たいして待つこともなく、すぐに仲居のおばさんが料理を運んできてテーブルに並べ終えて出て行った。

「さすが店主おまかせの料理ですね。」

「お気にいってもらって安心しました。ここは幻の焼酎とかが時々こっそり入荷していたりするので期待してください。」

「それは有りがたい。大いに期待していますよ。ところで私、耳がちょっと遠いので、折角だから、そちらに座ってよいですか。」

新平にとっては幸いなことだった。テーブルが広いこともあったのだが、返事をする前に、コップや小鉢を抱え、そそくさと新平の横に座ってきてくれた。

話好きな老人で、どうして話をあわせてよいか心配だったが、そうした心配も無用だった。

サムプライズローンの破綻、東京株式市場の急落の話からはじまり、最近の秋葉原オタクの話、ネットカフェの話しとかまで退屈することもなく意気投合して盛り上がっていた。

新平にしては、このサムプライズローンの破綻と、リーマンブラザーズの倒産は、直接身に降りかかった問題だった。

バブル崩壊後一時取り戻したように見えていたが、経営者は欲が深いためか外国資本に興味を示し、色々と手を出しすぎ、本来の建設業を忘れていたわけでもないだろうが、気がついたときは右肩下がりで受注高が落ち込んでいた。

どこかで浮上するだろうと安易に考えていた経営陣も、国内の株価もアッというまに冷え込んでしまっていた。

同期入社の部長から短期の休職をとの相談があったが、新平には直接言い出し難いことだったのだろうと解釈し、新平自ら退職願いを出し退職してしまった。

二人っきりの送別会を設けてくれ、涙声で“景気が回復したらキミの技術が必要なんだから、必ず戻って来てくれ”と言っていたが、新平としては、まだ若いとの思いもあり、これを機会に違った人生を経験しても、との軽い気持ちがあった。

後悔はしたくなかったが、実際全く知らない社会に放り出された気持ちだった。第一、毎朝挨拶を交わしていた多くの職場仲間が居ない現実は、言いようの無い寂しさであった。

そうした身の上相談にも似た話にも別府老人は真剣な目つきで聞いてくれていた。

また唐突であったがアメリカ経済の話なども詳しく語ってくれた。

「八年間に渡ってアメリカ共和党のブッシュ大統領が、自国だけにとどまらず、世界各地をぶっ壊した感じであったでしょう。
その後、米民主党バラク・オバマ(47)が共和党ジョン・マケイン(72)両上院議員を破って、米大統領に決まりましたね。
黒人初のアメリカ大統領です。はたして、このアフリカ・ケニア生まれの父親を持つオバマが、崩壊した感の世界経済をどこまで立て直してくれるのでしょうか。」

新平には直接間接と、これらの話にはうといのだが、この老人の口の動きだけを“おいしそう”と思いながら聞き入っていた。

時々、話をしながら新平の太股付近に手を載せてきたり、下に下げている足をくっつけてくる。それらは、ごく自然な流れだったのだが、新平にとっては嬉しいかぎりだった。

調子に乗って、また酔ったふりの演技も加え、別府老人と足を絡ませたり、肩を組んだりも出来た。

別府老人に気にいってもらって一安心し、料理もおおかた食べ終わるころには、5合瓶の焼酎も残り少なくなっていた。

「上野さん、今夜は楽しかった。これ飲んでしまいそうですね。」

「はい、飲んでしまいましょう。」

そうした白髪の別府老人との出逢い、つい先程までの居酒屋での楽しい会話などを思い出しながら、新平は夢中で目の前に大きく勃起した別府老人の“ちんぽ”をしゃぶっていた。
(あっ、逃げていった・・・)

口に咥えていた別府老人の“ちんぽ”がヌルっとでていき、新平の胸の方までズリズリと下がっていってしまった。

それと同時に、別府老人は新平の股の下から抜け出すように上半身を起こし、新平の尻たぶを両手でわしづかみして左右に押し開き顔を埋め、例のモップのような舌で金玉の裏側、蟻の門渡りと舐め進み、恥ずかしい蕾を捕らえ舐め始めている。

「あ、ああ、お爺ちゃん。そ、そこだけは、ま、まだ待ってください。あふん、あふん、あ、ああ。」

シャワー浴びる前の股間だけは仕方なくしゃぶってもらったが、お尻を舐められるのは、許容範囲を超えている。恥ずかしいこと、この上なしだ。

尻を振って逃れようとしている腰をガッチリ掴んだ老人の腕では、びくともしない。固定させたようにがっしりつかまれ、黙々と蕾の周囲から中央へと舐め回してくる。

「あ、ああ、あはん、あはん・・・、い、いい、いいです・・・、あ、ああ、お爺ちゃん、ははぁ、ははぁ、い、いい、あれ、あれ、あ、ああ・・・。」

新平は、これまで何度かアナルの経験はあったが、まだ直腸での快楽を経験したことがない。

ウケだって出来ないことはないのだが、許されるなら“タチ”にまわってリードし、相手も自分も悦楽を味わい双方が満足することを望んでいた。

でも、今夜は新平が組み立てた流れとは、随分かけ離れた状態で進められていくようで、心なしか不安と違った意味での期待をしていた。

美味しい酒と豊富な退屈させない話題で、久し振りに楽しい夜を過ごせる。唐突に会社からリストラさせられ、一時は何をして良いのか悩んだ日々を過ごしていたが、こうした出逢いがあっただなんて予想も出来なかった。

自宅隣に住む福島善吉お爺ちゃんは、奥さんが入退院を繰り返していることもあり、病院近くのお孫さんの所に行ったきりで会いたくても会えない状態が続いている。

そのため、また失業中でもあったので発展場にも行く気がしないし、善吉お爺ちゃんとも随分会っていない。

(ん? つ、冷たいモノが・・・、あ、ラブオイルかも・・・)

新平の肛門につめたいものが感じられる。別府老人は、それを塗り広げているようだ。

(いよいよだろうか・・・、あ、ああ、このまま、ここで挿入まで進められていくのだろうか・・・)

ちょっと不安になってきている新平だった。

(つづく)

ーーーーーー
お断り:小説の中に登場する人名、地名、企業名はすべてフィクションであり、故意的なものではありません。(源次郎)
*****************************************************************************・上野新平シリーズ(BY源次郎)に戻る

カテゴリー: 未分類, 上野新平シリーズ, 作者:源次郎 パーマリンク

以下にコメント・投稿を記入下さい。お名前は必ず記入下さい(匿名可)。メール情報(非公開)は必須ではありません。既コメントに対しては、当該コメント下部の返信をクリックし、記入下さい。

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中